家族全員が歯周病…これって遺伝が原因なの?その関係性とは?

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

家族全員が歯周病…これって遺伝が原因なの?その関係性とは?

こんにちは。スマイルパートナーズ山手歯科クリニックです。

「家族全員が歯周病に悩んでいる」「自分も遺伝でなりやすいのでは?」と不安を抱える方は少なくありません。実際、歯周病そのものが遺伝するわけではありませんが、かかりやすさや進行のスピードに遺伝的な要因が影響を与えることがあります。今回は、歯周病と遺伝の関係を紐解き、遺伝的なリスクがある場合でも安心して予防や治療に取り組む方法を詳しくご紹介します。家族全員で健康な口腔環境を守るための第一歩を踏み出しましょう!

 

1.こんなお悩みありませんか?

歯周病について、「これって遺伝が関係しているの?」と感じたことはありませんか?特に、ご家族の中で同じように歯周病で悩んでいる方がいる場合、自分も同じようにならないか心配になることもあるでしょう。実際、歯周病の発症には遺伝的な要因が一部関係していることがわかっていますが、それだけが原因ではありません。

 

  • 「歯周病は遺伝するって本当?」
    親や兄弟が歯周病を抱えていると、「遺伝が原因なのでは?」と不安になることがあります。同じ家庭で育つと、体質だけでなく生活習慣も似るため、何が原因なのか気になりますよね。
  • 「家族全員が歯周病に悩んでいるけど、予防方法はあるの?」
    遺伝的要因がある場合でも、生活習慣や正しいケアによって予防することが可能です。しかし、「自分に合った方法がわからない」という方も多いのではないでしょうか。
  • 「自分の体質が原因かもと不安になっている」
    「歯茎が弱い」「炎症が起こりやすい」と感じる方にとって、体質がどの程度影響しているのかを知ることは非常に重要です。

 

歯周病が遺伝する可能性や予防方法について正しい知識を持つことは、患者様ご自身の口腔健康を守るだけでなく、ご家族全員の健康維持にも役立ちます。

 

2.歯周病とはどんな病気?

歯周病は、歯を支える土台である歯茎や骨が炎症を起こし、徐々にその機能が失われていく病気です。この病気が進行すると、歯がぐらついたり、最終的には抜け落ちてしまうこともあります。歯周病の主な原因は歯周病菌と呼ばれる細菌ですが、生活習慣や体質も進行を左右する重要な要因となります。ここでは、歯周病の基本的な仕組みや特徴についてお話しします。

 

歯周病の仕組みを簡単に説明すると?

歯周病は、細菌による感染症の一種で、以下のように進行していきます:

  1. プラーク(歯垢)の蓄積
    食べ物のカスや唾液中の成分が歯の表面や歯茎の間にたまり、細菌が繁殖します。この状態を放置すると、プラークが固まり歯石となり、歯磨きでは取れなくなります。
  2. 歯茎の炎症が始まる
    細菌の毒素が歯茎に炎症を引き起こし、赤く腫れたり出血することがあります。この初期段階は「歯肉炎」と呼ばれ、まだ治療しやすい状態です。
  3. 炎症が歯周組織に進行する
    炎症が歯茎の奥深くまで広がると、歯を支える骨や靭帯が破壊され始めます。この状態を「歯周炎」と呼び、ここまで進行すると治療が難しくなります。
  4. 歯がぐらつき、最悪の場合抜けてしまう
    支えを失った歯は、ぐらつきや痛みを伴い、最終的には抜け落ちてしまうこともあります。

 

歯周病の特徴を知ろう

歯周病は単なる口の中の病気ではなく、全身の健康にも影響を与える恐れがあります。以下のような特徴があるため、特に注意が必要です:

  • 症状がわかりにくい「沈黙の病気」
    初期の歯周病は痛みや大きな症状が出にくいため、気づかないまま進行してしまうことがよくあります。歯茎が少し腫れている、出血するなどの症状を軽視しないことが大切です。
  • 全身への影響も無視できない
    歯周病菌が血流を通じて全身に影響を及ぼすことで、糖尿病の悪化や心疾患、さらには早産のリスクが高まるとされています。
  • 再発しやすい病気
    一度治療しても、日常的なケアを怠ると再発するリスクが高いのが歯周病の厄介な点です。そのため、予防と継続的なケアが非常に重要です。

 

日本人の成人の約8割がかかる歯周病

実は、歯周病は日本人にとって非常に身近な病気で、成人の約8割が罹患しているとも言われています。ですが、その多くが「気づいていない」状態であることが問題です。次のような症状に心当たりがある場合は、歯周病を疑ってみてください:

  • 歯磨きの際に歯茎から血が出る
  • 歯茎が赤く腫れたり痛みを感じる
  • 口臭が気になる
  • 歯が長く見える(歯茎が下がっている)
  • 歯がぐらつく、硬いものを噛むと痛みがある

これらの症状を放置すると、気づかないうちに歯周病が進行し、治療が難しくなる可能性があります。

 

歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれるように、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、適切なケアと早期発見ができれば、進行を防ぎ、健康な状態を維持することが可能です。

 

3.歯周病と遺伝の関係

歯周病について「遺伝するのでは?」という不安を抱いている患者様もいらっしゃるかと思います。実際、歯周病そのものが遺伝するわけではありませんが、体質や生活習慣が影響して、歯周病にかかりやすい傾向が家族内で見られることは確かです。ここでは、遺伝と歯周病の関係について解説していきます。

 

歯周病そのものは遺伝しない

まず知っておいていただきたいのは、歯周病自体が遺伝する病気ではないということです。歯周病は、歯周病菌による感染症が主な原因です。遺伝的要因が直接的に病気を引き起こすわけではありません。ただし、遺伝による体質が歯周病のリスクに影響を与えることがあります。

 

遺伝が影響する「歯周病のかかりやすさ」

遺伝が関係するのは、主に以下のような体質的な特徴です:

  • 免疫反応の違い
    人によって免疫の働きには違いがあります。ある人は歯周病菌に対して強い抵抗力を持つ一方で、別の人は菌に敏感で炎症を起こしやすい場合があります。この免疫反応の強弱は遺伝の影響を受けることがあります。
  • 歯や骨の構造
    歯並びや歯の密度、骨の形状など、遺伝的に決まる部分が歯周病のリスクを高めることがあります。たとえば、歯と歯の間が狭いとプラークがたまりやすく、結果的に歯周病のリスクが高くなる可能性があります。
  • 唾液の性質
    唾液には口腔内を洗浄し、細菌の増殖を抑える働きがありますが、この性質も個人差があり、遺伝による影響が考えられます。

 

家族内で共有されやすい生活習慣の影響

遺伝だけでなく、家族内の生活習慣も歯周病に大きな影響を与えます。同じ食生活や歯磨き習慣を共有することで、家族全員が歯周病のリスクを高める可能性があります。たとえば:

  • 食生活のパターン
    甘いものをよく摂取する家庭や、不規則な食事をしている家庭では、プラークがたまりやすくなり、歯周病菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
  • 歯磨きの習慣
    適切なブラッシング方法が家族全員に浸透していない場合、歯垢や歯石が溜まりやすくなり、歯周病のリスクが増加します。
  • 喫煙習慣の影響
    家族の中に喫煙者がいると、受動喫煙による影響も含めて歯周病のリスクが高まります。また、喫煙そのものが歯茎の血流を悪化させ、炎症を悪化させる原因にもなります。

 

歯周病は遺伝する病気ではありませんが、体質や生活習慣がリスクに影響を与えることがあります。家族全員で歯周病予防に取り組むことで、健康な歯と歯茎を守ることができます。

 

4.遺伝的要因が強い歯周病の種類

歯周病の多くは生活習慣や口腔ケアが大きな原因となっていますが、一部には遺伝的な要因が強く影響する種類もあります。特に「早期発現型歯周炎」や「特殊性歯周炎」は、遺伝との関連が深いとされています。ここでは、これらの歯周病について説明します。

 

早期発現型歯周炎(若年性歯周炎)の特徴

若年性歯周炎は、比較的若い年齢層で発症し、進行が早いという特徴があります。このタイプの歯周病は、遺伝的要因が強く影響していることが多いとされています。

  • 特徴的な症状
    ・10代後半から20代前半で発症するケースが多い
    ・奥歯や前歯周辺に強い炎症が見られる
    ・進行が非常に早く、放置すると歯の喪失に至ることがある
  • 原因と遺伝の関係
    若年性歯周炎は、免疫システムの異常が原因の一つとされており、この免疫の弱さが家族間で受け継がれる場合があります。親族に同じ症状の方がいる場合、早めの検診が推奨されます。

 

特殊性歯周炎と遺伝疾患との関連

特殊性歯周炎は、まれではありますが、全身性疾患や遺伝疾患と関連することが多い種類の歯周病です。このタイプの歯周病は、他の症状と同時に発症することが特徴です。

  • 代表的な関連疾患
    ・糖尿病や免疫不全症候群
    ・ダウン症やパピヨン・ルフェーブル症候群などの遺伝疾患
    ・ビタミンC欠乏症や骨代謝異常が関与するケースもある
  • 治療の難しさ
    全身性疾患と関連している場合、口腔内のケアだけではなく、全身の病気を総合的に管理する必要があります。こうしたケースでは、医科との連携が重要になります。

 

遺伝が関与するケース

遺伝的要因が関与する歯周病は、単なる体質の影響に留まらず、特定の家族歴や症例に基づいて予防策を立てることが可能です。

  • 家族内の傾向
    両親や祖父母が重度の歯周病を患っていた場合、そのリスクが子供にも受け継がれる可能性があります。このような場合は、幼少期からの予防ケアが大切です。

 

遺伝的要因を持つ患者様へのアドバイス

遺伝的なリスクがある場合でも、適切なケアを行うことで歯周病を予防したり、その進行を抑えることが可能です。

  • 早めの検診を受けましょう
    家族歴がある場合、早期発見が歯を守る第一歩です。
  • 日々のケアを大切に
    正しいブラッシング、デンタルフロスの使用、バランスの良い食事が歯茎の健康をサポートします。
  • 専門的な治療でリスクを管理
    遺伝的要因が疑われる場合、歯科医院での定期的なクリーニングやカウンセリングを受けることで、長期的に健康な口腔環境を維持できます。

 

遺伝が関係する歯周病は、早期に適切な対応をすることで、予防や進行の抑制が可能です。

 

5.歯周病のリスクを高めるその他の要因

歯周病の発症や進行には、遺伝だけでなく、さまざまな要因が影響しています。ここでは、日常生活や身体の状態がどのように歯周病リスクを高めるのか解説します。

 

糖尿病や喫煙の影響

体の健康状態や生活習慣が歯茎の状態に直接関わってきます。

  • 糖尿病
    血糖値が高い状態が続くと、歯茎の血流が悪くなり、免疫力が低下します。その結果、細菌に対する抵抗力が弱まり、歯周病が進行しやすくなります。さらに、歯周病が悪化すると糖尿病のコントロールが難しくなるという悪循環が生まれることもあります。
  • 喫煙
    喫煙は歯周病の最大のリスク要因の一つです。タバコの成分が血管を収縮させるため、歯茎への血流が減少し、治癒力が低下します。また、タバコの煙が口腔内の細菌バランスを乱し、歯周病菌の増殖を助長します。

 

噛み合わせの悪さや歯ぎしり

口の中の力のバランスが乱れると、歯周組織に負担がかかり、炎症が進むことがあります。

  • 噛み合わせの悪さ
    歯並びが乱れていると、特定の歯に過剰な力がかかりやすくなり、歯周ポケットが深くなる原因になります。これにより、歯周病菌が繁殖しやすい環境が作られます。
  • 歯ぎしりや食いしばり
    無意識の歯ぎしりや強い食いしばりがあると、歯や歯茎に過剰な負担がかかり、歯周組織が傷つきやすくなります。特に夜間の歯ぎしりは気づきにくいため、症状が進行しやすいのが特徴です。

 

唾液の質や歯の形状の違い

個々の体質や口腔内の特徴も歯周病のリスクに影響を与えることがあります。

  • 唾液の質
    唾液は口腔内の細菌を洗い流し、中和する働きを持っています。しかし、ストレスや加齢、薬の副作用によって唾液の分泌量が減少すると、歯周病菌が増殖しやすくなります。
  • 歯の形状
    歯の形や位置が複雑な場合、ブラッシングが難しくなり、汚れが溜まりやすくなります。特に奥歯や歯列の重なりがある部分は歯周病菌の温床となりやすいです。

 

リスク要因に対応するためのアドバイス

歯周病リスクを減らすには、これらの要因に目を向けた対策が重要です。

  1. 健康管理
    糖尿病の管理や禁煙に取り組むことで、歯茎の健康を守ることができます。
  2. ストレスケア
    ストレスを減らすことで唾液の分泌量を増やし、口腔環境を良好に保ちましょう。
  3. 定期検診と早期治療
    噛み合わせや歯ぎしりが疑われる場合は、歯科医院で適切な治療を受けることをお勧めします。

 

歯周病のリスクは、生活習慣や体質、さらには口腔内の状況によって異なります。しかし、適切な予防と対策を取ることで、歯周病の進行を抑えることができます。

 

6.家族で気をつけたい生活習慣

歯周病は生活習慣や日々のケアが大きく影響する病気です。家族全員で取り組むことで、予防効果がさらに高まり、歯茎の健康を長く保つことができます。ここでは、家庭でできる具体的な方法をご紹介します。

 

プラークをためないためのケア

歯周病の主な原因であるプラーク(歯垢)を除去することが、予防の第一歩です。毎日のケアで蓄積を防ぎましょう。

  • 毎日のブラッシングで徹底除去
    プラークは時間が経つと硬化して歯石になり、歯科医院での除去が必要になります。特に歯と歯茎の間や奥歯は磨き残しが多い箇所です。毛先が行き届くように注意深くブラッシングを行いましょう。
  • デンタルフロスや歯間ブラシを活用
    歯ブラシだけでは取り除けない汚れもあります。デンタルフロスや歯間ブラシを使えば、歯と歯の間のプラークも効果的に取り除けます。使い方が難しいと感じる場合は、歯科医院でのアドバイスを受けてみてください。

 

正しいブラッシング方法の共有

家族みんなが正しいブラッシング方法を知り、実践することが重要です。

  • ブラッシングの基本ポイント
    歯ブラシの毛先を歯茎と歯の境目に当て、小刻みに優しく動かすのがコツです。力を入れすぎると歯茎を傷つけることがあるため、注意しましょう。
  • お子様への指導
    小さなお子様には、保護者が仕上げ磨きをしてあげると良いでしょう。また、歯磨きを楽しくするために、キャラクター付きの歯ブラシやフレーバー付き歯磨き粉を使うのもおすすめです。
  • 家族で見直すブラッシングタイム
    定期的に家族でブラッシングを見直す時間を作るのも効果的です。歯科医院でプロによるブラッシング指導を受けると、新たな気づきが得られることもあります。

 

健康な食生活と禁煙の重要性

歯周病予防は、口腔内だけでなく生活全般の見直しが必要です。

  • 栄養バランスの取れた食事
    野菜や果物に含まれるビタミンCやカルシウムは、歯茎の健康を保つのに役立ちます。一方で、糖分が多い飲食物はプラークの原因になるため、控えめにするのがベストです。
  • 禁煙の取り組み
    喫煙は歯周病の進行を加速させる大きなリスク要因です。家族全員で禁煙を目指すことが、口腔内だけでなく全身の健康改善にもつながります。
  • 水分補給で唾液をサポート
    唾液には、口腔内を洗浄して環境を整える働きがあります。日常的に水分補給を心がけることで、唾液の分泌を促進し、歯周病のリスクを減らせます。

 

歯周病予防は一人だけで取り組むより、家族全体で意識を高めることで、より効果を実感できます。普段の生活習慣やケアを家族で見直し、将来の健康リスクを減らしましょう。小さな習慣が大きな成果を生む第一歩です。

 

7.歯周病予防の第一歩

歯周病を防ぐためには、毎日のケアだけでなく、プロフェッショナルなサポートを取り入れることが重要です。ここでは、歯周病予防に向けた基本的なステップをご紹介します。

 

定期検診で早期発見・早期治療

歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、定期的に歯科検診を受けることが予防の鍵です。

  • 早期発見で進行を防ぐ
    歯周病は早期に発見すれば治療が比較的簡単ですが、進行すると歯を失うリスクが高まります。定期的な検診で、見逃しがちな初期症状をチェックしましょう。
  • 検診の頻度
    一般的には半年に一度の検診が推奨されていますが、歯周病のリスクが高い方はより頻繁なチェックが必要です。

 

歯科医院でのプロフェッショナルケア

ご自宅でのケアに加え、歯科医院での専門的なケアを受けることで、より確実に歯周病を予防できます。

  • スケーリングとルートプレーニング
    歯の表面や歯茎の下にたまった歯石を除去し、歯周病菌の温床を取り除きます。これにより、歯茎の健康が回復しやすくなります。
  • フッ素塗布や抗菌処置
    歯の表面を強化するフッ素や、歯周病菌の活動を抑える抗菌処置を行うことで、長期的な予防効果を高めます。

 

専門的なアドバイスを受けるメリット

歯周病予防は、患者様一人ひとりの状態に合わせたアプローチが必要です。歯科医師や歯科衛生士からのアドバイスは大きな助けとなります。

  • 個別指導でケアの質を向上
    歯磨きの方法や適切なケア用品の選び方について、専門家からアドバイスを受けることで、予防効果が格段に上がります。
  • 生活習慣の見直し
    食事や喫煙の影響など、生活習慣が歯周病に与える影響を知ることが予防への第一歩です。

 

歯周病予防の第一歩は、日々のケアに加えて、プロによるサポートを受けることです。定期的な検診と専門的なケアを取り入れることで、将来的なリスクを大幅に減らすことができます。

 

8.遺伝性リスクがある場合の対策

「家族に歯周病の人が多い」「遺伝が原因かもしれない」と感じている患者様へ。歯周病に遺伝的なリスクがある場合でも、適切な予防や早めの対策を行うことで健康な歯茎を守ることができます。ここでは、遺伝的リスクを持つ方に向けた具体的な取り組みをご紹介します。

 

遺伝子検査を活用する

最近では、歯周病のリスクを調べるための遺伝子検査が注目されています。遺伝的要因を把握することで、早期に適切な対策が取れるようになります。

  • 遺伝子検査とは?
    遺伝子検査では、歯周病に関係する遺伝子の特徴を調べることができます。この検査を行うことで、将来的な歯周病リスクをある程度予測できるため、予防や治療計画に役立ちます。ただし、遺伝だけで歯周病の発症が決まるわけではなく、生活習慣との関係も重要です。
  • 検査結果を基にした予防計画
    遺伝子検査の結果に基づき、リスクが高いと判明した場合は、専門的なアドバイスをもとに歯科医院と連携して予防計画を立てましょう。

 

若年性歯周炎への早期介入

遺伝的リスクが高い場合、早期からのケアが重要です。特に早期発現型の歯周炎(若年性歯周炎)は、進行が早いのが特徴で、若いころからの注意が必要です。

  • 早期発見のためのポイント
    歯茎の腫れや出血、歯のぐらつきなどの初期症状を見逃さないようにしましょう。これらの症状が見られたら、すぐに歯科医院を受診することをおすすめします。進行すると治療が複雑になるため、早めの対応が大切です。
  • 専門的な治療で進行を抑える
    専門的な歯周病治療を受けることで、進行を抑制し、健康な歯を維持することが可能です。特に遺伝的リスクが高い場合、歯周病専門医の診断を受けると安心です。
  • 子どものころから習慣を身につける
    遺伝的リスクがある場合は、幼いころから正しい歯磨きや予防の方法を教えることが重要です。家庭でのケアを徹底し、歯科医師から定期的にアドバイスを受けるようにしましょう。

 

家族全体で取り組む予防法

家族に歯周病のリスクが高い場合、家族全員で取り組むことが効果的です。協力して予防に励むことで、健康な歯を保つ環境を整えましょう。

  • 家族全員で定期検診を習慣化する
    家族みんなで定期的に歯科医院を訪れ、早期発見・早期治療を心がけましょう。特に家族歴がある場合は、頻繁なチェックが重要です。
  • 予防習慣を共有する
    正しいブラッシング方法やデンタルフロスの使い方を家族で実践し、習慣化することが大切です。例えば、食後にみんなでケアする時間を作ることで、自然と予防の意識が高まります。
  • 生活習慣を見直す
    栄養バランスの取れた食事を心がけ、糖分を控えめにすることで、口腔内の健康を保つことができます。また、禁煙を家族ぐるみで取り組むと、歯周病だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。水分補給を十分に行い、唾液の分泌を促進することも効果的です。

 

遺伝的リスクがあるからといって必ずしも歯周病になるわけではありません。早期からの適切な予防と生活習慣の改善によって、歯周病の発症リスクを大幅に下げることが可能です。

 

9.歯周病が全身に及ぼす影響

歯周病は口腔内だけでなく、全身の健康にも深い関わりがある病気です。ここでは、歯周病がどのように全身に影響を及ぼすのか、また、それを防ぐための方法についてお話しします。

 

心臓病や糖尿病との関連性

歯周病と全身の健康には密接なつながりがあり、特に心臓病や糖尿病との関連がよく知られています。

  • 心臓病への影響
    歯周病が進行すると、歯茎の炎症が全身の血管に影響を及ぼし、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを高める可能性があります。これは、歯周病の原因菌が血流を通じて全身に広がるためと考えられています。
  • 糖尿病との悪循環
    歯周病があると、血糖値のコントロールが難しくなることがあります。一方で、糖尿病が進行すると歯茎の健康が損なわれ、歯周病が悪化するリスクも高まります。このように、歯周病と糖尿病はお互いに悪影響を及ぼし合う関係にあるのです。

 

健康寿命を延ばすための歯周病予防

歯周病の予防は、全身の健康を維持し、健康寿命を延ばすための第一歩です。

  • 早期発見と治療
    歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診が重要です。歯周ポケットの深さを測定し、早期に炎症を抑えることで、全身への悪影響を防ぐことができます。
  • 生活習慣の見直し
    食生活の改善や禁煙、適度な運動は、歯周病予防だけでなく、全身の健康維持にも役立ちます。特に喫煙は歯周病を悪化させる要因の一つとされているため、禁煙を考えることが大切です。
  • プロフェッショナルケア
    歯科医院での定期的なクリーニングや専門的なケアを受けることで、プラークや歯石を除去し、歯周病のリスクを大幅に減らせます。

 

歯周病が引き起こすその他のリスク

歯周病は、心臓病や糖尿病以外にもさまざまな全身疾患に関係することがわかっています。

  • 認知症との関連
    最近の研究では、歯周病の炎症が脳に影響を及ぼし、認知症のリスクを高める可能性があると示唆されています。
  • 低体重児出産のリスク
    妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高めることがあるため、妊娠中の方は特に注意が必要です。
  • 免疫力の低下
    慢性的な炎症が続くと、免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなることがあります。

 

歯周病は口の中だけの問題ではなく、全身の健康に大きな影響を与える病気です。心臓病や糖尿病、認知症などのリスクを減らすためにも、日頃のケアと定期的な歯科検診を欠かさないことが大切です。

 

10.よくある質問

歯周病に関してよくいただくご質問にお答えします。遺伝がどのように関わるのか、そしてどのように対策を取れば良いのか解説していきます。

 

Q1. 歯周病は必ず遺伝するの?

A1.歯周病そのものが遺伝するわけではありませんが、リスクが遺伝する可能性があります。
例えば、歯周病にかかりやすい体質や免疫反応の傾向は遺伝する場合があります。しかし、歯周病の発症や進行は生活習慣や口腔ケアの状態に大きく影響を受けるため、遺伝だけが原因ではありません。

 

Q2. 家族全員が歯周病だと予防は難しい?

A2.家族全体で予防に取り組むことで、リスクを大幅に下げることができます。
歯周病のリスクが高い家系では、適切な生活習慣や口腔ケアを家族全員で行うことが予防の鍵となります。具体的には:

  • 正しいブラッシング習慣を共有
    家族で一緒にブラッシングの方法を見直すことで、プラークの蓄積を防ぎます。
  • 定期検診を家族で受ける
    歯周病の早期発見と治療が可能になります。
  • 喫煙の習慣を見直す
    家族全体で禁煙に取り組むことで、歯周病のリスクを大幅に軽減できます。

 

Q3. 遺伝的リスクがあっても歯周病を防げる?

A3.遺伝的リスクがあっても適切な対策で予防は可能です。
遺伝的にリスクが高い方でも、以下のポイントを押さえれば歯周病を予防することができます:

  1. 定期的な歯科検診とプロフェッショナルケア
    歯科医院でのクリーニングやチェックを定期的に行い、リスクを早期に管理します。
  2. 専門的なアドバイスを受ける
    遺伝子検査や歯周病の進行状況に応じた個別のアドバイスを受けることが大切です。
  3. 健康的な生活習慣を心がける
    バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレス管理を行い、免疫力を高めることで歯周病のリスクを抑えます。

 

歯周病は遺伝的要因だけでなく、日々の生活習慣や口腔ケアの取り組み次第で予防や改善ができる病気です。たとえ家族に歯周病の履歴があったとしても、適切なケアを行うことでリスクを最小限に抑えることが可能です。

ご自身やご家族の歯を守るためには、まず一歩踏み出すことが大切です。お口の健康に関するご不安やご相談があれば、ぜひお気軽にお声がけください。

 

 

 

東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F

『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18

 

 

*監修者

医療法人社団スマイルパートナーズ

理事長 齋藤 和重

*経歴

1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。

2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。

2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。

*所属

ICOI国際インプラント学会 指導医

ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター

ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト

ITI Member

OAM先進インプラント認定医・公認インストラクター

日本口腔インプラント学会 会員

日本顎顔面インプラント学会 会員

国際審美学会 会員

日本歯科審美学会 会員

日本アンチエイジング歯科学会 会員

・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)

CID Club (Center of Implant Dentistry)所属

みなとみらい(MM)インプラントアカデミー 所属

国際歯周内科研究会 所属

5-D JAPAN 所属

デンタルコンセプト21 所属

・インディアナ大学歯学部 客員 講師

・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員

・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー

・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒

・USC   University of Southern California)センチュリー・クラブ

・プレミアム・メンバー

 

※詳しいプロフィールはこちらより