2022/12/16
インプラントのなかには、通常よりも安く治療を受けられる格安インプラントというものが存在します。当記事では、格安インプラントの概要や安さの理由、一般的なインプラント治療の費用相場、安く治療を行う方法について紹介します。
格安インプラントについてくわしく知りたい方や、できる限り安くインプラント治療を受けたいと思っている方は、ぜひお読みください。
格安インプラントとは、一般的なものよりも値段を抑えて治療できるインプラントのことです。ものによっては、一般的なインプラント治療の4分の1で治療できることもあります。
インプラントは決して安い買い物ではないため、できれば格安で受けたいと思う方も多いでしょう。しかし格安インプラントには、安いだけのデメリットやリスクも存在します。
価格の面だけを見て格安インプラントを選択すると、後悔する可能性もあります。格安で治療を受けたいと思っている方は、格安インプラントが持つリスクについてもしっかりと把握した上で検討するようにしましょう。
格安インプラントが安い値段となっているのには、ほとんどの場合事情があります。考えられる事情としては、以下のようなものが挙げられます。
以下でくわしく解説します。
格安インプラントのなかには、経験の少ない医師が経験を積むために安く治療を行っているケースもあります。経験や技術が足りていない医師から治療を受ける場合、注意が必要です。
インプラントと一言でいっても、さまざまな種類があります。インプラントを作っているメーカーは世界で100社以上あり、日本だけでも30社以上あるとされています。
格安インプラントでは、数あるインプラントのなかの、日本で承認されていないメーカーの製品を使用している可能性があるのです。日本未承認ということは、日本国内で使うことが認められていないということです。使用が認められていない製品は、安全性についてもまだ確認が行われていません。
人体に埋め込んでも悪影響をおよぼさないのか、しっかりと機能してくれるのか、といったことが一切保障されていないともいえるでしょう。インプラントは、体に埋め込んでほぼ一生使っていくものです。自分の一部となるようなものの安全性が未確認というのは、大きな不安を感じるのではないでしょうか。
また、一般的な歯科医院で使用されているようなメジャーなインプラントの場合、万が一骨と結合しなかった場合は無料で交換してもらえることもあります。しかし格安インプラントで使用されているような未承認の製品・マイナーな製品の場合、うまく使えなくても責任を取ってくれないケースが多くあります。
うまく結合できなければ「治療に失敗した上にお金も返してもらえず、無駄に出費だけが発生した」という最悪の事態になる可能性もあるでしょう。
最初は安い料金を提示し、あとから不必要な料金を追加で請求して値段を釣り上げてくるというパターンも存在します。あとで思わぬ金額を請求されて動揺しないためにも、治療を受ける前には支払うお金の全額と内訳を提示してもらうことをおすすめします。
通常のインプラントの治療は、長い期間がかかります。インプラントと顎の骨をしっかりと結合させるためには、長い時間をかけなければならないためです。また、手術を終えたあとには定期的に病院へ通い、治療後のメンテナンスを行う必要があります。
しかし格安インプラントの場合、こうした必要な時間を省いてとにかく早く終わらせようとしているケースが多くあります。早く終わらせることで1人の患者に割く時間を減らし、多くの患者数を獲得して稼ごうと考えているためです。
本来のインプラント治療において必要な過程をカットしたり、メンテナンスを十分に行わなかったりした場合、さまざまな危険があります。具体的には、インプラントが正しく結合しなかったり、インプラント周囲炎などの病気を引き起こしたりする可能性があります。
インプラント治療において発生する費用の適正な相場は、およそ30〜60万円です。相場から大きくかけ離れるような格安インプラントについては、怪しい点がないかをしっかりとチェックするようにしましょう。
とくに10万円以下で行えるようなインプラントは、何かしらのよくない理由が隠されている可能性があります。十分に警戒するようにしてください。
費用が極端に安いインプラントは、安全のためにもむやみに選ばないことをおすすめします。とはいっても、通常のインプラントの費用は決して安くないため、できる限り費用を抑えたいと思っている方も多いでしょう。
安く治療を受けたい方は、以下3つの方法について検討してみることをおすすめします。
医療費控除とは、1年で10万円以上の医療費を払った際に受けられる控除のことです。医療費控除による還付額は、医療費控除額と所得税率を掛けあわせることによって算出可能です。
医療費控除を受ければ払った税金の一部が還付されるため、出費を減らすことができます。インプラントなどの治療で多くのお金を支払った際は、医療費控除を受けることを検討してみてください。
オールオン4とは、4本のインプラントで上または下のすべての人工歯を支えられる治療法です。すべての歯が無い状態でしか行えないという注意点もありますが、埋め込む本数が少なくなることで費用は抑えられる可能性が高いです。
また埋め込む本数が少ないため、手術回数が少なるなるなど体への負担も軽くなります。
「格安インプラントを使用しない」という行為自体も、インプラント治療を安く済ませることにつながります。繰り返しになりますが、格安インプラントを使用することにはさまざまなリスクがあります。
格安インプラントを使用したことでうまく接合できなかったり、問題が起こったりした場合、もう一度治療をやり直さねばなりません。そうなれば、最初から通常のインプラントを受けたときよりも多くの出費が発生することになります。
安く済ませようとして格安インプラントを選んだはずが、かえってお金がかかってしまっては本末転倒です。通常どおりの価格で済ませるためにも、初めから信頼のおける歯科医院で治療することをおすすめします。
格安インプラントは、未承認のメーカーのインプラントを使用していたり、メンテナンスが不十分だったりと、安いなりのマイナスな事情を持っているケースがあります。安心して治療を行うためにも、値段だけにつられてむやみに安いインプラントを選択しないようにしましょう。
山手歯科クリニックでは、患者さんのプライバシーを第一に考え、安心感のある個室で治療を行っています。インプラントの治療を受けたい方は、ぜひお越しください。
監修:理事長/齋藤和重
2022/12/16
病気や事故によって歯を失った方のなかには、審美性の高いインプラント治療を検討している方も多いでしょう。しかし年齢の若い方やお年を召された方のなかには「どんな年齢であっても治療を行えるのだろうか」と不安や疑問を抱いている方もいるはずです。
そこで当記事では、インプラント治療における年齢制限やインプラントの概要、インプラント治療が難しい年代がある理由などについて解説します。インプラント治療を検討している方は、ぜひお読みください。
インプラントを受ける適正な年齢の制限は、ある程度存在しています。適正年齢に当てはまらない方は、ほとんどの場合治療を受けられません。
治療を受けられる年齢の下限は、20歳程度です。対して上限は、明確には決められていません。下限と上限それぞれの詳細については、以下でくわしく解説していきます。
インプラント治療を実施するのは、20歳を超えてからがおすすめとされています。20歳という制限は、1996年にスウェーデンで行われたインプラント治療に関する会議によって決定されました。
20歳以下が原則治療できない理由は、顎の骨の成長にあります。人間の顎の骨は、20歳ごろまで成長し続けるとされています。成長途中にインプラントを埋め込むと、埋め込んだ部分の骨の成長が弱まってしまう可能性があるのです。成長の妨げとならないよう、インプラントは基本的に20歳以降に行うのが適切だとされています。
ただし、顎の成長がいつまで続くかは人によっても異なります。20歳を超えていなくても骨の成長が完了している人もいれば、20歳になっても骨が成長し続けているケースもあるでしょう。
したがってインプラント治療を受ける際は、まず歯科医師に相談してみることをおすすめします。治療を始めるのはいつが適切かを医師に判断してもらうことで、より安心して治療を行うことができるでしょう。
インプラント治療を行う上で「何歳以上の人は行えない」という明確なルールは存在しません。ただし、20歳以上であればすべての人が受けられるかというと、そうともいえないのが事実です。
お年を召された方の場合、若い人に比べて体へのリスクが多くなります。インプラント治療を行うことで、身体に悪影響をおよぼす可能性もゼロではありません。したがってインプラント治療を行える年齢は、原則80歳までが目安であるといわれています。
80歳はあくまでも目安であり、明確なボーダーラインとなる数字ではありません。インプラント治療を受けられる年齢は、患者さんそれぞれの体や口内のコンディションによっても異なります。
自分が治療できるのか知りたい方は、まず歯科医院で医師の診断を受けることをおすすめします。
歯科治療におけるインプラントとは、失った歯を補うために、顎の骨に埋入する人工歯根のことです。インプラントを埋め込むことで、天然歯のように食べ物を噛んだり、口のなかの見た目の美しさを高めたりできます。
インプラントを埋め込む場合、基本的に入れ歯よりも長い期間をかけて治療を行うことになります。埋入の際は麻酔を使用した外科的な手術を実施し、手術を終えたあとには定期的なメンテナンスを実施しなければなりません。
前述のとおり、インプラント治療は入れ歯の治療などに比べてやや大掛かりです。治療のフローなどに鑑みた場合、高齢者の方にはインプラント治療を行うのが難しいケースがあります。
高齢者の方のインプラント治療を難しくしている要因は、主に以下の4つです。
インプラントの治療では、外科手術を行う必要があります。手術のなかでは、顎の骨を削ったり、歯茎を開いたりします。歳を重ねると体にできた傷を治癒する能力が弱くなるため、手術で負った傷が体に悪影響をおよぼす可能性があるのです。
手術で負った傷がすぐに治らないと、傷のある場所が細菌に感染したり、血液がたまって腫れ上がったりするリスクが高まります。そうなれば、体の健康を阻害したり、インプラントが体に馴染まなくなったりする可能性も高まるでしょう。
外科手術ならではのリスクがあるという点は、高齢者が治療を行いにくい理由の大きなひとつです。
インプラント治療は、手術を終えたら完了というわけにはいきません。インプラント周囲炎などの病気を防ぐためにも、定期的に歯科医院へ通い、メンテナンスを行っていく必要があります。
また歯科医院でのメンテナンスだけでなく、自分でも自宅でしっかりとメンテナンスを行わなければなりません。
高齢の方の場合、定期的に歯科医院へ通ったり、自分でメンテナンスを行ったりするのが難しい方も多いでしょう。「健康状態に問題がある」などの理由でメンテナンスが行えなかった場合、病気を発症し、さらなる体調不良につながるケースもあります。
インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋入し、結合させる治療です。高齢者の場合、インプラントの結合力が弱い可能性があるため注意が必要です。
高齢者の方は若年層の方よりも、体の免疫力が弱まっています。①でも解説した通り、免疫力が弱いと体にできた傷の治りが遅くなります。傷が治りにくいと、インプラントと顎の骨がしっかりと結合しなくなるため、インプラントがなかなか安定しません。
インプラントが不安定な場合、咀嚼機能を十分に果たすのが難しくなります。場合によっては、もう一度手術をやり直さなければならなくなるケースもあるでしょう。
高齢者は若年層の方に比べ、持病があるケースが多くあります。とくに以下は、多くの高齢者の方が抱えている病気です。
上記のような持病を抱えた状態で手術を実施すると、体に悪影響をおよぼす可能性があります。したがって持病がある場合は、手術を実施できないケースもあるでしょう。
インプラント治療を実施する患者さんは、40〜60代が多いとされています。40〜60代の人々は仕事や育児に追われているため、歯のメンテナンスを丁寧に行うのが難しくなります。メンテナンスが不十分であることから口内が病気になり、インプラントを使用することになる人が多い、というのが定説です。
なお、平均年齢より若いからといって早すぎるということもありません。若い方は体が健康なケースも多いため、歳を取ってから受けるよりもリスクを抑えて治療が受けられます。また、骨の量も高齢者より多く、免疫力も高いため、安心感を持って治療できるでしょう。
インプラント治療は原則20歳以上が適正年齢です。対して、上限については明確な基準が存在しません。しかし手術によってトラブルが発生する可能性があったり、メンテナンスが難しかったりすることから、80歳以上の高齢者には治療が難しいとされています。
体の健康状態や顎の成長度合いは人によってそれぞれであるため、治療を受けたい方は一度医師に相談してみるのがおすすめです。
山手歯科クリニックは、インプラントについての深い知識や経験を持つ担当医が治療を行っています。安心感のある治療を受けたい方は、ぜひ一度お越しください。
監修:理事長/齋藤和重
2022/12/16
インプラント治療とは、失った歯を人工の歯で補う治療のことです。事故や病気で歯をなくした方の場合、インプラントを行いたいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし一方で、インプラントは金属を使用すると聞き「アレルギー反応が起こらないだろうか」と心配している金属アレルギーの方もいるはずです。そこで当記事では、金属アレルギーの人でもインプラント治療が可能であるかどうかや、金属アレルギーの概要、気を付けるべきポイントやアレルギーを起こしやすい金属などについて解説します。
インプラント治療によって金属アレルギーの症状が出ないか不安な方は、ぜひお読みください。
結論からいうと、通常の金属アレルギーであれば、基本的にインプラント治療を行っても問題ないケースがほとんどです。インプラントで使用する人工歯根は、チタンという金属でできています。チタンは金属であるものの、ほかの金属と比べるとアレルギー反応が起こりにくい物質であるとされています。
そのため、金属アレルギーがあっても症状が出ない場合がほとんどです。チタンは人の体に馴染みやすい物質であり、インプラントだけでなく人工関節にも使用されていることからも、安心感のある金属だということがおわかりいただけるでしょう。
ただし、金属アレルギーのほかにチタンアレルギーというアレルギーも存在する点には注意が必要です。チタンアレルギーの方はチタンに体が反応するため、悪影響をおよぼす可能性があります。
どういった金属にアレルギー反応を起こしやすいのかは、人によって異なります。チタン製であれば問題ないのかを確かめるためにも、一度皮膚科で検査を行ってみるのがおすすめです。
金属アレルギーとは、さまざまな金属に触れることによって発生するアレルギー性の接触皮膚炎のことです。金属が汗などの体液と接触すると、金属の成分がイオン化し、人間の体のタンパク質と結合します。その際に体のなかの白血球が金属イオンは敵だと判断した場合、白血球は攻撃を始めます。
白血球が攻撃を行う状態が金属アレルギーであり、攻撃によって体に炎症などの症状が表れるのです。金属アレルギーが発症すると、金属と接触した直後や数日後に、以下のような症状が表れます。
金属アレルギーの人やアレルギーの疑いがある人がインプラント治療を受ける際は、以下のポイントに注意しましょう。
治療を始める際、あらかじめ医師に金属アレルギーであることを伝えておくようにしましょう。インプラントに使用されているチタンは、金属アレルギーを発症するリスクがほとんどない物質です。とはいえ「絶対に発症しない」といい切ることはできません。したがって、治療の安心感をより高めるためにも歯科医師に伝えるのがおすすめです。
金属アレルギーであると伝えた場合、医師から皮膚科を紹介されたり、パッチテストが追加で実施されたりするケースもあります。パッチテストでは主に、以下のような金属へのアレルギー症状の有無をチェックできます。
上記の金属は歯の治療をする際によく使われる金属であるため、パッチテストを行うことで今後の歯科治療をより安心して受けられるようになるでしょう。
インプラント治療では、失った歯を補うために被せ物を使用します。金属アレルギーの人はアレルギー反応が起こるのを防ぐためにも、反応が起こりにくい素材の被せ物を使用するようにしましょう。
メタルボンドのような素材は反応が起こりやすいとされているため、注意が必要です。アレルギー反応が起こりにくい素材の例としては、以下のようなものが挙げられます。
現在までに金属アレルギーの症状を感じたことがない人でも、インプラント治療によって金属アレルギーを新たに発症してしまうリスクもあります。治療を行った場合、普段では考えられないような長い間、口のなかに金属を置いておくことになるためです。
以下では、インプラント治療で金属アレルギーを発症した際に起こる症状について解説します。
インプラント治療によって金属アレルギーを発症してしまった場合、体に以下のような症状が表れることがあります。
インプラント治療を行ったあとに上記のような症状が見られた場合は、念のため歯科医師に相談してみましょう。症状が表れた場合、まずは歯科医師が監督のもと、しばらく様子見を行います。もしも症状が大きく進行するようであれば、治療を取りやめ、骨に埋入したインプラントを取り除くケースもあります。
金属のなかにも、アレルギー反応を起こしやすい金属と起こしにくい金属が存在します。とくに以下の金属はアレルギー反応を起こしやすいとされているため、アレルギーの方は注意が必要です。
・水銀
水銀は、水銀体温計や水銀電池、蛍光ランプなどに使用されている金属です。人体に悪影響をおよぼすリスクがあるとされていることから、2020年には水銀を使った製品の輸出や製造が規制されました。
・コバルト
コバルトとは、リチウムイオン電池や入れ歯、磁石などに使用されている金属のことです。
・ニッケル
ニッケルとは、お金やお皿、メガネのフレーム部分など、さまざまな場所で使用されている物質のことです。数ある金属のなかでも、金属アレルギーを発症させることがとくに多い金属だといわれています。
金属アレルギーを持っていること自体が、治療費に直接影響を与えることはありません。しかし、アレルギー反応を起こさないために被せ物に工夫を行う場合などは、治療費が高くなるケースがあります。
金属アレルギーを持っていない人の場合、インプラントの被せ物にメタルボンドを使用可能です。しかしメタルボンドは、金属アレルギーが発症しやすい金属だといわれています。
したがってアレルギー反応が心配な方は、メタルボンドではなく、オールセラミックなどの素材を使用するのが安心だといえます。オールセラミックはメタルボンドよりも料金が高くなりやすい傾向にあるため、必然的に治療費が高くなってしまうことにつながるでしょう。
インプラントはアレルギー反応が起こりにくいチタンを使用しているため、金属アレルギーを持っていても治療できるケースがほとんどです。ただし「絶対に問題がない」といい切ることはできないため、アレルギーを持っている方は事前に医師に相談してみることをおすすめします。
山手歯科クリニックは、患者さんへの治療の説明と同意を重要視するクリニックです。安心して治療を受けたい方は、ぜひ一度お越しください。
監修:理事長/齋藤和重
2022/12/16
インプラント治療を受けたあとの黒ずみが気になる方が多いでしょう。歯が黒ずんでしまうと口元の印象を損ねてしまうため、どうにか治療したいと考えている方も少なくありません。
しかし、歯茎の黒ずみはインプラント治療が原因のものと、そうでないものがあります。それぞれ口内の状況によって原因が異なり、対処法や予防法も異なってきます。
そこで今回は「インプラント治療を受けると歯茎が黒くなる?」という疑問を解消していきます。インプラント治療後に歯茎が黒く見える原因と、その治療法についてもあわせて解説するため、インプラント治療を検討している方、黒くなってお悩みの方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療のような金属を使用して歯を補う歯科治療では、歯茎の一部が黒くなってしまうことがあります。歯並びや歯の黄ばみと同様に、歯茎の黒ずみもコンプレックスに感じる方が少なくありません。インプラントが直接関係していることもあれば、その他のことが原因のこともあります。いずれにせよ、セルフケアや歯科医院でのメンテナンスを徹底していれば予防できる可能性が高いため、心配な方は歯科医院へ相談してみましょう。
インプラント治療をすると歯茎が必ず黒くなるわけではありません。歯茎が黒く見えてしまう原因はさまざまで、代表的なものに以下の5つが挙げられます。
では、歯茎が黒く見える5つの原因について、くわしく解説します。気になる項目がある場合は、早めに歯科医院を受診して状態を確認してもらいましょう。
インプラント治療では、金属でできた人工歯根(インプラント体)を骨のなかに埋め込み、その上に歯茎から露出するようにアバットメントを取り付けます。これらは通常、見えることはありませんが歯茎の状態が変化すると歯茎を通して黒っぽく見えることがあるのです。インプラントの金属が歯茎から透けて見えるケースはまれで、その場合は歯茎がかなり弱っている可能性が考えられるでしょう。
メタルタトゥーとは、歯科治療で歯科用する金属が時間の経過とともに溶けだし、歯茎に沈着して黒く変色してしまう現象のことです。一般的にインプラントで溶けだしにくいチタン合金を使用するため溶けだすことはありませんが、人工歯やアバットメントでチタン合金以外を使用することがあります。その場合、インプラント治療を行ったあとに歯茎の黒ずみが見られることがあるでしょう。
インプラント治療を受けたあとは「インプラント周囲炎」にかかりやすくなります。インプラント周囲炎とは、天然歯でいう歯周病と似ていて、歯茎の炎症やインプラントを支えている顎の骨を溶かす疾患です。歯茎の状態が悪くなり、人工歯の土台であるアバットメントが見えることで歯茎が黒っぽく見えてしまうことがあります。歯茎の炎症がひどい場合も、黒ずんで見えることがあるでしょう。
ブラックマージンとは、金属を使用した被せ物などの治療を行ったときに、被せ物などの縁が露出することで生じる黒色のラインを指します。歯茎の変化や被せ物の設計が不適切であることが主な原因です。メタルタトゥーのように歯茎自体が黒くなっているわけではないため、被せ物を替えることで解消されるケースがあります。被せ物の治療をした直後から黒いラインが見える場合は、設計が不適切なケースが多いため治療を受けた医院へ相談するとよいでしょう。
タバコに含まれる有害物質の成分は、歯茎を黒く変色させてしまいます。なかでもニコチンは血管を収縮させるため、歯茎の血流を悪くさせ赤黒くなってしまうのです。喫煙は歯茎の黒ずみだけでなく、インプラント治療を受ける上では弊害を起こしやすくなります。インプラント治療を検討しているのであれば、早めに喫煙しておくことをおすすめします。家族の協力を得たり禁煙外来を受診したりすることで、スムーズに禁煙できる可能性が高まるでしょう。
インプラント治療後の歯茎の黒ずみを防ぐには、日ごろのセルフケアをしっかりと行い、定期的にメンテナンスを受けて「インプラント周囲炎」を発症させないことを意識することが大切です。インプラント周りの歯茎が弱ってしまうと、隙間ができたり黒ずんで見えたりする可能性が高くなってしまいます。
ここでは、インプラント治療後に歯茎が黒ずんでしまう原因として挙げられる、インプラント周囲炎についてくわしく解説します。
インプラント周囲炎とは、名前のとおりインプラントを埋入した周辺組織で炎症が起こる疾患のことです。細菌に感染することが原因で、天然歯に比べて抵抗力の少ないインプラントは炎症を起こすと骨吸収が急速に進んでしまいます。
インプラント周辺が適切に清掃されていないことで細菌が増殖し、歯茎の炎症を引き起こします。初期段階では自覚症状も少ないため、気づいたときには手遅れであるケースも少なくありません。インプラント埋入部位が奥歯であれば自分で歯茎の状態を確認することが難しいケースもあるため、定期的に歯科医院で確認してもらうことが大切です。
インプラント周囲炎は一度細菌感染を起こすと治療が長期化することがあります、発症させないためには、以下のような予防法を意識しましょう。
インプラント周囲炎の基本的な予防方法は、自宅での丁寧なケアです。ブラッシングだけでなくデンタルフロスやデンタルリンスなども併用し、口内を清潔な状態に保つよう心がけましょう。また、自宅では落としきれない汚れや磨きにくい部分などは、歯科医院で除去してもらう必要があります。歯科医院の定期健診では汚れの除去だけでなく、噛み合わせや骨の状態の確認も行います。
さらに、喫煙などの生活習慣を改善することもインプラント周囲炎の予防につながります。長年の喫煙習慣ですぐに禁煙することが難しい方は、禁煙外来を受診することも検討しましょう。
インプラント治療後に歯茎が黒ずんでしまう原因について解説しました。インプラント治療を受けたあとに歯茎の状態が大きく変わると、黒ずんで見えやすくなってしまうため日ごろのケアがとても大切です。インプラント治療後の見た目が気になる方は、定期的に歯科医院でメンテナンスに通い、一人ひとりに適した正しいケアを受けるようにしましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/12/16
虫歯や歯周病で奥歯が抜けてしまい、そのままにしている方も多いのではないでしょうか。食べ物が噛みにくいなどの不便を感じながらも、治療を後回しにしている方もいるでしょう。
しかし、口内は1本1本の歯によるバランスのなかで成り立っているため、たとえ奥歯1本でも欠けたまま放っておくことはおすすめできません。
そこで今回は、奥歯が抜けたまま放置することの危険性について解説します。歯が抜けてしまった場合の治療法もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
奥歯に限らず歯が抜けたまま放置してしまうと、口内にさまざまな悪影響が及んでしまいます。「1本だけならしばらく放っておいても大丈夫なのでは……?」と感じてしまうこともありますが、1本でも欠けてしまうと全体のバランスが崩れてしまうため早めに治療を受けることが大切です。
さらに、放置した期間が長いほどお口に与える影響は大きく、顎の関節や体全体の不調を招いてしまう可能性が高くなります。「1本だけだし……」と軽く考えてしまうことは大変危険です。
奥歯は見えにくく周囲の人から気づかれにくいことから、治療を急ぐ必要はないと考える方が少なくありません。しかし、抜けたまま放っておくとさまざまな悪影響をおよぼし、治療する頃にはすでに手遅れである可能性も考えられます。
ここでは、奥歯を抜けたまま放置するリスクについて解説します。
歯がそれぞれの位置にきちんと留まり機能しているのは、上下の歯がきちんと存在し噛み合っているからです。そんななかで歯を抜けたままにしておくと、本来の位置に留まることができず空いたスペースへ挺出(ていしゅつ)してくるようになります。
歯を抜けたまま放っておくと、隣の歯が空いたスペースに倒れ込んできて歯並びの乱れを引き起こします。空いてしまったスペースが大きく空いている期間が長いほど、周囲の歯が大きく傾斜しブリッジや入れ歯など治療が困難になるケースもあるでしょう。
空いたスペースに歯が挺出したり傾いたりしてくると、噛み合わせにも影響が出てしまいます。一度悪くなってしまった噛み合わせは自然と元に戻ることはないため、矯正治療や咬合治療が必要になる可能性が高くなります。大がかりな治療になれば、通院も大変になるので早めに受診するようにしましょう。
歯が抜けたあとに適切な治療を受けないと、奥歯から噛み合わせや歯並びの崩壊が始まります。残っている歯にも徐々に影響が出はじめ、歯本来の役割を果たせなくなるため早めに治療を受けることが大切です。一度機能を失ってしまった歯が自然に元に戻ることはないため、健康な歯を守るためにも奥歯が抜けたまま放っておくことはおすすめできません。
歯が抜けた状態で長く放っておくと、歯を支えていた骨が衰退するため歯茎も同時に下がってきます。顎の骨が衰退してしまうと、インプラント治療が難しくなるほか希望する治療が受けられないこともあるでしょう。歯茎が下がると隣の歯の根っこが見えやすくなり、知覚過敏になるなどの弊害が発生することも考えられます。
奥歯が抜けた場合は、なるべく早めに歯科医院へ相談して適切な治療を受けることが大切です。治療を開始するタイミングが遅れてしまうと、適切な治療を受けられないばかりか、治療が大がかりになってしまうことも少なくありません。
ここでは、奥歯が抜けた場合に行われる代表的な治療法を解説します。それぞれの治療にはメリット・デメリットがあるため、歯科医師とよく相談してから決めるとよいでしょう。
プラスチック製の取り外しができる人工歯を装着して歯を補う治療法です。
メリット | ・保険適用できるため治療費を抑えられる
・周囲の健康な歯を削る量が少ない ・取り外しできるため清潔な状態を保ちやすい |
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デメリット | ・入れ歯が大きくなると違和感を覚えやすい
・部位によって金属の金具が目立つ ・支えにする周囲の歯の寿命が短くなる |
治療期間 | 1~2ヶ月 |
費用 | 5,000~2万円ほど |
入れ歯はいつでも取り外しが可能なため、清潔な状態を保ちやすいメリットがあります。また、痛みなどのトラブルが発生したときも、一時的に自分で取り外しておくなどの対応ができるため安心です。保険適用・適用外と選択できることから、自分に合った方法で作製できる点もメリットといえるでしょう。しかし、入れ歯が大きくなると違和感を覚えやすくなり、入れ歯を支える周囲の歯に影響が出てしまうデメリットがあります。
顎の骨のなかに人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着して歯を補う治療法です。
メリット | ・自分の歯のようにしっかり噛める
・周囲の歯を支えにしない独立した治療が可能 ・天然歯とよく馴染み口元の印象に違和感を与えない |
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デメリット | ・外科的手術が必要なため肉体的な負担が大きい
・口内や全身の健康状態によって手術を受けられない ・保険適用外のため費用が高い |
治療期間 | 数ヶ月~1年弱 |
費用 | 30~60万円ほど |
顎の骨のなかに人工歯根を埋め込んで被せ物を作製するため、周囲の歯を守りながら失った部分だけを補える治療法です。被せ物にはセラミックなどの審美性の高い素材を使用するため、口元の印象を損ねることはないでしょう。しかし、歯茎を切開して顎の骨に人工物を埋め込む外科手術が必要なことや、治療期間が長くなることから、患者さんの負担が大きいというデメリットがあります。
橋渡しのような形の被せ物を装着して歯を補う治療法です。
メリット | ・インプラントと同じく自分の歯のように食事を楽しめる
・保険適用できるため治療費を抑えられる ・固定式のため自分で取り外しをする手間がない |
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デメリット | ・両隣の歯を削って被せ物を作製する必要がある
・支えにする歯の虫歯や歯周病リスクを高めてしまう ・部位や素材によって見た目の美しさが損なわれる |
治療期間 | 2週間~1ヶ月 |
費用 | 1~2万円ほど |
固定式の被せ物を装着するため自分の歯のようにしっかりと噛め、毎日取り外して清掃する手間がかかりません。保険適用外の素材を選ぶと審美性が向上するため、口元の印象を損なうこともないでしょう。しかし、両隣の歯を大きく削って被せ物を作製するため、歯の寿命が短くなってしまうデメリットがあります。
奥歯が抜けたまま放っておくリスクと、治療法について解説しました。放っておいた期間が長いほど治療が困難になるケースが多いため、すぐに治療をはじめられない場合は歯科医院で応急処置だけでもしておくと安心です。また、近頃はさまざまな治療方法があるため、まずは歯科医院を受診して最適な治療方法や費用などの相談をしておきましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重