2022/09/05
インプラント治療は一度で終わる治療ではありません。複数回に渡る処置が必要なため、治療期間も数ヶ月~1年ほどかかる大きな歯科治療です。
そんなインプラント治療の流れや治療期間、費用が気になる方が多いのではないでしょうか。よくわからないまま治療を受けてしまうと、のちにトラブルに発展してしまう可能性もあります。
そこで今回は、インプラント治療の流れ、それぞれの手順でかかる費用や期間についてくわしく解説します。インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療は一度で終わる治療ではないため、スケジュールをよく把握した上で治療に臨む必要があります。大事な予定などがある場合は、医師とよく相談しながらタイミングを決定するようにしましょう。
インプラント治療の流れは、以下のとおりです。
では、それぞれの項目をくわしく解説します。症例や口腔内の状況によって必要な処置が変わってくるため、最終的な確認は治療を受ける医院でするようにしましょう。
インプラント治療を開始するにあたり、口腔内の状態を確認するため精密検査を行います。検査は石こう模型採取やCT撮影、口腔内写真、歯周基本検査などが主な内容です。
検査結果をもとに一人ひとりに合ったプランを作成し、手術内容や治療期間、費用に関するくわしい説明を受けます。インプラント治療に関する疑問や不安は、治療開始前に必ず解消しておくようにしましょう。
さまざまなメーカーのなかから選択した、適切なインプラントを埋入するための一次手術を行います。手術は埋入本数や骨の状態によって異なりますが、1本だいたい1時間前後で終了します。また、手術中は局所麻酔を行うため、痛みはほとんどありません。心配な方は笑気麻酔や静脈麻酔を併用すると安心でしょう。
一次手術ではインプラント体を埋入し、切開した歯茎を縫合します。個人差がありますが、インプラント体と骨がしっかりと結合するまで2~6ヶ月ほど待機します。
インプラント体と骨の結合が確認されたら、人工歯の土台となるアバットメントを取り付ける二次手術を行います。だいたい30分前後で終了します。一次手術と同じく局所麻酔が効いている状態で行われるため、痛みはほとんどありません。一時手術のように笑気麻酔などは必要ないでしょう。
二次手術はアバットメントを歯茎から露出させた状態で終了します。歯茎が落ち着いてきたころに、セラミックなどで作成した人工歯を取り付けて、インプラント治療は完了です。
インプラント治療は、治療後の正しいホームケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスを行うことで長期的に良好な状態で機能します。セルフケアやメンテナンスを怠ってしまうと、骨を溶かしてしまうインプラント歯周炎に感染することがあり、インプラントの寿命を縮めてしまいます。
きちんと機能する状態で長く使い続けるためには、自宅での丁寧なブラッシングを行い、歯科医院で3~6ヶ月に一度のペースでプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。
インプラント治療には、1回法と2回法の2種類があります。上記で紹介したインプラント治療の流れは2回法で、ほとんどの症例に適用できるインプラント治療法です。
ここでは、インプラント手術の1回法と2回法の違いについて解説します。
2回法のインプラント手術は、ほとんどの症例に適応できる方法です。インプラント体(人工歯根)とアバットメントが分離しているタイプを使用します。歯茎を切開して骨のなかにインプラント体を埋入し、切開した歯茎を一度縫合して骨とインプラント体がしっかり結合するのを待ちます。
結合が確認できたら、再び歯茎を切開して人工歯の土台となるアバットメントを取り付ける手術を行います。このように、2回に分けてインプラント手術を行うのが2回法です。
歯茎を閉じてしっかりと治癒期間を設けるため、インプラントの脱落リスクが低いことが大きなメリットでしょう。ただし、2回に分けて歯茎を切開する手術を行うため負担が大きく、治療期間が長くなることが注意点として挙げられます。
1回法のインプラント手術は、文字通り1回の手術で完了する治療法です。インプラントの埋入時に、高さのあるヒーリングキャップを取り付けるため、アバットメントを取り付けるための二次手術を受ける必要がありません。
一度の手術で済むため負担が少なく、1回法に比べて治療期間も短いことがメリットです。ただし、インプラント体を埋め込む骨が十分にあることが条件となり、誰でも受けられる治療ではないことが注意点として挙げられます。
インプラント治療にかかる期間は、骨の状態や治療方法によって異なりますが、数ヶ月~1年ほどです。インプラント体と骨の結合に2~6ヶ月ほど期間があり、そのあとは歯茎の状態を観察しながら人工歯を作成します。口腔内が良好であればだいたい1ヶ月程度で歯茎の状態が落ち着く方もいますが、症例によっては数ヶ月ほど時間がかかることもあるでしょう。
なお、インプラント自体の寿命は10年ほどといわれています。丁寧なホームケアと歯科医院でのプロフェッショナルケアをきちんと受けていれば、さらに長持ちすることもあるでしょう。大きな治療費と長い期間をかけて受ける治療のため、できるだけ長持ちするように日ごろから意識することが大切です。
インプラント治療にかかる費用は、30~60万ほどです。インプラント手術の準備や検査に3万円ほど、インプラント手術に25万円ほどかかります。人工歯は使用する素材によって15~25万円ほどと、費用に大きな差がでるでしょう。
また、骨の厚みや量が十分ではない場合は、増骨手術を行う必要があります。その場合は、治療法によって異なりますが5~50万円ほどの追加費用があるため、治療の前に費用の内訳などをしっかり確認しておくようにしましょう。
インプラント治療について解説しました。インプラント治療は、失った歯を補うための歯科治療として、機能的にも審美的にも大変優れています。しかし、劣悪な環境で治療を行ったり、経験の浅い医師のもとで治療を受けたりすると、失敗や感染症を起こしてしまうリスクがともないます。治療を受ける際は自分に合った方法を選択し、実績の豊富な医師へ任せるようにしましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行ったあと、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重