2023/11/09
インプラントの治療についてインターネットで調べてみて、価格に驚いてしまった方もいるのではないでしょうか。
この記事では「安いインプラント」について解説していきます。
安いインプラントはいくつかの点に注意が必要です。
一概に格安が危険という訳ではありません。
インプラントは医療器具なのでどうしても高額にはなりますが、多少は安く抑えることが可能です。
インプラントの費用を安くする条件や、格安のインプラントは安全なのかについても解説しているので、これから治療を受けようか検討している方はぜひ参考にしてみてください。
歯を失った場合の治療法の1つであるのがインプラントです。
インプラントという言葉は「体内に埋め込む医療器具・材料」を指します。
歯科領域では、あごの骨に埋め込む人工歯根をインプラント、正しくは「歯科インプラント」と呼びます。
もともとは入れ歯やブリッジが治療の主流でしたが、近年は第三の治療法としてインプラントを選ぶ人も増加中です。
インプラントではカウンセリング・検査・診断から始まり、人工歯根を埋入する手術、人工歯に当たる上部構造の製作までが一連の流れになります。
それぞれの工程でかかる費用の相場は下記になります。
インプラントは1本あたりにかかる費用が高額です。
その他にインプラント治療では手術後にも定期的にメンテナンスが必要になります。
メンテナンスでは、都度数千円程度かかります。
インプラントは高額ですから、何年くらい持つのか気になる人も多いでしょう。
見解は様々ではありますが、多くの歯科医師はメンテナンスをしっかりと行えば40~50年ほど持つと考えています。
高額な費用を払う必要がありますが、その後長く装着できるため、コスパとして考えると悪いものではないでしょう。
インプラントが高額となってしまうのには以下の理由が挙げられます。
詳しく解説していきます。
インプラントが高額なのは基本的に保険が適用されないからです。
自費診療なため、治療にかかった費用は10割負担となります。
これは国が定めた措置です。
今後、保険適用の治療となる可能性はありますが、現状は保険外診療となります。
原材料費もインプラントの価格に影響する要素の1つです。
インプラント治療に欠かせない人工歯根は、純度の高いチタンで作られています。
純度の高いインプラントは希少性が高い素材です。
優れた品質のインプラントを作るためには、材料費が高額になってしまうのは仕方のないことだといえるでしょう。
インプラント治療を安全に行うにはそれ相応の設備が必要となるのも、価格が高い理由です。
具体的には歯科用CT・衛生管理が徹底したオペ室・デジタルシミュレーションが可能なソフト・インプラントオペに必要となる専用器具などが該当します。
こうした設備を整えるには高額な費用が必要です。
そのため、安く治療を行うことは難しい状況下にあります。
インプラント治療は歯科医師であれば誰でも行うことができます。
治療費には技術料も含まれるものと認識しなくてはなりません。
熟練された腕を持つ歯科医師であるほど、治療の精度はあがり、質の高い治療を提供できます。
そのため技術が高いと技術料も上がるでしょう。
インプラントは本数が増えるにつれて2倍3倍…と費用がかさんでいきます。
失った歯の全てをインプラント治療をするとなった場合には、100万円以上かかることも多くなるのです。
事前に見積もりをとってから治療開始となります。
費用が心配なら本当に必要な部分だけをインプラントにするのも良いでしょう。
デンタルローンやクレジットカードも利用できますが、本数についてはよく考えてみてください。
インプラントは材料費が高額なこともあり、値引きが難しいものとされています。
そのため値引きをするのは難しいのですが、「結果的に安く抑える」ということは可能です。
ここでは費用を安く抑えるための条件について紹介していきます。
インプラントは下記の条件に該当すれば保険適用となることがあります。
保険適用できれば費用は抑えられます。
ただし虫歯や歯周病などでインプラントの治療を検討している方の場合は保険適用が難しいので注意しましょう。
インプラントでは「医療費控除」の適用が可能です。
医療費控除とは、一年間に支払った医療費が年間10万円を超えた場合にその年の税金(所得税や住民税)を軽減できる制度です。
そのため医療費控除を申告すれば実質的な患者様の支払い金額を軽減することができます。
結果的に費用を抑える方法の1つが、クレジットカードでの支払いです。
クレジットカードによっては支払いでポイントが得られます。
ポイント還元率の高いクレジットカードで支払えば、実質的な負担額の軽減につながるでしょう。
ただし、クレジットカード払いに対応していない歯科医院もあるので注意が必要です。
複数の歯科医院で見積もりをとると、費用を抑えられます。
1社の見積もりですぐに治療を決めず、複数の歯科医院で見積もりをとってみましょう。
インプラントは自費診療なため、保険治療とは違って歯科医院により金額が違います。
複数の歯科医院の金額や診療内容を充分に比較して、本当にコスパの良い歯科医院を見つけてみてください。
上記で保険が適用されるケースもあるとお伝えしましたが、注意点がいくつかあります。
ここではインプラントを保険で治療するケースについて詳しく解説していくので確認してみましょう。
保険が適用されるのは次の条件を満たす場合です。
保険適用は、先天性のもの、後天的なもの問わず自身の意思とは無関係に顎の骨を1/3以上を失ってしまった人が対象です。
上記の条件を満たしている場合に限り、自費診療から保険診療へと切り替わります。
仮に保険適用の規定をクリアしていたとしても色々な所で制限があります。
詳しくは下記の項目となるので確認してみましょう。
他にも条件はありますが、簡単に言えばクリニックでの治療は困難で、大きな総合病院などでの治療になります。
どの病院が条件に当てはまっているか分からない場合は、近くの歯科医院に問い合わせてみると良いでしょう。
インターネットでインプラントについて調べていると「格安」を押し出している歯科医院もあります。
「とにかく安ければいい」という考えで歯科医院を選んでしまうと後悔をしたり、うまく治療がされずやり直しをすることになったりする場合があるため注意が必要です。
そもそもインプラントは安くならないはずの治療法です。
それでも格安としている歯科医院で考えられる危険性について解説していきます。
現在国内で流通しているインプラントは、基本的に国の承認を得ています。
一定水準以上の品質が保証されているため、費用もそれなりに高くなってしまうのはやむを得ません。
一方で極端に安い格安インプラントの場合、海外で流通している品質の低い商品が使われる可能性があります。
国の承認を得ていないインプラントは、大きな欠陥がある可能性も考えられますので注意が必要です。
極端な格安インプラントを行っている歯科医院は、医師の実績や経験が未熟な可能性が考えられます。
歯科医師になってまもない場合や、インプラントの経験値が低い場合は、適切な診療結果を得られないこともあるでしょう。
他院でやり直しをすることになってしまっては二重で費用がかかります。
結果的に割高となってしまうため注意しましょう。
マイナーなインプラントシステムを採用していて、治療後のトラブルが多い歯科医院は、患者を多く集めるために格安でインプラントを提供しているケースがあります。
歯は一度治療してしまうと完全な元通りにはなりません。
トラブルの多い歯科医院は避ける方が安全でしょう。
費用が高額なインプラント治療でのトラブルや後悔は避けたいですよね。
トラブルや後悔を避けるためには、信頼できる歯科医院で治療を行うのが一番です。
ここでは信頼できる歯科医院の選び方について解説していきます。
インプラント治療では、検査や診断を入念に行ってくれる歯科医院を選びましょう。
検査をするにあたっては、相応の設備も必要になってきます。
設備が整っている歯科医院を選ぶのもポイントです。
歯科治療では、自歯の歯を残せるのであれば、なるべく残した方が良いです。
インプラントは自歯と比べると土台も弱く、歯茎にもダメージを受けます。
最大限歯を残そうとしてくれる歯科医院の方が、信頼できると言えるでしょう。
インプラント以外の治療法も説明してくれる歯科医院は、信頼できると言えるでしょう。
自費診療であるインプラントは、患者の負担額が大きくなります。
もちろんインプラントが最良の診療の場合もあるでしょう。
しかし他の治療と比較検討して選択する方が後悔のない選択ができます。
インプラント以外の治療方法についても問い合わせてみてください。
インプラントのデメリットについても教えてくれる歯医者を選ぶのがおすすめです。
デメリットを把握してから治療をした方が後悔しません。
メリット・デメリットどちらも踏まえた上で、治療方針を歯科医師と共に相談しながら決めると良いです。
積極的にデメリットも教えてくれる歯科医師は信頼できるでしょう。
インプラントの治療を受けるなら、経験豊富な意思を選ぶのも大切です。
設備がいくら最先端で豊富だったとしても一番重要なのは歯科医師の技術力になります。
インプラント手術の経験や実績についてできる限り豊富な歯科医院だと、慣れている分安心できますよね。
そこでインプラントの経験値についても聞いてみる事をおすすめします。
アフターフォローも歯科医院選びでのポイントです。
インプラントは手術が終われば完了ではありません。
健康な歯と同様に、定期的に異変がおきていないかのチェックやメンテナンスが必要です。
メンテナンスをきちんと行うことで40年、50年と長持ちをさせることができます。
アフターフォローがどの程度しっかりしているのかについて、初回の問診時などに問い合わせてみると良いでしょう。
インプラントは、安く抑えるのが難しい高額な治療です。
それでも見た目の自然さや長持ちできる点から、インプラント治療を行いたい人は多いでしょう。
後悔しない治療をするためには、カウンセリング時の入念さが大切になってきます。
私共の歯科医師も、安心して治療ができるように検査・説明を最大限行っていますが、それでも患者様からすると疑問が残ってしまうこともあるかもしれません。
そこで患者様が気になる事などを事前にリスト化してからカウンセリングに来て頂けると、より納得頂いた上で判断できるでしょう。
監修:理事長/齋藤和重