2022/10/06
虫歯や歯周病などで歯を失ってしまい、受ける治療方法を迷っている方もいるのではないでしょうか。なかでも、インプラント治療と差し歯の違いがわからず、どちらを受けるべきなのか決めきれずにいる方もいるでしょう。
しかし、インプラント治療と差し歯は大きく異なる歯科治療のため、口内の状態によっては自分で選択できないこともあります。
そこで今回は、インプラントと差し歯の違いについて解説します。インプラントや差し歯の治療を受けられる方の特徴や、それぞれの費用・期間についてもあわせて解説するので、歯を失ってしまい治療に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
インプラントと差し歯は、どちらも失った歯を補う歯科治療ですが、両者には大きな違いがあります。治療方法や費用・期間のすべてが異なるため、治療を受ける際は医師とよく相談して決定するようにしましょう。
ここでは、インプラントと差し歯の違いについて解説します。
インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨のなかにインプラント体(人工歯根)を埋め込み、その上にセラミックなどで作成した人工歯を装着して失った歯を補う歯科治療です。インプラント体の埋入には外科手術がともなうため、治療を受けられる方とそうでない方が存在します。
差し歯とは、骨のなかに残った自分の歯根を利用して、人工歯を装着する歯科治療です。骨のなかに自分の歯根が残っていない場合は、差し歯での治療はできません。その場合は、インプラント治療など他の治療方法を選択する必要があります。
インプラント・差し歯の治療には、治療を受けられる方とそうでない方がいます。どちらの治療方法か自分の好みでの選択は難しく、口内の状態によって治療方法が異なります。どちらの治療が最適かは、医師とよく相談して決めるとよいでしょう。
ここでは、インプラント・差し歯の治療ができる人の特徴について解説します。
インプラント治療は、顎の骨のなかにインプラント体(人工歯根)を埋入するため、顎の骨に十分な厚みや量がない方は治療を受けられません。顎の骨に問題がなく、歯茎や口内の状態が清潔で健康的な方がインプラント治療を問題なく受けられるでしょう。また、重度の歯周病や、禁煙、既往歴があり内服している薬がないことも重要なポイントです。外科手術がともなう治療のため、場合によっては治療を受けられないケースがあります。
差し歯は、人工歯を装着するための歯根に問題がなければ治療を受けられるでしょう。自分の歯根が残っていない場合は、差し歯の治療を受けられません。また、歯根の状態がよくなかったり、複雑に割れていたりする場合も、治療を受けられない可能性があるでしょう。その場合でも放置してしまわず、ブリッジや入れ歯、インプラント治療など他の治療法で歯を補うことが大切です。
インプラント・差し歯の治療にかかる費用と期間は、それぞれ大きく異なります。治療を受ける際の歯や歯茎、骨の状態によっても治療期間や費用が異なることがあるでしょう。
ここでは、インプラント・差し歯の治療にかかる費用・期間について解説します。
インプラント治療は、原則として保険適用されないため自由診療となり、それぞれの医院で自由に費用を設定しています。そのため、医院や地域によって費用に差はありますが、1歯30~60万円ほどで治療が受けられます。その他、骨の量を増やす手術などが必要な場合は、追加で数万~数十万円の費用が発生するケースがあるでしょう。
治療にかかる期間は、数ヶ月~1年弱ほどです。ただし、インプラント埋入手術の他に必要な治療がある場合は、治療期間が長くなってしまうでしょう。治療を開始する前に、大まかな治療期間を聞いておくと今後のスケジュールに影響が出にくいでしょう。
差し歯は、装着する人工歯によって費用が大きく異なります。金属製のものは保険適用で作成できるため、前歯であれば1歯1万円ほど治療を受けられます。保険適用外で、強度や審美性の高いセラミック、ジルコニア、ゴールドなどの素材で差し歯を作成する場合は、8~20万円ほどで治療を受けられます。ただし、保険適用外の素材は医院や地域によって費用に大きな差が出ることがあるでしょう。
差し歯治療にかかる期間は、1ヶ月~数ヶ月ほどです。歯根の状態がよく他に必要な治療がない場合は、短期間で完了するケースもあるでしょう。ただし、人工歯に使用する素材によって、治療期間に差が出ることがあります。治療期間が気になる方は、事前に医師と相談してから素材を決定してもよいでしょう。
インプラント治療は、医師の指示を守りながら検診やメンテナンスを受けていると、さまざまなメリットが得られる治療です。代表的なメリットには、以下のようなものが挙げられます。
一方で、デメリットには以下のようなものが挙げられます。
インプラント治療は、一般的な虫歯治療のように短期間で終了しないケースがほとんどです。また、治療完了後にもメンテナンスのために通院する必要があるため、長期的な治療となります。
差し歯はインプラント治療に比べて外科手術がともなわないため、少ない負担で治療を受けられます。差し歯のメリットには、以下のようなものが挙げられます。
一方で、デメリットには以下のようなものが挙げられます。
保険適用の素材では費用を安く抑えられることも可能ですが、審美性が損なわれてしまうことがデメリットとして挙げられます。また、歯根の状態によっては耐久性が低くなり、歯根が割れてしまうこともあるでしょう。
インプラントと差し歯について解説しました。それぞれメリット・デメリットが異なり、費用や治療期間にも大きな差があります。失った歯を補う治療として同じように見えますが、それぞれの特徴や注意点をしっかりと把握して治療法を選択するようにしましょう。治療方法に迷った場合は、近くの歯科医院を受診して医師とよく相談し、セカンドオピニオンの利用もおすすめです。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/10/06
失った歯を補う治療法として、インプラント治療を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、機能面・審美面の両面で優れているインプラント治療は、健康保険が適用されないため費用が高額になりがちです。
そんな費用がネックとなり、治療を先延ばしにしたり治療を踏みとどまったりするのも無理はありません。そんななかで、歯科医院やネットなどで「デンタルローン」の話を耳にし、どのような支払い方法なのか気になっている方もいるでしょう。
そこで今回は、インプラントでデンタルローンは利用できるのか、デンタルローンのメリットや注意点とあわせてくわしく解説します。インプラント治療を検討している方、デンタルローンの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
デンタルローンとは、インプラント治療や矯正治療など、高額な歯科治療費を金融機関などに立て替えてもらって治療費を支払う方法です。デンタルローンはインプラント治療でも利用できるため、すぐに費用を工面できない方はデンタルローンの利用を検討してみてもよいでしょう。デンタルローンは歯科医院の窓口で手続きできることが多いため、気になる方は歯科医院でくわしい内容について問い合わせてみましょう。
デンタルローンもクレジットカードも分割で支払うことに変わりはありませんが、デンタルローンを利用するためには審査を通す必要があります。原則、20歳以上の安定した収入がある方が審査の対象となり、アルバイトや主婦の方は保証人が必要な場合があります。
また、デンタルローンはクレジットカードの分割払いに比べて安い金利で利用できます。同じ分割払いでも、安い金利で利用できるデンタルローンの方が総支払いを安く済ませられるメリットがあります。
デンタルローンの利用で、急ぎの治療にも対応できるケースがあります。最適なタイミングで治療を受けられることで、症状の悪化を防いだり治療の難易度を下げたりできます。
他にも、デンタルローンの利用には以下のようなメリットが挙げられます。
では、それぞれの項目をくわしく解説します。
デンタルローンを利用すると金融機関が治療費を立て替えてくれるため、手元にまとまったお金を準備できなくてもインプラント治療を受けられます。金銭面がネックとなりインプラント治療を先延ばしにしていた方でも、最適なタイミングで治療を受けられるでしょう。ただし、お金を借りていることに変わりはありません。軽い気持ちで借りてしまうと、返済が難しくなる可能性もあるため慎重に考えるようにしましょう。
一年間に支払った治療費が10万円を超える場合は、医療費控除申告の対象となります。インプラント治療はほとんどのケースで10万円を超えるため、申告の条件のクリアは難しくないでしょう。デンタルローンで支払った場合でも医療費控除の対象になるため、支払った治療費の一部を受け取れます。
デンタルローンは、クレジットカード決済に比べて金利が安いことがメリットとして挙げられます。そのため、同じ分割払いでも手数料を抑えながら支払いを続けられます。分割払いで費用を少しでも抑えたい方は、デンタルローンの利用が向いているでしょう。
一般的なローンでは銀行窓口などへ出向いて手続きをしますが、デンタルローンの手続きは歯科医院の受付でできることがほとんどです。手続きが可能な平日のお昼に銀行へ出向く必要が無いため、仕事などで忙しい方でも手続きが可能です。歯科医院で手続きが行える場合は、分割回数などの相談に乗ってもらえることもあるでしょう。
デンタルローンの利用で、まとまったお金の準備ができなくても治療を受けられます。しかし、デンタルローンはお金を借りることに変わりはないため、以下のような注意点が存在します。
では、それぞれの項目をくわしく解説します。
デンタルローンの借り入れには、一般的なローンと同じように審査があります。審査の基準はデンタルローンの種類によって少し異なることがありますが、ほとんどのケースで借入額と収入額のバランスで判断されます。他の金融機関からの借り入れのローン残高や延滞の記録も確認されるでしょう。当然ですが、審査に落ちてしまえば利用できないため注意が必要です。
治療費を立て替えてくれる嬉しい制度ではありますが、金融機関からお金を借りていることに変わりはありません。返済時には手数料と金利を支払う必要があるため、最終的な支払い金額は実際に治療にかかる費用よりも多くなってしまいます。また、低金利であればあるほど審査が厳格になってしまうため、心配な方は利用するデンタルローンを自ら探して申請する方法もあります。
デンタルローンは、すべての医院で取り扱いがあるとはいえません。また、デンタルローンの手続きを医院の窓口ではできないケースもあるでしょう。医院独自の分割払いシステムを採用しているケースもあるため、分割払いを希望する場合は医院へ確認してみましょう。
デンタルローンは、高額な治療費を立て替えてくれる制度です。治療を先延ばしにすると症状が悪化する可能性のある方や、まとまったお金の準備が難しい方は、デンタルローンの利用価値があるといえるでしょう。
ただし、治療費の他にも手数料や金利がかかるため最終的に支払う費用は大きくなってしまいます。デンタルローンの利用による手数料がかさみ、支払いが難しくなるケースも否定できません。歯科医院の受付でデンタルローンの手続きができる場合は、利用に関する相談をしてみると安心です。インプラント治療は長期的な付き合いとなるため、小さなことでも気軽に相談できる医院が望ましいでしょう。
インプラントのデンタルローンについて解説しました。デンタルローンの利用には審査があるためすべての方が利用できるわけでは無いものの、高額な歯科治療のハードルを下げてくれる嬉しい制度です。予算の問題でインプラント治療に踏み出せずにいた方は、デンタルローンの利用も視野に入れてみましょう。くわしい利用方法などは、治療を受ける歯科医院で確認してみましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/09/05
失った歯を補うための治療はさまざまなものがありますが、独立した治療が可能なインプラント治療はたくさんのメリットが得られます。審美性にも優れているため、第一候補として検討している方も多いでしょう。
しかし、インプラント治療は手術が必要な治療であり、構造が気になる方もいるのではないでしょうか。また、インプラントメーカーなど「種類にもこだわりたい」と考えている方もいるでしょう。
そこで今回は、インプラントの種類と構造をわかりやすく解説します。人工歯に使われるセラミック・ジルコニアなどの素材についても解説するので、インプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療は、歯を支えている骨のなかに人工歯根となるインプラント体を埋入し、その上に人工歯を取り付ける治療方法です。治療方法によって異なりますが、以下の3つのパーツに分けられます。
では、インプラントの構造についてくわしく解説します。
歯科におけるインプラント治療で「インプラント」もしくは「インプラント体」と呼ばれる部分は、骨のなかに埋め込むネジのような形をした人工歯根の部分を指します。独立した治療を可能にするために歯の根っこの代わりとなり、インプラント治療の土台となる重要な役割をしています。体内に直接埋め込むため、アレルギー反応が少なく腐食しにくいチタン製のものが主流です。
アバットメントとは、インプラント体と人工歯を結合させるための器具です。骨のなかに埋め込んだインプラント体と接続し、歯茎から露出させる状態で取り付けます。一人ひとりの歯茎の厚みやインプラント体の角度などを考慮して最適なものを取り付け、噛み合わせが悪くならないように工夫されています。アバットメントは、インプラント体と一体型のものもあり、症例によって使い分けも可能です。
上部構造とは、失った歯の代わりとなる人工歯を指します。歯茎から露出させたアバットメントへ装着し、実際に食べ物を咀嚼する役割を持ちます。使用する素材は、審美面や強度に優れているセラミック・ジルコニアなどが主流で、保険診療で作成する入れ歯やブリッジのように金属が目立ってしまうことはありません。
インプラントは、一回法と二回法の2種類に分けられます。一回法では、インプラント体を埋入する際に高さのあるヒーリングキャップを取り付けるため、アバットメントを取り付けるための二次手術を受ける必要がありません。手術の回数が少ないため負担が少なく、治療期間も短縮できるメリットがあります。ただし、骨の厚みや量が十分ではない一回法が適用できないケースもあり、すべての症例に適用できる治療法ではありません。
一方の二回法は、インプラント体とアバットメントが分離しているため、インプラント体埋入手術(一次手術)を受けたあとに、アバットメントを取り付ける手術(二次手術)を受ける必要があります。インプラント体を埋入してから治癒期間を設けるため、骨とインプラント体がしっかり結合するのが二回法のメリットです。ただし、2回に渡って手術を行うため負担が大きいことや、インプラントとアバットメントの結合部分が緩くなる可能性があることが注意点として挙げられます。
骨に埋め込むインプラントメーカーは、世界に数百社あるといわれています。自分で好きなように選ぶことはできませんが、適切で信頼のあるメーカーのインプラントを使用することで、正しく機能するインプラント治療となるでしょう。なかでも代表的なのは、以下の4社です。
これらは世界的に大きなシェアを持つ代表的なインプラントで、世界中のインプラントドクターから信頼を得ています。いずれのメーカーも10年以上の臨床実績があり、科学的根拠に裏付けられた品質・安全性の高い製品を提供していることが、医師からの信頼へつながっています。
インプラントの上部構造にはさまざまな種類があり、予算や部位にあわせた素材を選べます。基本的にセラミックがベースのものが多いため、金属アレルギーがある方でも心配が少ないでしょう。代表的なものは以下の3種類です。
では、それぞれの素材についてくわしく解説します。
すべてセラミックでできている審美性に優れた素材です。劣化による変色の心配がないため、長期的に美しい状態を保てます。ただし、強く噛み合う部分では欠けたり破損したりするリスクがあり、噛み合わせが強い方には不向きでしょう。
ジルコニアは耐久性・審美性に大変優れており、適用できる部位が多いことが特徴です。歯ぎしりや食いしばりが強い方の奥歯にも使用でき、割れる心配はほとんどありません。審美性にも優れているので前歯にも適用され、汎用性に優れた素材といえるでしょう。
ハイブリッドセラミックは、歯科用プラスチックとセラミックをあわせた素材です。保険適用のプラスチックに比べて強度は増しているものの、セラミックやジルコニアに比べるとやや劣ります。また、劣化すると変色する点でも、他の素材より劣る部分が多いといえますが、安価で作成できることがメリットとして挙げられます。
オールオン4とは、インプラント治療法の一つで、多くの歯を失った方向けのその日から軽い食事ができる治療方法です。片顎最小4本のインプラントですべての人工歯を支える治療法で、インプラントの埋め込みから歯の装着まで1日で完了します。
ただし、非常に高い技術が求められる治療であり、適用できるケースが少ないというデメリットも挙げられます。適用できる症例かどうか、医師とよく相談して治療を受けるようにしましょう。また、どの医院でも対応している治療法ではないため、検討している方は事前に確認しておくとスムーズに進みます。
インプラント治療の種類や構造について解説しました。独立した治療が可能なため、残っている健康な歯を守れるインプラント治療は、さまざまなメリットが得られるといえるでしょう。ただし、治療を受ける際には自分の症例に合った適切な方法で、質のよい治療を受けるようにしましょう。安易に選んでしまうと、すぐに脱落したり感染症を引き起こしたりと、失敗してしまう可能性もあります。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/09/05
インプラント治療は一度で終わる治療ではありません。複数回に渡る処置が必要なため、治療期間も数ヶ月~1年ほどかかる大きな歯科治療です。
そんなインプラント治療の流れや治療期間、費用が気になる方が多いのではないでしょうか。よくわからないまま治療を受けてしまうと、のちにトラブルに発展してしまう可能性もあります。
そこで今回は、インプラント治療の流れ、それぞれの手順でかかる費用や期間についてくわしく解説します。インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療は一度で終わる治療ではないため、スケジュールをよく把握した上で治療に臨む必要があります。大事な予定などがある場合は、医師とよく相談しながらタイミングを決定するようにしましょう。
インプラント治療の流れは、以下のとおりです。
では、それぞれの項目をくわしく解説します。症例や口腔内の状況によって必要な処置が変わってくるため、最終的な確認は治療を受ける医院でするようにしましょう。
インプラント治療を開始するにあたり、口腔内の状態を確認するため精密検査を行います。検査は石こう模型採取やCT撮影、口腔内写真、歯周基本検査などが主な内容です。
検査結果をもとに一人ひとりに合ったプランを作成し、手術内容や治療期間、費用に関するくわしい説明を受けます。インプラント治療に関する疑問や不安は、治療開始前に必ず解消しておくようにしましょう。
さまざまなメーカーのなかから選択した、適切なインプラントを埋入するための一次手術を行います。手術は埋入本数や骨の状態によって異なりますが、1本だいたい1時間前後で終了します。また、手術中は局所麻酔を行うため、痛みはほとんどありません。心配な方は笑気麻酔や静脈麻酔を併用すると安心でしょう。
一次手術ではインプラント体を埋入し、切開した歯茎を縫合します。個人差がありますが、インプラント体と骨がしっかりと結合するまで2~6ヶ月ほど待機します。
インプラント体と骨の結合が確認されたら、人工歯の土台となるアバットメントを取り付ける二次手術を行います。だいたい30分前後で終了します。一次手術と同じく局所麻酔が効いている状態で行われるため、痛みはほとんどありません。一時手術のように笑気麻酔などは必要ないでしょう。
二次手術はアバットメントを歯茎から露出させた状態で終了します。歯茎が落ち着いてきたころに、セラミックなどで作成した人工歯を取り付けて、インプラント治療は完了です。
インプラント治療は、治療後の正しいホームケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスを行うことで長期的に良好な状態で機能します。セルフケアやメンテナンスを怠ってしまうと、骨を溶かしてしまうインプラント歯周炎に感染することがあり、インプラントの寿命を縮めてしまいます。
きちんと機能する状態で長く使い続けるためには、自宅での丁寧なブラッシングを行い、歯科医院で3~6ヶ月に一度のペースでプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。
インプラント治療には、1回法と2回法の2種類があります。上記で紹介したインプラント治療の流れは2回法で、ほとんどの症例に適用できるインプラント治療法です。
ここでは、インプラント手術の1回法と2回法の違いについて解説します。
2回法のインプラント手術は、ほとんどの症例に適応できる方法です。インプラント体(人工歯根)とアバットメントが分離しているタイプを使用します。歯茎を切開して骨のなかにインプラント体を埋入し、切開した歯茎を一度縫合して骨とインプラント体がしっかり結合するのを待ちます。
結合が確認できたら、再び歯茎を切開して人工歯の土台となるアバットメントを取り付ける手術を行います。このように、2回に分けてインプラント手術を行うのが2回法です。
歯茎を閉じてしっかりと治癒期間を設けるため、インプラントの脱落リスクが低いことが大きなメリットでしょう。ただし、2回に分けて歯茎を切開する手術を行うため負担が大きく、治療期間が長くなることが注意点として挙げられます。
1回法のインプラント手術は、文字通り1回の手術で完了する治療法です。インプラントの埋入時に、高さのあるヒーリングキャップを取り付けるため、アバットメントを取り付けるための二次手術を受ける必要がありません。
一度の手術で済むため負担が少なく、1回法に比べて治療期間も短いことがメリットです。ただし、インプラント体を埋め込む骨が十分にあることが条件となり、誰でも受けられる治療ではないことが注意点として挙げられます。
インプラント治療にかかる期間は、骨の状態や治療方法によって異なりますが、数ヶ月~1年ほどです。インプラント体と骨の結合に2~6ヶ月ほど期間があり、そのあとは歯茎の状態を観察しながら人工歯を作成します。口腔内が良好であればだいたい1ヶ月程度で歯茎の状態が落ち着く方もいますが、症例によっては数ヶ月ほど時間がかかることもあるでしょう。
なお、インプラント自体の寿命は10年ほどといわれています。丁寧なホームケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアをきちんと受けていれば、さらに長持ちすることもあるでしょう。大きな治療費と長い期間をかけて受ける治療のため、できるだけ長持ちするように日ごろから意識することが大切です。
インプラント治療にかかる費用は、30~60万ほどです。インプラント手術の準備や検査に3万円ほど、インプラント手術に25万円ほどかかります。人工歯は使用する素材によって15~25万円ほどと、費用に大きな差がでるでしょう。
また、骨の厚みや量が十分ではない場合は、増骨手術を行う必要があります。その場合は、治療法によって異なりますが5~50万円ほどの追加費用があるため、治療の前に費用の内訳などをしっかり確認しておくようにしましょう。
インプラント治療について解説しました。インプラント治療は、失った歯を補うための歯科治療として、機能的にも審美的にも大変優れています。しかし、劣悪な環境で治療を行ったり、経験の浅い医師のもとで治療を受けたりすると、失敗や感染症を起こしてしまうリスクがともないます。治療を受ける際は自分に合った方法を選択し、実績の豊富な医師へ任せるようにしましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行ったあと、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/09/05
失った歯を補うための治療法として、機能的・審美的に優れているインプラント治療は、入れ歯やブリッジのように大きく目立つことはありません。見た目の問題が少ないことから、インプラント治療を第一候補として検討している方も多いでしょう。
しかし、インプラント手術中の痛みや術後の傷口など、経過が気になり治療に踏み込めない方もいるのではないでしょうか。あまりにもダウンタイムが長いようでは、日常生活に支障をきたしてしまいますよね。
そこで今回は、インプラント治療の痛みについて解説します。手術中・手術後に分けて解説するので、インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療は、歯茎を切開して骨のなかにインプラント体を埋め込む手術が必要な治療です。治療中は麻酔が効いているため痛みを感じることはほとんどありませんが、傷口が落ち着くまで多少の痛みを感じるケースもあるでしょう。
また、痛みの感じ方は個人差によるものが大きいため、まったく痛みがなかったと感じる方もいれば、強い痛みを覚えたと感じる方もいます。術後の過ごし方によっては痛みがでてしまうケースも考えられます。どうしても心配であれば、治療を受ける医院で事前によく相談しておきましょう。
インプラント治療では、インプラント手術中に感じる痛みと、手術後に感じる痛みがあります。それぞれ耐え難いほどの痛みを感じることはまれですが、痛みに敏感な方は事前に心構えをしておく必要があるでしょう。
ここでは、治療中・治療後に感じる痛みの違いについて解説します。
インプラント手術中は、局所麻酔を行うため基本的に痛みをともなうことはほとんどありません。ただし、麻酔をする際のチクッとする感覚や、麻酔液を注入する際に違和感を覚えるケースがあるかもしれません。麻酔時の痛みを少しでも緩和させるため、表面麻酔をする医院も多いのですが、心配であれば事前に希望しておくとよいでしょう。
また、どうしても手術中の痛みや恐怖・不安を感じる方は、笑気麻酔を併用する方法も有効です。うたた寝をしているときのようなリラックスした状態で施術を受けられます。医院によっては、静脈内鎮静法を準備しているところもあるので、事前に相談しておくと安心でしょう。
インプラント治療では、手術直後に腫れや出血をともなう痛みを感じるケースがあります。ほとんどのケースは一時的なもので、傷口が落ち着くまでの1~2週間ほどで治まるでしょう。痛み止めなどの薬も処方されるため、過剰な心配は必要ありません。
ただし、痛みがひどかったり出血が止まらなかったりする場合は、必ず医師へ相談するようにしましょう。放置してしまうと、感染症を引き起こすこともあるので、注意が必要です。急な痛みやトラブルに備えて、通いやすい距離にある医院を選んでおくと安心でしょう。
インプラント治療中の痛みは医師へ任せるしかありませんが、治療後の痛みは対策を取ることで軽減させられます。これまでと同じように生活を続けていると、痛みの誘発につながるため以下のポイントに気を付けるようにしましょう。
では、それぞれの項目をくわしく解説していきます。どれも難しい内容ではないため、少しだけ意識して痛みがでないよう対策を取りましょう。
インプラント治療直後は、麻酔が1~2時間ほど効いている状態です。麻酔が完全に切れるまでは、唇を噛みやすかったり火傷しても気付かなかったりするので、食事には十分な注意が必要です。
また、医師から指示があるまではインプラント埋入部位で噛まないようにしましょう。いつも通りの食事をしてしまうと、インプラント体と骨がきちんと結合するのを阻害してしまう可能性があります。おかゆや麺類などの柔らかいものから食べるようにし、硬いものがあたらないよう注意しましょう。
インプラント治療に関係なく、たばこは口腔環境に悪影響をおよぼします。たばこに含まれる成分が血管を委縮させるため傷の治りが悪くなるだけでなく、ヤニや歯周病リスクも高くなります。事前に禁煙しておくか、少なくとも術後2週間ほどは喫煙しないように心がけましょう。
また、アルコール摂取は免疫力の低下を招きます。日ごろから過度の飲酒は避け、術後2~3日は控えるようにしましょう。アルコールやたばこは、手術からの回復を遅らせる原因となるため、インプラント治療を検討しているのであれば控えることが大切です。
手術後1~2日ほどは、血流のよくなる行為を避ける必要があります。湯船につかって長風呂をしたり、サウナ・温泉に出向いたりすることは避けるようにしましょう。
また、シャワーの温度にも注意が必要です。熱めのお湯でシャワーを浴びてしまうと血行がよくなるので、普段よりもぬるめの温度に設定するようにしましょう。傷の状態が落ち着けば元の温度に戻しても構いませんが、念のため医師に確認しておくと安心です。
プールやスポーツジム、ジョギングなどの激しい運動も、手術後1週間ほどは控えるようにしましょう。また、術後2~3日はウォーキングなどの軽い運動も控え、仕事や家事も軽めに終わらせられるように調整しておくと安心です。
血流がよくなってしまうと、傷の治りが遅くなったり出血・痛みを誘発したりしてしまいます。仕事や学業で忙しく活動量が多い方は、連休前にインプラント治療を受けるなどの工夫が必要です。医師とよく相談して日程を決めるようにしましょう。
インプラント治療後は、感染症予防のために抗生物質などの薬が処方されるケースがほとんどです。医師から指示された用法・用量を守り、しっかり服用するようにしましょう。自己判断で薬の服用を止めてしまうと、痛みや腫れがでてしまう可能性があるため、最後まで服用することが大切です。
また、他に内服している薬があれば、飲み合わせに問題がないか確認してもらう必要があります。飲み合わせだけでなく、手術にあたり服用を中止する必要な薬もあるため、事前に医師へ伝えておくようにしましょう。
インプラント治療の痛みについて解説しました。インプラント治療は外科的処置がともなうため、どうしても身構えてしまいますが、医師の指示を守って過ごしていれば過度な心配はいりません。手術中も、できるだけ痛みがでないような対応や、リラックスして受けられるような環境作りに配慮している医院が多いです。どうしても心配であれば、事前に医師へ伝えておくと安心でしょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを実施し、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重