2022/08/01
インプラント治療は、失った歯を補うための歯科治療として、入れ歯やブリッジなどと比較して自然な仕上がりになることから人気の高い治療法です。自分で着脱する必要がないため、手間がかからない点も人気の理由のひとつでしょう。
しかし、インプラント治療は入れたら終わりの治療ではなく、長く使い続けるためには医師と協力してメンテナンスを行う必要があります。
今回は、インプラントのメンテナンスについて解説します。歯科医院で行うメンテナンスと、自宅で行うケアについてくわしく解説するので、インプラントを検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療を受ける方のなかには、治療が完了すれば通院の必要はないと考えているケースが少なくありません。しかし、インプラントも天然歯と同様に、良好な状態を保つためには定期的なメンテナンスが必要不可欠です。メンテナンスを怠るとインプラントが脱落してしまうケースもあるので、しっかり行いましょう。
また、インプラント治療は、一般的に10年以上の寿命があるといわれていますが、適切なメンテナンスを行うことによって、さらに長持ちさせることも可能です。
インプラントを長く使い続けるためには、医師の指示を守りながら自宅でケアを行い、数ヶ月に一度は歯科医院で状態を確認してもらうことが大切です。
インプラント治療を受けたあと、順調に機能していたとしても、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。自分では判断できない歯茎や骨の状態、磨き残しがある部分などをチェックすることで、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。
歯科医院で行われるインプラントのメンテナンスでは、以下のような項目を中心に行います。
では、メンテナンスの内容について、それぞれくわしく解説していきます。
インプラントを長持ちさせるためには、インプラントを埋入した部分だけでなく、お口全体の状態が良好であることが重要です。残っている歯に虫歯や歯周病があると、インプラントを支えている骨に悪影響をおよぼしてしまう可能性があります。
また、口内全体を清潔な状態に保てるよう、他の噛み合わせの高さに問題はないか、詰め物が劣化していないかなどの確認も行います。
インプラント治療は、人工歯根を顎の骨のなかに埋め込む治療です。そのため、骨の状態や結合に問題がないか確認する必要があります。また、残っている歯もできるだけ長く残すために、歯根の状態を確認することもあります。こうした部分は、肉眼では確認できないため、レントゲンによって検査をしていきます。必要に応じてCT撮影もあるでしょう。
日ごろから丁寧なケアを心がけていても、歯科医院で用いるような専用の器具や薬剤なしでは落としきれない汚れがあります。歯の表面についたバイオフィルムには1兆を超える細菌が付着しており、虫歯や歯周病の原因となります。
付着している部分や磨き残しのある箇所は、歯科医院で取り除くようにしましょう。とくに汚れがたまっている箇所は、日ごろから意識して磨くことが大切です。
どうしても歯ブラシが届きにくい箇所には磨き残しがでてしまいます。汚れが蓄積されて歯石がついてしまうこともあるので、定期的に歯科医院でしっかり除去することが大切です。
歯石は放置してしまうと、歯を支えている顎の骨を溶かしてしまうため、インプラントが脱落してしまう可能性もあります。歯石を作らないようにするのがベストですが、自宅で完璧にケアするのは難しいので、医院へ任せるようにしましょう。
歯科医院での定期的なメンテナンスだけではなく、日ごろから丁寧なブラッシングを心がける必要があります。歯磨きの方法には、一人ひとりのクセがでてしまうため、正しい持ち方や磨き方の指導を受けて、磨き残しの少ない口内環境を保てるようにしましょう。
また、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、デンタルリンスなどの使い方の指導もあります。
歯科医院で医師と連携を取りながらメンテナンスを受けるのも大切ですが、自宅で行うセルフケアを怠っていると、せっかくのメンテナンスも意味のないものになってしまいます。清潔な口内環境を維持するためには、セルフケアを生活習慣のなかに取り入れることが大切です。
自宅で行うインプラントのメンテナンスは、以下のポイントを意識しましょう。
では、それぞれくわしく解説します。難しい内容ではないので、積極的に取り入れていきましょう。
自宅で行うメンテナンスとして、基本となるのは毎日の丁寧なブラッシングです。インプラントの人工歯を傷付けないように柔らかいタイプの歯ブラシを使用し、歯を1本1本丁寧に磨くことを意識します。
歯ブラシをグーの手で持ってしまうと一気にゴシゴシと磨きたくなるので、えんぴつ持ちで小刻みに磨くようにしましょう。磨きにくい奥歯には、タフトブラシを併用すると磨き残しが少なくなります。
歯磨きだけでは落としきれない歯の隙間には、デンタルフロスを活用しましょう。歯間ブラシを使うほど歯に隙間がない方は、デンタルフロスを使用します。
デンタルフロスには、指巻きタイプと取っ手付きタイプがあり、これまでデンタルフロスを使う習慣がなかった人は、取って付きタイプから使用してみるとよいでしょう。歯磨きとセットで行う習慣を付けると、より清潔な口内を保てるようになります。
デンタルリンスとは、マウスウォッシュのような液体歯磨きのことをいいます。マウスウォッシュは口をゆすいで吐き出す洗口液ですが、デンタルリンスは口をゆすいだあとに、軽いブラッシングが必要なため、使い方や目的が少し異なります。
毎日の歯磨きを終え、デンタルリンスで仕上げ磨きを行うことで、有効成分が歯茎の隙間に入り、歯周病を防ぐ効果が期待できるでしょう。
インプラントのメンテナンスについて解説しました。歯科医院で行うメンテナンスと、自宅で行うセルフケアも紹介しましたが、どちらか一方が欠けてしまうと、インプラント周辺に歯石や磨き残しがたまって、細菌感染を引き起こしてしまう可能性が高まります。きちんと機能するインプラントを長く保つためにも、しっかりメンテナンスを続けるようにしましょう。
山手歯科クリニックでは、25年以上の実績と最新の技術で、安全かつ最善のインプラント治療を提供しています。インプラントだけでなく、虫歯や歯周病の治療も行う「総合クリニック」として、患者さまの口内の健康をサポートしているため、インプラント治療を検討している方、メンテナンスについてお悩みがある方は、お気軽に山手歯科クリニックへご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重