2022/12/16
突然歯が抜けてしまうと、どうしたらよいのかわからず焦ってしまう方が多いのではないでしょうか。スポーツや事故などで怪我をして歯を失ってしまう可能性も十分に考えられます。
しかし、歯が抜けてしまっても慌てずに応急処置をして、専門家の指導のもと治療を進めていくと元に戻せることがあります。手遅れになってしまう前に、医療機関を受診することがとても大切です。
そこで今回は、大人の歯が抜けてしまった場合の応急処置について解説します。そもそも歯が抜けてしまう原因や、抜けた場合の治療法についてもあわせて解説するので、歯が抜けてお困りの方はぜひ参考にしてください。
大人になってから歯が抜ける原因はさまざまですが、抜けてしまった場合はその場の応急処置法によって今後の治療方法が異なります。
ここでは、大人の歯が抜けた場合の応急処置について解説します。抜けてしまっても慌てず、落ち着いて処置するよう心がけましょう。
歯が抜けた箇所から出血している場合は、清潔なガーゼを丸めて噛んで圧迫止血するようにしましょう。多くの場合は数分程度で止血できます。すぐに清潔なガーゼが用意できない場合は、ティッシュペーパーやハンカチなどで代用しても問題ありません。あまりにも大量に出血するようであれば、医療機関へ連絡して早めに受診すると安心です。
抜けてしまった歯の状態によっては、歯を補修する際に使用できる可能性があります。抜けた歯が地面や床に落ちてしまった場合は、歯の根っこ部分はできるだけ触れないようにして流水で汚れを落とします。汚れが落ちたら、すぐに生理食塩水や冷たい牛乳に浸して保存し、早めに歯科医院へ相談しましょう。抜けてしまった歯は乾燥に弱いため、30分以内を目安に素早く保存することが大切です。
事故や不注意などで歯が抜けてしまった場合は、その場ですぐに応急処置をしたあと、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。状態によっては、抜けてしまった歯を戻せることもあります。受診が遅れるほど状態は悪くなり、治療期間や費用がかさんでしまう可能性があるため、早めに受診するよう心がけましょう。
大人の歯を失ってしまうと、二度と歯が生えてくることはありません。事故など予期せぬ事態に巻き込まれ失ってしまうのは避けられませんが、健康な歯を長く保つためには口内の衛生状態が大きく関わります。
ここでは、大人の歯が抜けてしまう3つの原因について解説します。
歯周病は磨き残しによる歯垢の付着により、歯茎や歯を支えている骨に悪影響を与える疾患です。成人ではほぼすべての方に何らかの兆候が見られ、初期段階では自覚症状がありません。歯垢や歯石に含まれている細菌が歯と歯茎の隙間へ侵入することにより、歯茎の腫れや骨を溶かし最終的には歯が脱落してしまいます。
虫歯菌が生産する酸によって歯が溶かされていく疾患です。歯周病に次いで、歯を失う原因に挙げられます。進行の過程で痛みや染みを覚えることがあり、比較的早い段階で虫歯を自覚できることが多いでしょう。虫歯で歯が抜け落ちることはまれですが、進行すると歯の根っこしか残らなくなり、抜歯するしか治療法がないケースが少なくありません。
何かの拍子で転んだ・ぶつかった・事故にあうなどすると、歯がグラグラと揺れるようになったり抜け落ちたりしてしまうことがあります。歯の外傷は誰しもが経験する可能性があるにもかかわらず、予防する方法がありません。外傷で歯が抜けてしまった場合は、できるだけ早めに受診して状態を確認してもらうことが非常に重要です。
抜けてしまった歯の状態によって元に戻せることもありますが、そうでない場合は人工歯で失った歯を補う必要があります。歯が抜けたまま放っておくと、周囲の歯に悪影響をおよぼすこともあるため、できるだけ早めに歯科医院を受診して相談するようにしましょう。
ここでは、大人の歯が抜けてしまった場合の治療法について解説します。それぞれの症例に最適な治療法は、医師とよく相談して決定しましょう。
インプラントは、歯が失われた部分に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上にセラミックなどで作製した人工歯を装着して歯を補う治療方法です。自分の歯のように自然に馴染み、しっかりと噛めることが最大のメリットですが、外科的な侵襲があるデメリットがあります。
メリット | ・自分の歯のように食事を楽しめる
・周囲の歯に頼らない独立した治療が可能 ・天然歯とよく馴染み口元の印象に違和感を与えない |
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デメリット | ・外科的手術が必要な処置である
・口内や全身の健康状態によって手術を受けられない ・費用や手術による肉体的・精神的な負担が大きい |
治療期間 | 数ヶ月~1年弱 |
費用 | 30~60万円ほど |
入れ歯は、歯科用プラスチックで作製した人工歯を金具で固定して歯を補う治療方法です。取り外しができるためトラブルにも対応しやすい反面、失った歯の本数が多い場合は入れ歯が大きくなるため違和感を覚えやすいなどのデメリットがあります。
メリット | ・保険適用できるため費用を安く抑えられる
・健康な歯を削る量が少ない ・取り外しできるため清潔な状態を保ちやすい |
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デメリット | ・失った歯の本数が多いほど入れ歯が大きくなる
・金属製のフックを使用して固定するため部位によって目立つ ・周囲の歯を支えにするため歯の寿命が短くなる |
治療期間 | 1~2ヶ月 |
費用 | 5,000~2万円ほど |
ブリッジは、橋渡しのような形で作製したかぶせ物を装着して、歯を補う治療方法です。固定式のためインプラント治療のようにしっかり噛めることがメリットに挙げられますが、両隣の歯を大きく削って被せ物を作製しなくてはならないデメリットがあります。
メリット | ・インプラントと同じく自分の歯のように食事を楽しめる
・保険適用できるため費用を安く抑えられる ・固定式のため自分で取り外しをする手間がない |
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デメリット | ・両隣の歯を大きく削る必要がある
・土台となる歯が虫歯や歯周病になりやすくなる ・部位や素材によって見た目が大きく損なわれる |
治療期間 | 2週間~1ヶ月 |
費用 | 1~2万円ほど |
大人の歯が抜けてしまった場合の対処方法や、抜けてしまう原因、治療方法について解説しました。歯が抜けてしまうと見た目が損なわれるだけでなく、きちんと噛めなくなるため全身の健康へ悪影響をおよぼすことがあります。抜けてしまわないよう注意しながら過ごすことが一番ですが、抜けてしまったあとの対応も大切であることを忘れないようにしましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/10/18
虫歯や歯周病によって失った奥歯を補う場合、選択肢のひとつとしてインプラント治療が挙げられます。インプラントは、異物感の少なさや発音のしやすさなどさまざまな面でメリットを持っている治療法です。
当記事では、奥歯はインプラント治療できるか否かについてや、治療するメリット・デメリット・費用相場などについて解説します。奥歯をインプラント治療したいと思っている方は、ぜひお読みください。
歯のインプラントとは、歯を失った際に行う治療のひとつです。人工歯根を顎の骨に埋入し、人工的な歯を取り付ける形で治療を行います。
インプラント治療を行う際は、外科的な手術を実施します。
入れ歯とインプラントの違いのひとつは、人工歯根があるかないかです。入れ歯には人工歯根がなく、顎の骨とは結びついていません。インプラントと入れ歯では、顎の骨としっかり結合しているインプラントのほうが安定性が高いといえるでしょう。
奥歯は、インプラント治療が可能な歯です。ちなみに、奥歯とはどの歯を指すのがご存じでしょうか。
奥歯には「臼歯」という正式名称が存在します。そして歯科医では、もっとも奥にある歯から4つ目までの歯を臼歯としています。ちなみに、臼歯のなかの奥側に位置する2つの歯は「大臼歯」、前側の歯は「小臼歯」という名前です。
なお、上記は親知らずがない場合の話です。親知らずがある場合は、大臼歯が一番奥に1つ追加されると考えてください。
「奥歯のインプラント治療は前歯より難しい」という噂をネットで目にしたことがある人もいるでしょう。
しかし、それは必ずしも事実ではありません。むしろ前歯に比べると、奥歯のインプラント治療は難易度が易しくなりやすい傾向にあります。
奥歯の顎骨は前歯に比べて骨が多いため、インプラントが定着しやすいという強みを持っています。したがって、むしろ前歯のほうが手間や難易度が上がりやすいといえるのです。
奥歯のインプラント治療における主なメリットは、以下のとおりです。
なお、インプラント治療で得られるメリットは基本的に前歯も奥歯もあまり変わりありません。よって上記のほとんどは、奥歯に限らずインプラント治療全体のメリットだといえます。
以下からは、それぞれのメリットについてくわしく解説していきます。
1つ目のメリットは、しっかり噛めるという点です。インプラントは、ブリッジや入れ歯に比べて咀嚼の感覚が天然歯に近いとされている治療です。骨と結合した人工歯は安定性が高いため、しっかりと噛めるでしょう。
続いてのメリットは、異物感が少ないという点です。ブリッジや入れ歯はインプラントよりも結合力が弱いため、咀嚼の際にぐらつくことがあります。天然歯ほどの安定感はないことから、異物感を抱く患者さんは少なからずいるでしょう。
対してインプラントの場合、顎の骨にしっかりと結びつき、天然歯のような安定感を維持します。天然歯に近い噛みごたえとなることで、自分の歯のように感じられるため、異物感を抑えて食事を楽しめるでしょう。
続いてのメリットは、発音がしやすいという点です。歯を失ったままで放置してしまうと、歯の抜けた部分から空気が抜けるため、言葉を発音するのが困難となります。
またブリッジや入れ歯で補ったとしても、義歯に隙間ができたり、話の途中でずれたりすることで、うまく発音が行えなくなるケースもあるでしょう。
インプラントを埋入すれば、自然歯に近い発音を手に入れられます。顎の骨に強く固定されているため、突然ずれたり隙間ができたりすることもほとんどありません。ストレスなく会話が楽しめるというのは、大きなメリットだといえます。
続いてのメリットは、顎の骨が痩せにくいという点です。ブリッジや入れ歯は、咀嚼した際の刺激が顎の骨にしっかりと伝わりにくいというデメリットを持っています。顎の骨に伝わらないと、骨が痩せていき、丈夫さが失われていくことにつながります。
対してインプラントは顎の骨に埋入されているため、咀嚼を行った際、インプラントを通って顎の骨へと咀嚼をしっかり伝えることが可能です。したがって、顎をいつまでも丈夫に保ちやすくなります。
続いてのメリットは、噛み合わせのバランスが崩れないという点です。ブリッジや入れ歯は、固定する力がインプラントほど強くないため、咀嚼を行った際にぐらつきを覚えることがあります。高さの調整も自由に行えないため、違和感のある噛み合わせになったまま使用し続けるケースもあります。
噛み合わせのバランスが整っていないと、歯を破損するリスクもあるため、注意しなければなりません。
対してインプラントは、埋入するにあたってしっかりと噛み合わせのバランス調節を行います。したがって、噛み合わせが過度に悪くなることを防げます。顎の骨としっかり結合しているため、大きくずれる心配もほとんどないでしょう。
もしもぐらついたと感じた際には、歯科医師に相談すれば適切な対処を行ってもらえるケースがほとんどです。噛み合わせのバランスが整っているため、毎日の食事を安心して楽しめるでしょう。
奥歯のインプラント治療には、以下のようなデメリットも存在します。
インプラントの治療は、ほとんどの場合保険の適用外です。つまり、患者さんが全額を負担する必要があるということです。
インプラント治療はただでさえ費用が高くなりやすい上に、保険で3割負担されることもないため、必然的に費用が高価になりやすいというデメリットを持っています。
埋入するインプラントの数が増えれば、その分費用も増していくため、あらかじめ覚悟しておく必要があります。
インプラントの治療を行うためには、インプラントを支えられるだけの顎骨の深さや厚み、密度が必要です。もしも顎の骨が規定に達していない場合は、顎の骨を増やす治療を行う必要が出てきます。
骨を増やす治療法には、主に以下のようなものが存在します。
上記の治療を受けたあと、しばらく経過を観察してからインプラント治療を行う形となります。
インプラントの治療では顎の骨に人工歯根を埋入するため、外科的な手術が必要です。手術に慣れていない人にとっては、大きな不安材料となるでしょう。
インプラント治療にかかる費用は、30万〜60万円程度です。インプラントの場合、前歯か奥歯かによって値段の大きな変動はほとんどありません。したがって、奥歯に限定した場合でもほぼ同程度の値段になると考えてよいでしょう。
奥歯は、ほかの歯と同様にインプラント治療が可能です。奥歯をインプラントにすることで、ものをしっかり噛めるようになったり、言葉の発音がしやすくなったりと、さまざまなメリットが得られます。
山手歯科クリニックは、東京都品川区大井町にある総合歯科医院です。待合室にアロマオイルを設置したり、おもてなしを意識した丁寧な接客を行ったりと、ホテルのような快適さのある雰囲気を目指しています。リラックスして治療を受けたい方は、ぜひ一度ご来院ください。
監修:理事長/齋藤和重
2022/10/18
インプラント手術を行った方やもうすぐ行う方のなかには「術後、食事に制限はあるのか」「日常生活を送る上で注意すべきことはあるのか」といったさまざまな疑問や不安を抱えているでしょう。
当記事では、インプラント手術後の過ごし方について、さまざまな視点から解説します。手術後に避けた方がよいことや、適切な食事などについてくわしく紹介しています。手術を控えている方、手術を終えた方はぜひお読みください。
インプラント手術とは、失った歯を補うための手術です。歯を失った部分の歯茎を切開し、骨に穴を開け、インプラントを埋入する形で行います。手術の際には麻酔を打ちます。
周囲の健康な自然歯を削ることなく治療できる上、審美性が高いという点がメリットです。
手術による痛みは、多くの場合1週間ほどで落ち着いていきます。手術を終えて麻酔が切れると、痛みが徐々に出てきます。しかし、医師からもらった痛み止めを飲むことでほとんどの痛みは抑えることが可能です。
なお、多くのインプラントを埋め込んでいたり、骨移植・骨造成の手術も実施したりした場合は、痛みが長く続きやすい傾向にあります。
どうしても痛みがひどい場合や、極端に長く続く場合は、何かしらのトラブルが生じている可能性があります。例としては、感染症などの病気にかかっているケースが挙げられます。
トラブルを早期に発見して解決するためにも、気になる場合は医院に相談するのがおすすめです。
インプラント手術を終えたあとは、以下のポイントに注意して過ごしましょう。
1つ目のポイントとして、運動は避けるようにしましょう。運動を行うと、血の巡りがよくなります。血の巡りがよくなると、腫れや炎症が起こりやすくなるため、インプラント手術後は避けるようにしましょう。
運動を避けるべき期間の目安は、手術から2〜3日後までです。本格的なスポーツなど、負荷の大きな運動については、1週間ほど控えておくことをおすすめします。
続いてのポイントとして、湯船へは入らないようにしましょう。
湯船に入ると、運動と同じく血の巡りがよくなってしまいます。よって手術から2〜3日後あたりまでの期間は、入浴を避け、シャワーのみを浴びるようにしましょう。
抜糸を行うまでの1〜3週間ほどの間は、歯磨き・うがいで手術した場所を刺激しないようにしてください。手術した場所に歯ブラシが強く当たったり、口を激しくゆすいだりすると、傷口が開いてしまうことがあります。傷口が開くと、治るまでにさらなる時間を要する原因にもなります。
手術した場所以外であれば、歯磨きを行っても問題ありません。歯磨きの際は手術した部位に触れないようにし、歯磨き粉はつけずに磨くようにしましょう。
歯磨きを終えたあとなどにうがいする際は、ソフトに行うことを意識してください。強くゆすがず、口に水を含んで優しく吐き出すイメージで行います。また、うがいを行う頻度もできる限り少なくするようにしましょう。
続いてのポイントとして、喫煙は控えるようにしましょう。喫煙を行うと、体に以下のような問題が起こる可能性が上昇します。
手術を行う前にあらかじめ節煙の習慣をつけておくことで、インプラントが長持ちしやすくなります。インプラントの治療前または治療後は、できる限り節煙・禁煙するのが理想です。
続いてのポイントとして、睡眠をよく摂るようにしましょう。睡眠がきちんと取れていないと、免疫力が落ちやすくなります。免疫力の低下により、傷の治るスピードが遅くなる可能性があるため、しっかりと適切な睡眠時間を確保するようにしてください。
また、働きすぎによる疲れの蓄積も、免疫力が落ちる原因のひとつです。「徹夜で仕事をする」といった不健康な生活はなるべく避け、しっかりと休息をとるようにしましょう。
続いてのポイントとして、飲酒をしないようにしましょう。アルコールを飲むことで、運動や入浴を行ったときのように、体の血の巡りがよくなります。出血や腫れ、炎症の元になるため、お酒は控えるようにしてください。
飲酒を控えるべき期間の目安は、インプラントの手術からおよそ1週間後までです。
インプラントの脱落を避けるためにも、インプラント手術後は食事に気を使う必要があります。
以下からは、インプラント手術当日・3日後・1~2週間後・3~6ヶ月後それぞれの食事についてくわしく解説していきます。
手術を終えた直後から1〜2時間後までの間は、できれば食事を摂らないようにしましょう。手術の直後は、まだ麻酔が効いたままとなっています。頬や唇の感覚がなく、噛んでしまうことで傷つくリスクが高い状態となっているため、食事を摂ると怪我をする可能性が高くなります。
2時間以上経ってからは、おかゆやスープなどの硬くない食べ物を食べるようにしましょう。
インプラント手術を終えて3日後までの食事では、以下の点に注意しましょう。
具体的には、ゼリーやそうめん、うどんなどの食べ物が適しています。
逆に、せんべいやナッツ、フランスパンなどの硬い食事は控えるのがおすすめです。お餅のように粘り気のあるものや、過度に熱い・冷たい飲食物も避けた方がよいでしょう。
手術から1~2週間後までは、刺激の強い飲食物・甘い飲食物を避けるようにしましょう。刺激の強い飲食物の例としては、炭酸ジュースや辛い料理などが挙げられます。
食事を摂る際は、手術した場所からは遠い歯で噛むようにするのがおすすめです。
インプラント手術から3~6ヶ月経つと、顎の骨にインプラントがしっかりと結合されていきます。自然歯に近い状態となるため、徐々にさまざまな食べ物が食べられるようになってくるでしょう。よって、ほとんどいつも通りの食事を摂り始めても問題ありません。
なお万が一のリスクを避けるためにも、ナッツなどの硬い食べ物は避けるのが賢明です。
インプラント手術後は、運動や入浴を避け、安静に過ごしましょう。また、食事を行う際は手術した部分での咀嚼を避けつつ、硬いものや刺激物は食べないようにしてください。
山手歯科クリニックは、治療について患者さんにしっかりと理解していただくことを大切にする総合歯科医院です。上辺だけの治療ではなく、徹底したカウンセリングを通して患者さんの健康維持のサポートを目指しています。歯の健康を長くキープしていきたい方は、ぜひ一度ご来院ください。
監修:理事長/齋藤和重
2022/10/18
インプラントをこれから埋め込む人・埋め込んだ人のなかには「インプラントも虫歯になるのか」と疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。
当記事では、インプラントは虫歯になるのか否かについて解説します。加えて、インプラントの寿命、インプラントに起こる可能性のあるトラブル、トラブルの予防法などについても解説します。
インプラントの虫歯が不安な方、インプラントに起こりうるトラブルを回避したい方はぜひお読みください。
結論からいうと、インプラントが虫歯になることはありません。インプラントはもともと体の一部だったものではなく、人工的に作られた素材であるためです。
そもそも虫歯とは、口のなかでできた酸が歯のエナメル質を溶かす病気のことです。人工物であるインプラントにエナメル質はないので、虫歯菌が生み出した酸で溶けることはありません。よって、虫歯になることはないといえます。
虫歯になることはないインプラントですが、絶対に安全というわけではありません。メンテナンスを怠ることで、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。
1つ目に考えられるトラブルは、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、インプラント自体や付近が歯周病になることで発症する病気のことを指します。インプラントの歯は人工的に作られたものですが、周りの歯茎は人工物ではなく自分の体の一部です。したがって歯茎に細菌が入り込むと、天然の歯を持つ人と同様に炎症が発生する可能性があります。
インプラント周囲炎の主な原因は、喫煙と口内の不衛生さです。できる限りタバコを控えつつ、治療後の口内のケアをしっかりと行うことで、インプラント周囲炎を予防できる可能性があります。
続いて起こりうるトラブルは、インプラントの脱落です。人工歯根と人工歯がきちんと連結されていなかったり、人工歯根が骨と完全に結合していない状態で人工歯を装着したりすると、治療後にインプラントが落ちることがあります。また、インプラント周囲炎になったことで脱落するケースもあります。
不適切な治療によってインプラントが脱落するのを防ぐためには、信頼できる医院を選ぶことが重要です。口コミや公式サイトの情報を確認しつつ、治療を行う医院は慎重に検討しましょう。
続いて起こりうるトラブルは、周囲の歯の虫歯です。インプラントは虫歯になりませんが、インプラントの近くにある自然歯は、通常の歯と同様に虫歯になるため注意が必要です。「インプラントは虫歯にならないから」と油断せず、しっかりとケアを行うようにしましょう。
なお当トラブルが起こりうるのは、抜け落ちた一部の歯のみをインプラントにした患者さんです。歯すべてをインプラントにした患者さんは、前述のとおり虫歯になることはありません。
続いて起こりうるトラブルは、術後の腫れ・出血です。インプラントの埋め込み手術では、歯茎の切開を行います。したがって、切開を行ったことによる腫れ・出血が生じるケースもあるでしょう。
問題がなければ、手術から日が経つにつれて少しずつ腫れや出血はおさまっていきます。もしも腫れや出血が長く続いていたり、ますます悪化していったりするという場合には、歯周病になっているケースも考えられます。様子がおかしいと感じた場合は注意するようにしましょう。
インプラントの寿命は、平均で10年以上だといわれています。なお、具体的な寿命については個人差があります。10年が経たないうちに寿命が来てしまうケースもあれば、20年を超える長い間同じインプラントを使い続けられるケースもあるでしょう。
治療に問題があった場合は別ですが、基本的にはメンテナンスの徹底度によってインプラントの寿命が決まるといっても過言ではありません。インプラントの寿命を延ばしたい方は、日々のメンテナンスをしっかりと行いましょう。
インプラントの周辺に起こるトラブルを防ぎ、いつまでも健康な口内をキープするためには、日ごろからしっかりと予防をしておく必要があります。トラブルを避けるために有効な予防法は、主に以下の3つです。
1つ目の予防法は、日々のメンテナンスの徹底です。インプラントのメンテナンスといっても、難しいものではありません。天然の歯と同様に「毎日丁寧にブラッシングを行う」といった基本的なことをしっかりと行うようにしましょう。
歯の清掃を行う際は、歯ブラシでのブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するのもおすすめです。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシでは届きにくい部分までしっかりとアプローチできるため、隠れたプラークをかき出しやすくなるでしょう。
事実、歯ブラシだけでは口内のプラークのおよそ6割しか落とせないとされています。対して歯ブラシと一緒にデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、およそ8割のプラークを落とせるといわれています。
口内のプラークをできる限り除去することで、さまざまなお口の病気やトラブルを防ぎやすくなるでしょう。基本的なメンテナンスを、徹底して行うように意識してください。
続いての予防法は、手術前の歯の状態の確認です。虫歯や歯周病を残したままインプラントを埋入すると、手術後に病気が進行したり、インプラントが抜けたりするケースがあります。よってもし手術前に虫歯などがあった場合は、完治させてから手術を行う必要があります。
続いての予防法は、歯科医院で定期的なメンテナンスを行うことです。自分自身で行える基本的なメンテナンスに加えて、歯科医院でも定期的なメンテナンスを受けましょう。
歯科医院のメンテナンスでは、歯科医師が目で見て検診を行ったり、クリーニングを行ったりします。加えて、目で見てチェックできない顎の骨などの様子を確認する場合には、レントゲンを撮るケースもあるでしょう。
取り外しが可能なインプラントを装着している場合は、数ヶ月〜1年に1度のペースで、ボルトに蓄積したプラークを除去します。
患者さん自身では行うのは難しい複雑なメンテナンスも、歯科医院であれば行うことが可能です。歯科医院の本格的なメンテナンスを受けることで、隠れたトラブルや病気を見つけ出しやすくなります。
「とくに問題は起きていなさそうだから大丈夫」「家でしっかり歯を磨いているから大丈夫」と過信せず、必ず歯科医院で定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。
インプラント自体は虫歯になりませんが、だからといって何もしなくてもよいわけではありません。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎やインプラントの脱落など、さまざまなトラブルに見舞われる可能性が高まります。
トラブルを防ぐためにも、自宅や歯科医院でのメンテナンスを徹底しましょう。
山手歯科クリニックは、「患者さんへの説明と同意」を意味する「インフォームド・コンセント」を大切にしている総合歯科医院です。数ある治療それぞれのメリットやデメリットを丁寧にご説明し、同意を頂いてから治療をスタートしています。安心して治療を受けたい方は、ぜひ当院へお越しください。
監修:理事長/齋藤和重
2022/10/06
インプラント治療は人工歯のため「虫歯にならない」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。インプラントが虫歯にならないのなら「歯周病の場合でも同じことがいえるのでは?」と考えている方も少なくないでしょう。
虫歯や歯周病にならないのであれば、口内のケアが簡単になるように見え、メリットが多いように感じられます。しかし、実際のところは、適切なケアを怠っているとインプラントも歯周病になります。
そこで今回は、インプラントと歯周病の関係について解説します。治療前から歯周病がある場合のリスクについても解説するので、インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント自体は人工物であるため、天然歯のように虫歯や歯周病にはなりません。ただし、人工物であるからといって、歯磨きをしなかったりメンテナンスを怠ったりしてもよいわけではありません。インプラントを支えている顎の骨や周辺組織は歯周病にかかってしまうため、天然歯と同じように丁寧なブラッシングと歯科医院での定期健診を受けるようにしましょう。
インプラント歯周炎とは、天然歯でいう「歯周病」と同じ症状です。インプラントの周りに汚れがたまることで、インプラントを支えている周辺組織が細菌感染を起こしてしまいます。そのまま過ごしてしまうと、顎の骨が溶けたり歯茎に炎症を起こしたりし、やがてインプラントが脱落してしまう病気です。インプラントは人工物のため細菌に対する抵抗力が低く、細菌感染してしまうと天然歯よりも早いスピードで進行してしまいます。
インプラント歯周炎にかかると、歯茎から血や膿がでるようになるほか、最悪の場合はインプラントが脱落することがあります。インプラント歯周炎は、天然歯の歯周病と症状がよく似ていますが、痛みが生じにくかったり骨が溶けるスピードが早かったりと、やっかいな要素が多々見受けられます。
そのまま放置してしまうと、インプラントが自然脱落する可能性があり、再手術が受けられないケースもあります。骨の状態は自分で確認できないため、定期的に歯科医院でメンテナンスを受け確認してもらうことがとても大切です。
インプラント歯周炎は、単に口内を清潔な状態に保ち、定期的なメンテナンスを受けていれば問題ないというわけではありません。全身疾患などが関係する場合もあり、インプラント歯周炎になりやすい方の特徴は次のとおりです。
口内の状態だけでなく全身の健康状態によっても、感染しやすさや進行スピードが異なります。治療を受ける前からインプラント歯周炎にかかりやすいことが予想される場合は、医師とよく相談してから決定する必要があるでしょう。
インプラント歯周炎は、進行してしまうと最終的に脱落してしまう怖い病気です。しかし、適切なケアと対処をしていれば、インプラント歯周炎の予防が可能です。治療を受ける前からしっかりと予防策を把握し、正しいケアを行うようにしましょう。
インプラント歯周炎の予防方法は、以下のとおりです。
では、それぞれの項目をくわしく解説します。
インプラント治療を受ける前に、歯周病の疑いがある方は歯周病治療を完了させるようにしましょう。口内の環境が悪く不衛生な状態でインプラント手術を受けてしまうと、術後に感染症を引き起こす可能性があります。歯周病治療を受け、清潔な状態で治療を受けられるように準備しましょう。また、歯周病だけでなく虫歯がある場合も同様です。大きな虫歯治療は先に済ませるようにしましょう。
インプラント歯周炎の予防にもっとも有効的なのは、自宅でのブラッシングなどによる丁寧なケアです。インプラント周辺だけでなく口内全体を清潔な状態に保てるよう、日ごろからの意識が大切です。また、ブラッシングで汚れを落とすだけでなく、歯と歯の間の汚れにはデンタルフロスを使用するなど、他の清掃器具も活用するとよいでしょう。使い方がわからない方は、正しい使用方法の指導を受けておくと安心です。
インプラント治療は、人工物のため定期的なメンテナンスをしっかりと行うことで、長期間良好な状態を保てるようになります。セルフケアだけでは落としきれない汚れは、歯科医院で専用の器具を使って除去してもらうようにしましょう。また、定期的なメンテナンスでは、クリーニングだけでなくインプラントの状態も確認します。不具合が生じていないか歯科医師に確認してもらうことが、インプラントを長持ちさせるために重要なプロセスです。
インプラント治療を受ける前に歯科医院から指導を受けることが多いですが、喫煙はインプラント歯周炎の発見を遅らせてしまいます。たばこに含まれる成分が歯茎の血流を悪くするため、炎症が起きていることがわかりにくいからです。しかし、骨のなかではインプラント歯周炎が進行しているケースが多く、気付いた頃には手遅れのケースも少なくありません。できれば治療を開始する前に禁煙するか、本数を減らす努力が必要不可欠です。
治療前から歯周病であることがわかっている場合は、必ず歯周病治療を完了させてからインプラント治療を受けるようにしましょう。ただし、重度歯周病で骨の状態がよくなかったり、口内環境がよくならなかったりした場合などは、インプラント治療が受けられない可能性があります。
歯周病菌が口内で増殖している状態で歯茎を切開してしまうと、手術中に細菌感染を起こしてインプラント体と骨がうまく結合しない可能性が考えられるためです。また、歯周病が進行している場合は、骨が溶けてしまっているケースがあります。インプラント治療に必要な骨の量が不足していると、治療が難しくなることもあるでしょう。
インプラントと歯周炎について解説しました。インプラント自体は虫歯や歯周病にならないとケアをおろそかにしていると、いつかインプラントが脱落してしまうかもしれません。そうなってしまうと、わざわざ高額な治療費を支払って受けたのに台無しとなってしまいます。インプラント歯周炎を予防するには、医師の指示を守りながら適切なケアと全身の健康に気を使うことが大切です。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重