2022/05/19
インプラント治療を受けるからには、できる限り寿命を長持ちさせたいと考える方が多いのではないでしょうか。決して安くはない費用を支払うわけですから、数年でダメになるような治療は受けたくないですよね。
インプラントを検討している多くの方は「インプラントの寿命の平均は?」「長持ちさせるために避けることは?」などの点が気になるでしょう。
今回は、インプラント治療の寿命や、長持ちさせる方法を紹介します。インプラント治療を検討している方、すでにインプラントを受けた方もぜひ参考にしてください。
インプラントは、一度埋入したらずっと使えると思っている方が多く、なかには寿命があることに驚く方もいるでしょう。インプラント治療の寿命は、一般的に10年以上だといわれています。定期的なメンテナンスをしっかりとおこない、自宅でブラッシングやデンタルフロスを用いたケアを欠かさずおこなっていると、10年以上機能を保てるでしょう。
しかし、歯科医院でのメンテナンスや日々のケアをおろそかにしていると、残念ながら10年どころか数年で使えなくなってしまうこともあります。丁寧に扱うことで、10年以上機能を保てます。
一般的に、入れ歯の寿命は健康保険が適用される材料で作成した場合、3~5年ほどといわれています。自由診療で作成する入れ歯は、強度が強い材料を使用できるので5年以上は機能を保てるようです。
健康保険が適用される入れ歯は、プラスチック製のため着色や変形などの劣化がしやすい材料で作成されています。そのため、適切な管理をおこなっていないと数ヶ月で割れてしまったり、変形してしまったりするケースもあるでしょう。
一方のブリッジの寿命は、6~8年ほどといわれています。ブリッジも入れ歯と同様に、自由診療で作成する場合は、適合の良し悪しや材料の違いから、10年以上は機能を保つといわれています。
ただし、ブリッジは噛む力や口のなかの清掃状態によって寿命が変化する治療です。質の高い治療を受けても、支台になっている歯が虫歯になってしまうと、やり直す必要があります。
インプラント治療を受ける方のほとんどが、少しでも長く機能を保ちたいと考えているのではないでしょうか。インプラントの寿命を延ばすためには、以下のような5つのことを実践してみましょう。
では、それぞれ見ていきましょう。
インプラントの寿命を少しでも延ばすため、治療を受ける前にできる対策として、信頼できる医師を選ぶことが挙げられます。
インプラントは、埋入する位置や深さが数ミリずれるだけで失敗してしまい、深い知識と高度な技術が求められる歯科治療です。手術を受ける前に、執刀する医師には十分な実績があるか、難症例にも対応しているかなどを確認するようにしましょう。
また、メリットばかりを説明し、インプラントを無理に勧める医師には要注意です。メリット・デメリットやリスクも説明し、なんでも気軽に相談できるような医師を選ぶとよいといえます。
口内を清潔に保つことも、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。磨き残しが多かったり歯石がついたりしたまま放置してしまうと、インプラントの寿命を縮める最大の要因である「インプラント歯周炎」を引き起こしてしまいます。
インプラント歯周炎は、人工歯根の周りの組織が細菌に感染して炎症を起こし、骨を溶かしてしまう病気です。インプラントは、天然歯より細菌と戦う力が非常に弱いため、炎症が起きやすかったり、歯を支える歯槽骨が減ってしまう「骨吸収」が起こったりするスピードが速いのが特徴といえます。
自宅では、通常の歯磨きに加えてデンタルフロスや歯間ブラシを使用してのケアが大切です。使い方がよくわからない場合は、医院で相談して指導を受けるようにしましょう。
自宅でのケアと並行して、歯科医院での定期的なメンテナンスも受ける必要があります。インプラントの機能を保つためには、きちんと機能しているか、噛み合わせに問題はないか、細菌感染を起こしていないかなど、医師の確認を受けることが大切です。
定期的にメンテナンスをおこなっていれば、トラブルにも対処しやすく、未然に防げることもあるでしょう。また、引っ越しなどで手術を受けた医院へ通えなくなった場合にも、通える範囲にある医院でメンテナンスを受けるようにしましょう。どこがよいかわからない場合は、医師に紹介してもらう方法もあります。
寝ている間や無意識の間にしてしまう歯ぎしりや食いしばりも、インプラントへ悪影響を及ぼしてしまいます。歯ぎしりや食いしばりは、食事の際に噛む力よりもはるかに強い力で噛み込んでいることが特徴です。
無意識の間に強い力をかけ続けてしまうと、インプラントに強い負荷をかけてしまいます。人工歯が割れたり欠けてしまったりする可能性もあります。
周りの人や医師から、食いしばり・歯ぎしりの指摘があった場合は、ナイトガードを装着するなどの対策を講じることが大切です。また、事前に噛み合わせなどを改善できる場合は、歯列矯正をおこなう方法もあります。医師とよく相談の上、最適な方法での対策が重要です。
喫煙が口内に及ぼす悪影響は、黄ばみなど見た目の問題だけではありません。喫煙によって血流が悪くなると、インプラントと骨の結合に影響を与えてしまい、治療がうまく進まなかったり、脱落したりするトラブルが発生する可能性があります。
喫煙者はインプラント治療ができないというわけではありませんが、トラブルが起きてしまうリスクが高まるので、喫煙回数を減らすことをおすすめします。具体的な本数などは、インプラント手術を執刀する医師に確認し、指示を守るとよいでしょう。
インプラントに寿命が来て、脱落したりグラグラしたりしてきた場合は、再手術を受ける必要があります。二度目のインプラント治療を望まない場合は、入れ歯やブリッジなどの治療で歯を補うことも可能です。
ただし、インプラントの上部構造部分である人工歯が取れた場合は、再装着や人工歯のみ再製して対応できるケースもあります。念のため、取れてしまった人工歯は捨てずに保管しておくと、後々使えるかもしれません。
また、医院が定める保証期間内に寿命が来てしまった場合、医院の規定に沿った補償を受けられることがあります。補償内容・期間が記載されている保証書はきちんと保管しておくようにしましょう。
インプラントの寿命や長持ちさせる方法について解説しました。ちょっとした習慣の改善で、インプラントの寿命が数年伸びることもあります。すでにインプラントを受けた方は少しずつ改善を、これから受ける方は今後の参考にしてみてください。
山手歯科クリニックでは、国際インプラント学会の指導医である医師がインプラント治療をおこなっています。インプラントに関するお悩み、インプラント治療を検討している方は、ぜひ無料カウンセリングをご利用くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重