歯周病は本当にうつる?日常生活の注意点とは?

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

歯周病は本当にうつる?日常生活の注意点とは?

こんにちは。スマイルパートナーズ山手歯科クリニックです。

「歯周病は人にうつるの?」「パートナーや家族に影響が出ないか心配」「感染を防ぐ方法を知りたい」とお悩みではありませんか?実は、歯周病菌は唾液を通じてうつることがあるため、家族やパートナーへの配慮が大切です。

今回は、歯周病の感染メカニズムや予防策、家族で取り組むべきセルフケアのポイントを解説していきます。大切な人と健康な口腔環境を保つためのヒントをお伝えしますので、ぜひお読みください。

 

1.こんなお悩みありませんか?

「歯周病はうつるのか」という疑問は、多くの患者様からいただく質問のひとつです。ご自身が歯周病の場合、パートナーやご家族、特にお子様への影響が気になるのは当然のことです。以下のポイントで解説します。

 

歯周病が本当に人にうつるのか気になる
口内環境が家族で共有される中で、歯周病菌がどのように移動するのかについて心配される患者様は多いです。

 

パートナーや子どもへの影響を防ぎたい
キスや食器の共有が歯周病菌の感染リスクを高めるのではと考えている方も多いでしょう。

 

歯周病菌がもたらすリスクを正しく知りたい
歯周病が進行すると全身の健康にも影響することが分かってきており、そのリスクについて詳しく知りたいと思う方もいらっしゃいます。

 

歯周病は、適切なケアと予防をすることでコントロール可能な病気です。パートナーやご家族にうつさないためにもしっかり対策をしていきましょう。

 

2.歯周病とはどんな病気?

歯周病は、歯を支える歯茎や骨に炎症を引き起こし、放置すると歯を失う原因となる慢性の病気です。この病気の怖いところは、初期段階では痛みや不快感がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまう点にあります。そのため、「沈黙の病気」とも呼ばれることがあります。

 

歯周病の基本的なメカニズム

歯周病は、口の中に存在する細菌が主な原因です。食事の後に歯の表面に付着するプラーク(歯垢)には、歯周病菌と呼ばれる細菌が含まれています。この細菌が歯茎に炎症を起こし、適切に除去されないと症状が進行していきます。

歯周病菌が作り出す毒素が、歯茎を刺激して炎症を引き起こします。炎症が長期間続くと、歯を支える骨(歯槽骨)が破壊されていき、最終的には歯がぐらつき、抜け落ちることもあります。

 

プラークと歯周病菌の関係

プラークは、食べ物の残りカスや唾液、細菌が混ざり合ってできる粘着性の物質です。この中には歯周病菌が多数含まれており、歯茎に直接的な悪影響を及ぼします。プラークは毎日の適切なブラッシングで取り除くことができますが、除去されないまま放置されると、唾液中のカルシウムと結びついて硬い歯石に変化します。この歯石は、さらに歯周病菌の温床となり、症状を悪化させます。

 

歯周病の進行段階

歯周病は、以下の段階を経て進行します:

①歯肉炎
歯茎に軽い炎症が起き、腫れや出血が見られる段階です。この段階であれば、歯科医院での簡単なケアや自宅での適切なブラッシングで改善が可能です。

②軽度〜中等度の歯周炎
炎症が歯茎の下にある骨(歯槽骨)にまで及び、歯を支える骨が徐々に溶け始める状態です。この段階では、歯がぐらつくことがあり、治療には専門的なケアが必要になります。

③重度の歯周炎
骨が大きく破壊され、歯が抜け落ちるリスクが高まる状態です。重度の歯周炎になると、通常の治療だけでは改善が難しく、外科的な処置が必要となることがあります。

 

歯周病は口の中だけの問題ではありません。近年の研究では、歯周病菌が血液中に入り込み、心臓病や糖尿病を悪化させるリスクがあることが分かっています。また、慢性的な炎症は免疫力を低下させ、体全体の健康にも悪影響を及ぼします。

歯周病は、早期発見と適切なケアで進行を防ぐことができます。毎日のケアと定期的な歯科検診が何よりも大切です。少しでも気になる症状がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

 

3.歯周病はどうやってうつるのか?

歯周病は「感染症」の一種であり、その原因となる細菌が唾液を介して他の人に移る可能性があります。ただし、日常的な接触で必ずうつるわけではありません。それでも特定の状況や行動が、感染リスクを高めることがあります。以下では、歯周病菌の感染経路やリスク、予防策について解説します。

 

主な感染経路:唾液を介した感染

歯周病菌は主に唾液を介して他の人の口腔内に移る可能性があります。以下のような日常的な場面で感染リスクが高まることが知られています。

  • 同じ箸やスプーンの使用
    食事中に家族や友人と食器を共有すると、唾液に含まれる細菌が他の人の口腔内に移るリスクがあります。特に、感染しやすい子どもや高齢者には注意が必要です。
  • キスや口移しでの食べ物の提供
    親が子どもに離乳食を口移しで与えたり、スプーンを使って食べさせる際に、自身の唾液が子どもの口腔内に入ることがあります。これが原因で歯周病菌が移ることがあります。
  • 歯ブラシやタオルの共用
    家族間でも歯ブラシやタオルを共用するのは避けたほうが良いでしょう。これらは唾液を介して細菌が伝わる媒介になりやすいからです。
  • パートナーとの接触
    キスなどの親密な接触は、パートナー間で歯周病菌が移る主要な経路の一つです。一方が歯周病を患っている場合、もう一方も感染するリスクが高まります。

 

親子間、パートナー間での感染リスク

歯周病菌は特に親子間やパートナー間で移りやすいとされています。それぞれのリスクと注意点を詳しく見ていきましょう。

  • 親子間の感染
    子どもの免疫システムは未発達であり、大人よりも感染しやすい状態にあります。親が歯周病を患っている場合、食事中に口移しやスプーンの共有などを行うことで、子どもに細菌が移る可能性があります。特に離乳食期の子どもは注意が必要です。
  • パートナー間の感染
    キスやコップの共有など、日常的な行動を通じて唾液が移ると、パートナー間でも歯周病菌が感染することがあります。一方が歯周病を患っている場合、もう一方も口腔内環境に注意を払い、予防に努める必要があります。

 

日常生活での注意点

歯周病菌の感染リスクを最小限に抑えるために、日常生活の中で以下のような工夫が効果的です。

①専用の歯ブラシや歯間ブラシを使用する
家族間であっても、歯ブラシや歯間ブラシを共有しないようにしましょう。個人専用のものを使うことで、細菌が移るリスクを軽減できます。

②食器やカトラリーの共有を避ける
特に子どもに食事を与える際、親が直接使ったスプーンや箸を使用しないようにしましょう。これにより、親から子どもへの感染リスクを低減できます。

③定期的な歯科検診を受ける
歯周病菌が口腔内に存在する場合でも、定期的な歯科検診を受けることで早期発見・早期治療が可能です。家族全員で歯科検診を受けることが理想的です。

④正しい口腔ケアを習慣化する
日々のブラッシングや歯間ブラシの使用は、歯周病菌の繁殖を抑える重要なポイントです。家族全員で正しい口腔ケアを心がけましょう。

 

実際、歯周病菌を完全に排除することは難しいとされています。しかし、適切な予防策や口腔ケアを実践することで、感染リスクを大幅に減らすことが可能です。さらに、口腔内環境を整えることにより、歯周病菌が悪さをするのを防ぐこともできます。

歯周病菌の感染リスクを抑えるためには、家族全員で意識を高め、日常生活の中でできる予防策を取り入れることが重要です。特に、小さなお子様や高齢のご家族がいる場合には、感染経路を理解し、健康的な口腔環境を維持する取り組みを進めていきましょう。

 

4.感染しやすい人の特徴とは?

歯周病菌が感染しやすい人には共通する特徴があります。免疫力や生活習慣、体の状態など、さまざまな要因が影響を与えています。それぞれの特徴とその理由について見ていきましょう。

 

免疫力が低い人が注意すべきこと

免疫力が低下していると、体が歯周病菌に対抗する力も弱まり、感染リスクが高まります。

  • 風邪をひきやすい、疲れやすい人
    免疫力が低下していると、口腔内での細菌繁殖を抑える働きが弱くなります。その結果、歯周病菌が増えやすくなり、感染しやすくなります。
  • 不規則な生活習慣
    睡眠不足やストレスは免疫力を低下させる原因の一つです。特に、忙しい日々を送る方は、生活リズムを整えることが重要です。
  • 栄養不足
    偏った食事や栄養バランスの崩れも、免疫力を下げる原因になります。口腔内の健康を守るためには、ビタミンやミネラルを含むバランスの良い食事が欠かせません。

 

糖尿病や喫煙が歯周病の発症リスクを高める理由

特定の持病や生活習慣も、歯周病に感染しやすい原因になります。

  • 糖尿病患者のリスク
    糖尿病の方は、血糖値が高い状態が続くことで体の免疫力が低下し、歯周病菌が増えやすくなります。また、歯周病が糖尿病を悪化させることもあるため、歯周病の早期予防が特に重要です。
  • 喫煙者のリスク
    喫煙は口腔内の血行を悪くし、歯茎の免疫力を低下させます。さらに、タバコの成分が歯周病菌の活動を活性化させ、歯周病の進行を早めることがわかっています。
  • ストレスとの関連性
    ストレスが溜まると、体内で炎症を抑えるホルモンのバランスが崩れ、歯周病菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。

 

妊娠中や更年期女性のリスク

ホルモンバランスの変化も、歯周病に影響を与える重要な要素です。特に、妊娠中や更年期の女性は注意が必要です。

  • 妊娠中のリスク
    妊娠中はホルモンの影響で歯茎が腫れやすくなり、「妊娠性歯周炎」と呼ばれる歯周病が起こることがあります。これにより、早産や低体重児出産のリスクが高まる可能性もあるため、歯科検診を積極的に受けることが推奨されています。
  • 更年期のリスク
    更年期の女性は、ホルモンバランスの変化により骨密度が低下しやすくなり、それに伴って歯茎や歯を支える骨が弱くなることがあります。この状態が歯周病の進行を助長する可能性があります。

 

感染しやすい方へのアドバイス

感染リスクを軽減するためには、次のような対策が有効です。

①定期的な歯科検診
免疫力が低い方や糖尿病などの持病をお持ちの方は、定期的に歯科検診を受け、口腔内の状態をチェックすることが大切です。

②生活習慣の見直し
バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけることで、免疫力を高め、感染リスクを軽減できます。

③禁煙の実践
喫煙習慣がある方は、禁煙を検討することが歯周病予防に繋がります。タバコをやめることで、歯茎の血行が改善し、免疫力が向上します。

④ストレス管理
リラクゼーション法や趣味の時間を持つことで、ストレスを軽減し、体全体の免疫力を高めることが可能です。

 

歯周病菌に感染しやすいと感じる方や、すでにリスク要因を抱えている方は、日々のケアと定期的な診察を組み合わせることで、歯周病の発症を予防しやすくなります。自分自身の健康を守るためにも、早めの対策を心がけましょう。

 

5.歯周病を予防するためのセルフケア

歯周病は、適切なセルフケアによって予防できる病気です。毎日の習慣を少し工夫するだけで、歯と歯茎の健康を守ることができます。以下では、具体的な予防方法をご説明します。

 

プラークコントロールの重要性

歯周病の主な原因は、プラーク(歯垢)に含まれる細菌です。プラークを効果的に除去することで、歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。

  • プラークとは?
    食べ物の残りかすや細菌が集まってできた薄い膜状の汚れです。時間が経つと歯石となり、歯茎に炎症を引き起こします。
  • 定期的な除去の重要性
    毎日のブラッシングでプラークを取り除くことが、歯周病予防の基本です。放置すると、炎症が進行し歯周病へと繋がります。

 

正しい歯磨き方法と道具の選び方

歯磨きはセルフケアの基本ですが、方法を間違えると効果が半減します。正しい歯磨き方法と道具の選び方を知ることが大切です。

  • 歯ブラシの選び方
    柔らかめの毛で、小さいヘッドの歯ブラシが、細かい部分まで届きやすくおすすめです。
  • 歯磨きの手順
    1. 歯と歯茎の境目を中心に磨く:45度の角度で歯ブラシを当て、小刻みに動かしましょう。
    2. 歯の裏側もしっかりと:前歯の裏側は、歯ブラシを縦にして丁寧に磨きます。
    3. 舌も忘れずに:舌を軽くブラッシングすると、口臭予防にも効果的です。
  • 磨く時間
    1回につき最低2分間を目安に、丁寧に磨きましょう。

 

歯間ブラシやデンタルフロスの使い方

歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを完全に取り除くことはできません。歯間ブラシやデンタルフロスを活用することで、さらに効果的なケアが可能です。

  • 歯間ブラシの使い方
    1. 自分の歯間に合ったサイズを選びます(歯科医院で相談すると安心です)。
    2. 歯と歯の間に優しく差し込み、前後に動かして汚れを除去します。
  • デンタルフロスの使い方
    1. 約40cmのフロスを切り、指に巻き付けます。
    2. 歯と歯の間に挿入し、上下に動かしてプラークを取り除きます。
    3. 一つの歯間ごとに新しい部分を使い、清潔を保ちます。

 

歯磨きだけでは不十分?追加のケア方法

  • マウスウォッシュの使用
    殺菌作用のあるマウスウォッシュを取り入れることで、歯ブラシやフロスでは届かない部分の細菌を減らすことができます。
  • キシリトールガムの活用
    食後にキシリトールを含むガムを噛むことで、唾液の分泌を促し、歯を守る環境を整えます。

 

歯周病は日々のセルフケアで予防することができます。正しい知識を持ち、適切な道具を使い、丁寧にお手入れすることで、歯と歯茎を健康に保ちましょう。早めの対策が、歯周病の進行を防ぎ、口腔内の健康を守るポイントです。

 

6.歯科医院でできる予防と対策

歯周病は日常のセルフケアだけでなく、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることでより効果的に予防や治療が可能です。歯周病のリスクを軽減し、健康な口腔環境を保つための具体的な方法をご紹介します。

 

定期的なプロフェッショナルケアの必要性

歯周病の予防や早期治療には、歯科医院での定期的なチェックが欠かせません。

  • 早期発見が重要
    歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、見逃されがちです。歯科医院での定期的な検診を受けることで、早期に発見し、進行を防ぐことができます。
  • セルフケアの限界を補う
    毎日のブラッシングやフロスでは落としきれない汚れや歯石は、専門的なクリーニングで取り除く必要があります。

 

歯周ポケットのクリーニングとは

歯周ポケットとは、歯と歯茎の間にできる隙間のことを指します。この部分に歯垢や細菌が溜まると歯周病が進行する原因になります。

  • 歯石除去(スケーリング)
    専門の器具を使い、歯の表面や歯周ポケット内の歯石を徹底的に取り除きます。歯石は硬くなり家庭では除去できないため、歯科医院での処置が必要です。
  • ルートプレーニング
    歯周ポケット内の歯根部分を滑らかにし、細菌が再び付着しにくい環境を作ります。これにより歯周病の進行を抑え、歯茎の回復を促します。

 

歯周病の初期段階での治療法

歯周病が軽度の段階であれば、簡単な処置で改善が期待できます。

  • 初期治療(歯石除去)
    初期段階の歯周病は、定期的な歯石除去で改善することが多いです。この治療では、歯周ポケット内の汚れを取り除き、歯茎の炎症を抑えます。
  • 抗菌療法
    必要に応じて、歯周ポケット内に抗菌薬を投与し、細菌を抑制します。この治療法は、炎症が強い場合や細菌の数が多い場合に適しています。
  • 定期的なモニタリング
    治療後も定期的に歯科医院でチェックを受けることで、再発を防ぎます。患者様の生活習慣やケア方法に合わせたアドバイスも行います。

 

歯周病治療が全身の健康に与える効果

歯周病を予防・治療することで、歯と歯茎だけでなく、全身の健康も守ることができます。

  • 心臓病や糖尿病のリスク軽減
    歯周病菌が血液中に侵入するのを防ぐことで、全身への悪影響を抑えます。
  • 免疫力の向上
    歯周病の炎症を抑えることで、体全体の免疫力を維持することが期待できます。

 

歯周病を予防し、健康な歯茎を維持するためには、セルフケアとプロフェッショナルケアを組み合わせることが最も効果的です。
定期的な歯科検診を受け、専門的なクリーニングを行いながら、日々のブラッシングやフロスで歯茎を健康に保ちましょう。

 

7.歯周病の進行を防ぐためのライフスタイル改善

歯周病は日々の生活習慣が大きく影響する病気です。適切なケアを続けることに加え、生活習慣の見直しを行うことで、歯周病の進行を効果的に防ぐことができます。ここでは、禁煙、食生活、ストレス管理といった3つのポイントをお伝えします。

 

禁煙が歯周病予防に及ぼす効果

喫煙は歯周病のリスクを大幅に高める要因の一つです。

  • 血流への悪影響
    喫煙により歯茎への血流が悪化し、酸素や栄養が行き渡りにくくなります。その結果、歯茎の健康が損なわれ、歯周病が進行しやすくなります。
  • 免疫力の低下
    喫煙者は細菌に対する免疫反応が弱まり、歯周病菌と戦う力が低下してしまいます。
  • 禁煙のメリット
    喫煙をやめることで歯茎の状態が改善し、歯周病治療の効果も向上します。健康な歯茎を維持するために、禁煙を検討することをお勧めします。

 

健康的な食生活と口腔ケアの相乗効果

バランスの取れた食事は、歯と歯茎を健康に保つために重要な要素です。

  • ビタミンCの摂取
    ビタミンCは歯茎の健康を保つために必要な栄養素です。柑橘類やキウイフルーツ、ピーマンなどの食品を意識して摂ることで、歯茎の炎症を軽減できます。
  • カルシウムの補給
    牛乳やヨーグルト、小魚などに含まれるカルシウムは歯を強化し、歯周病の進行を抑える助けになります。
  • 過剰な糖分を避ける
    糖分が多い食事はプラーク形成を促進します。スナック菓子や甘い飲み物を控え、健康的な食生活を心がけましょう。

 

ストレス管理で免疫力を高める方法

ストレスは免疫力を低下させ、歯周病の進行を早めることがあります。日常生活でストレスを上手にコントロールすることが大切です。

  • 適度な運動
    ウォーキングやヨガなどの軽い運動はストレス解消に役立ちます。また、体全体の健康維持にも効果的です。
  • リラクゼーションの実践
    深呼吸や瞑想を取り入れることで、心をリラックスさせる習慣を作りましょう。これにより免疫力が高まり、歯周病の進行を抑える効果が期待できます。
  • 十分な睡眠
    質の高い睡眠は、身体の回復と免疫力の維持に欠かせません。寝る前のスマートフォン使用を控えるなど、リラックスできる環境作りを心がけてください。

 

日々の生活習慣を改善することで、歯周病予防だけでなく、全身の健康維持にもつながります。禁煙や食生活の見直し、ストレス管理を実践することで、歯と歯茎の健康を守りながら、笑顔あふれる生活を送ることができます。生活の中で無理のない範囲から少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

8.うつさないための工夫

歯周病菌は、家族やパートナー間で感染する可能性があります。しかし、適切な予防策を講じることで、そのリスクを大幅に減らすことが可能です。ここでは、家族や大切な人を守るための具体的なポイントをご紹介します。

 

家族やパートナーへの感染を防ぐポイント

歯周病菌が唾液を介して移る可能性があることを考えると、日常生活でのちょっとした工夫が感染リスクを下げるカギとなります。

  • 定期的な歯科検診
    家族全員で歯科検診を受けることが重要です。定期的なプロフェッショナルケアを行うことで、歯周病菌の増殖を防ぎ、感染リスクを抑えることができます。
  • 共有するものを見直す
    歯ブラシやタオル、コップの共有を避けましょう。これらの日用品からも細菌が移る可能性があるため、個別に使用する習慣をつけることが大切です。
  • キスやスキンシップに注意
    特に乳幼児との接触の際は注意が必要です。唾液が直接触れることで菌が移る可能性があるため、口移しでの食事などは避けましょう。

 

食器やスプーンの共有を避ける習慣

食器やスプーンを共有することは、家庭内で歯周病菌が広がる主な原因の一つです。特に子どもや免疫力の低い家族には、以下の点を意識しましょう。

  • 食事の際の注意
    子どもへの食事を分ける際に、親が使ったスプーンをそのまま使うことを避けましょう。また、自分の箸やスプーンを子どもと共有しないことも大切です。
  • 専用食器を準備
    家族全員が専用の食器やカトラリーを使う習慣を取り入れると、自然に感染リスクが低下します。お子様用にカラフルで分かりやすいデザインのものを選ぶと、楽しみながら習慣化できます。

 

健康な口内環境を維持するための取り組み

感染を防ぐには、歯周病菌が増殖しにくい健康な口内環境を保つことが大切です。以下の取り組みを日々の生活に取り入れてみてください。

  • 毎日のブラッシング
    毎食後のブラッシングを欠かさず行いましょう。歯と歯茎の境目を丁寧に磨くことで、プラークの蓄積を防ぎます。
  • デンタルフロスや歯間ブラシの活用
    歯ブラシでは届かない箇所の清掃には、デンタルフロスや歯間ブラシが効果的です。習慣化することで菌の減少が期待できます。
  • 抗菌性の洗口液の使用
    歯周病菌を減らすためには、抗菌作用のある洗口液を活用するのもおすすめです。ただし、使用頻度や適切な製品については歯科医に相談してください。

 

家族や大切な人を守るためには、全員で健康な口腔環境を維持する意識を共有することが大切です。小さな習慣の積み重ねが大きな効果を生みます。家族の誰かが歯周病の治療を受けている場合は、全員が予防に取り組むことで、感染リスクをより低く抑えることができます。

 

9.歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身の健康にも大きな影響を及ぼす可能性があります。近年、歯周病がさまざまな病気と深く関係していることが明らかになってきました。ここでは、歯周病が引き起こす全身への影響について説明します。

 

歯周病と糖尿病・心血管疾患の関係

歯周病が進行すると、歯ぐきの炎症によって発生する細菌やその毒素が血液を通じて全身に広がることがあります。このプロセスが、いくつかの病気のリスクを高める原因となっています。

  • 糖尿病との関係
    歯周病は、糖尿病のコントロールを悪化させることが知られています。歯周病による慢性的な炎症が、血糖値を安定させるインスリンの働きを妨げるためです。逆に、糖尿病がある方は歯周病になりやすいという双方向の関係もあります。
  • 心血管疾患への影響
    歯周病菌やその炎症物質が血管に入り込むことで、動脈硬化や心臓病のリスクが高まる可能性があります。一部の研究では、歯周病患者様が心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めることが示されています。

 

妊娠中の歯周病が早産リスクを高める理由

妊娠中はホルモンバランスの変化により、歯周病が悪化しやすくなります。また、歯周病がある妊婦さんは、以下のようなリスクに注意が必要です。

  • 早産のリスク
    歯周病菌が血流を通じて胎盤に影響を与え、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があります。妊娠中の歯周病治療やケアは、母子ともに健康を守るために非常に重要です。
  • 母体への影響
    歯周病による炎症が全身に広がることで、妊娠中の合併症を引き起こす可能性もあります。妊娠中でも安全に行える歯科ケアを取り入れることで、リスクを軽減することが可能です。

 

口腔ケアが全身の健康を守る鍵

歯周病を予防・治療することは、全身の健康を守るうえで非常に重要です。以下のようなケアを取り入れることで、リスクを減らせます。

  • 日々のケア
    毎日の歯磨きやデンタルフロスの使用で、プラークや歯周病菌の蓄積を防ぎます。特に、歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨くことが重要です。
  • 定期的な歯科検診
    歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、定期検診で早期発見・早期治療を行うことが大切です。歯科医院でのプロフェッショナルケアは、歯周病菌の増殖を抑える効果があります。
  • 健康的なライフスタイル
    禁煙、バランスの取れた食生活、適度な運動を取り入れることで、免疫力を高め、歯周病の進行を防ぐことができます。

 

歯周病は、口の中だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす病気です。特に糖尿病や心血管疾患を抱えている方、妊娠中の方は、歯周病ケアを徹底することで全身の健康を守る一歩を踏み出しましょう。毎日のケアと定期的な歯科受診で、健康な口内環境と全身の健康を維持することが可能です。

 

10.よくある質問

患者様からよくいただく質問をもとに、歯周病に関する疑問や不安についてお答えします。歯周病について正しい知識を持つことで、より良いケアや予防が可能になります。

 

歯周病は完治しますか?

歯周病は、進行の度合いによって完治可能な場合と管理が必要な場合があります。

  • 初期段階(歯肉炎)
    歯肉炎の段階であれば、適切なケアや治療で元の健康な状態に戻すことが可能です。毎日の歯磨きやフロスの使用、歯科医院でのクリーニングが重要です。
  • 進行した歯周病
    重度の歯周病になると、完治は難しくなりますが、進行を抑えて症状をコントロールすることが可能です。歯周ポケットの清掃や外科的な治療が必要になることがあります。

 

赤ちゃんへの感染を防ぐには?

歯周病菌は唾液を介してうつるため、以下の点に注意すると良いでしょう。

  • 食器やスプーンの共有を避ける
    親が使った食器やスプーンで赤ちゃんに食事を与えると、唾液を通じて歯周病菌が移る可能性があります。
  • 赤ちゃんが歯磨きを嫌がる場合の工夫
    歯が生え始めたら柔らかいガーゼや赤ちゃん用歯ブラシでケアを始めましょう。優しく声をかけながら行うことで、ケアへの抵抗感が減ります。
  • 親自身のケア
    親の口腔内環境を整えることが、赤ちゃんへの感染リスクを減らす鍵です。歯科検診やクリーニングを定期的に受けるよう心がけてください。

 

パートナーとのスキンシップに影響はありますか?

歯周病菌はキスや食器の共有など、唾液を介して感染する可能性があります。しかし、適切なケアを行えば、感染リスクを大幅に減らすことができます。

  • 感染を防ぐ工夫
    お互いに定期的な歯科検診を受け、口腔内を清潔に保つことが大切です。特に歯周病の治療中は、しっかりとケアを続けることで感染のリスクを最小限に抑えられます。
  • 気をつけたいタイミング
    歯周病の症状が強い時期や治療中は、スキンシップを控えることも選択肢の一つです。相手と話し合いながら対応しましょう。

 

歯周病は放置すると進行する可能性がありますが、適切なケアと治療でリスクを軽減することができます。不安や疑問があれば、ぜひ専門家に相談してください。正しい情報と行動で、健康な口腔環境を維持し、大切な人との健やかな関係を守ることができます。

 

 

 

東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F

『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18

 

 

*監修者

医療法人社団スマイルパートナーズ

理事長 齋藤 和重

*経歴

1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。

2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。

2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。

*所属

ICOI国際インプラント学会 指導医

ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター

ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト

ITI Member

OAM先進インプラント認定医・公認インストラクター

日本口腔インプラント学会 会員

日本顎顔面インプラント学会 会員

国際審美学会 会員

日本歯科審美学会 会員

日本アンチエイジング歯科学会 会員

・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)

CID Club (Center of Implant Dentistry)所属

みなとみらい(MM)インプラントアカデミー 所属

国際歯周内科研究会 所属

5-D JAPAN 所属

デンタルコンセプト21 所属

・インディアナ大学歯学部 客員 講師

・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員

・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー

・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒

・USC   University of Southern California)センチュリー・クラブ

・プレミアム・メンバー

 

※詳しいプロフィールはこちらより