インプラントは虫歯になる?虫歯以外のよくあるトラブルや予防法を解説します

歯科コラム

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インプラントは虫歯になる?虫歯以外のよくあるトラブルや予防法を解説します

インプラント 虫歯

 

インプラントをこれから埋め込む人・埋め込んだ人のなかには「インプラントも虫歯になるのか」と疑問や不安を抱いている方も多いでしょう。

 

当記事では、インプラントは虫歯になるのか否かについて解説します。加えて、インプラントの寿命、インプラントに起こる可能性のあるトラブル、トラブルの予防法などについても解説します。

 

インプラントの虫歯が不安な方、インプラントに起こりうるトラブルを回避したい方はぜひお読みください。

 

インプラントは虫歯になる?

インプラントは虫歯になる?

 

結論からいうと、インプラントが虫歯になることはありません。インプラントはもともと体の一部だったものではなく、人工的に作られた素材であるためです。

 

そもそも虫歯とは?

 

そもそも虫歯とは、口のなかでできた酸が歯のエナメル質を溶かす病気のことです。人工物であるインプラントにエナメル質はないので、虫歯菌が生み出した酸で溶けることはありません。よって、虫歯になることはないといえます。

 

虫歯以外のインプラントのトラブル

インプラントのトラブル

 

虫歯になることはないインプラントですが、絶対に安全というわけではありません。メンテナンスを怠ることで、以下のようなトラブルが生じる可能性があります。

 

  1. ①インプラント周囲炎
  2. ②インプラントの脱落
  3. ③周囲の歯の虫歯
  4. ④術後の腫れ・出血

 

 

①インプラント周囲炎

 

1つ目に考えられるトラブルは、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎とは、インプラント自体や付近が歯周病になることで発症する病気のことを指します。インプラントの歯は人工的に作られたものですが、周りの歯茎は人工物ではなく自分の体の一部です。したがって歯茎に細菌が入り込むと、天然の歯を持つ人と同様に炎症が発生する可能性があります。

 

インプラント周囲炎の主な原因は、喫煙と口内の不衛生さです。できる限りタバコを控えつつ、治療後の口内のケアをしっかりと行うことで、インプラント周囲炎を予防できる可能性があります。

 

②インプラントの脱落

 

続いて起こりうるトラブルは、インプラントの脱落です。人工歯根と人工歯がきちんと連結されていなかったり、人工歯根が骨と完全に結合していない状態で人工歯を装着したりすると、治療後にインプラントが落ちることがあります。また、インプラント周囲炎になったことで脱落するケースもあります。

 

不適切な治療によってインプラントが脱落するのを防ぐためには、信頼できる医院を選ぶことが重要です。口コミや公式サイトの情報を確認しつつ、治療を行う医院は慎重に検討しましょう。

 

③周囲の歯の虫歯

 

続いて起こりうるトラブルは、周囲の歯の虫歯です。インプラントは虫歯になりませんが、インプラントの近くにある自然歯は、通常の歯と同様に虫歯になるため注意が必要です。「インプラントは虫歯にならないから」と油断せず、しっかりとケアを行うようにしましょう。

 

なお当トラブルが起こりうるのは、抜け落ちた一部の歯のみをインプラントにした患者さんです。歯すべてをインプラントにした患者さんは、前述のとおり虫歯になることはありません。

 

④術後の腫れ・出血

 

続いて起こりうるトラブルは、術後の腫れ・出血です。インプラントの埋め込み手術では、歯茎の切開を行います。したがって、切開を行ったことによる腫れ・出血が生じるケースもあるでしょう。

 

問題がなければ、手術から日が経つにつれて少しずつ腫れや出血はおさまっていきます。もしも腫れや出血が長く続いていたり、ますます悪化していったりするという場合には、歯周病になっているケースも考えられます。様子がおかしいと感じた場合は注意するようにしましょう。

 

インプラントの寿命は?

インプラントの寿命

 

インプラントの寿命は、平均で10年以上だといわれています。なお、具体的な寿命については個人差があります。10年が経たないうちに寿命が来てしまうケースもあれば、20年を超える長い間同じインプラントを使い続けられるケースもあるでしょう。

 

治療に問題があった場合は別ですが、基本的にはメンテナンスの徹底度によってインプラントの寿命が決まるといっても過言ではありません。インプラントの寿命を延ばしたい方は、日々のメンテナンスをしっかりと行いましょう。

 

インプラントのトラブルに
合わないための予防法

 

インプラントの周辺に起こるトラブルを防ぎ、いつまでも健康な口内をキープするためには、日ごろからしっかりと予防をしておく必要があります。トラブルを避けるために有効な予防法は、主に以下の3つです。

 

  1. ①日々のメンテナンスを徹底する
  2. ②手術前の歯の状態を確認する
  3. ③歯科医院で定期的なメンテナンスを行う

 

 

①日々のメンテナンスを徹底する

 

1つ目の予防法は、日々のメンテナンスの徹底です。インプラントのメンテナンスといっても、難しいものではありません。天然の歯と同様に「毎日丁寧にブラッシングを行う」といった基本的なことをしっかりと行うようにしましょう。

 

歯の清掃を行う際は、歯ブラシでのブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するのもおすすめです。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシでは届きにくい部分までしっかりとアプローチできるため、隠れたプラークをかき出しやすくなるでしょう。

 

事実、歯ブラシだけでは口内のプラークのおよそ6割しか落とせないとされています。対して歯ブラシと一緒にデンタルフロスや歯間ブラシを使用すると、およそ8割のプラークを落とせるといわれています。

 

口内のプラークをできる限り除去することで、さまざまなお口の病気やトラブルを防ぎやすくなるでしょう。基本的なメンテナンスを、徹底して行うように意識してください。

 

②手術前の歯の状態を確認する

 

続いての予防法は、手術前の歯の状態の確認です。虫歯や歯周病を残したままインプラントを埋入すると、手術後に病気が進行したり、インプラントが抜けたりするケースがあります。よってもし手術前に虫歯などがあった場合は、完治させてから手術を行う必要があります。

 

③歯科医院で定期的なメンテナンスを行う

 

続いての予防法は、歯科医院で定期的なメンテナンスを行うことです。自分自身で行える基本的なメンテナンスに加えて、歯科医院でも定期的なメンテナンスを受けましょう。

 

歯科医院のメンテナンスでは、歯科医師が目で見て検診を行ったり、クリーニングを行ったりします。加えて、目で見てチェックできない顎の骨などの様子を確認する場合には、レントゲンを撮るケースもあるでしょう。

 

取り外しが可能なインプラントを装着している場合は、数ヶ月〜1年に1度のペースで、ボルトに蓄積したプラークを除去します。

 

患者さん自身では行うのは難しい複雑なメンテナンスも、歯科医院であれば行うことが可能です。歯科医院の本格的なメンテナンスを受けることで、隠れたトラブルや病気を見つけ出しやすくなります。

 

「とくに問題は起きていなさそうだから大丈夫」「家でしっかり歯を磨いているから大丈夫」と過信せず、必ず歯科医院で定期的なメンテナンスを受けるようにしましょう。

 

まとめ

 

インプラント自体は虫歯になりませんが、だからといって何もしなくてもよいわけではありません。メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎やインプラントの脱落など、さまざまなトラブルに見舞われる可能性が高まります。

 

トラブルを防ぐためにも、自宅や歯科医院でのメンテナンスを徹底しましょう。

 

山手歯科クリニックは、「患者さんへの説明と同意」を意味する「インフォームド・コンセント」を大切にしている総合歯科医院です。数ある治療それぞれのメリットやデメリットを丁寧にご説明し、同意を頂いてから治療をスタートしています。安心して治療を受けたい方は、ぜひ当院へお越しください。

 

監修:理事長/齋藤和重