2022/12/16
突然歯が抜けてしまうと、どうしたらよいのかわからず焦ってしまう方が多いのではないでしょうか。スポーツや事故などで怪我をして歯を失ってしまう可能性も十分に考えられます。
しかし、歯が抜けてしまっても慌てずに応急処置をして、専門家の指導のもと治療を進めていくと元に戻せることがあります。手遅れになってしまう前に、医療機関を受診することがとても大切です。
そこで今回は、大人の歯が抜けてしまった場合の応急処置について解説します。そもそも歯が抜けてしまう原因や、抜けた場合の治療法についてもあわせて解説するので、歯が抜けてお困りの方はぜひ参考にしてください。
大人になってから歯が抜ける原因はさまざまですが、抜けてしまった場合はその場の応急処置法によって今後の治療方法が異なります。
ここでは、大人の歯が抜けた場合の応急処置について解説します。抜けてしまっても慌てず、落ち着いて処置するよう心がけましょう。
歯が抜けた箇所から出血している場合は、清潔なガーゼを丸めて噛んで圧迫止血するようにしましょう。多くの場合は数分程度で止血できます。すぐに清潔なガーゼが用意できない場合は、ティッシュペーパーやハンカチなどで代用しても問題ありません。あまりにも大量に出血するようであれば、医療機関へ連絡して早めに受診すると安心です。
抜けてしまった歯の状態によっては、歯を補修する際に使用できる可能性があります。抜けた歯が地面や床に落ちてしまった場合は、歯の根っこ部分はできるだけ触れないようにして流水で汚れを落とします。汚れが落ちたら、すぐに生理食塩水や冷たい牛乳に浸して保存し、早めに歯科医院へ相談しましょう。抜けてしまった歯は乾燥に弱いため、30分以内を目安に素早く保存することが大切です。
事故や不注意などで歯が抜けてしまった場合は、その場ですぐに応急処置をしたあと、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。状態によっては、抜けてしまった歯を戻せることもあります。受診が遅れるほど状態は悪くなり、治療期間や費用がかさんでしまう可能性があるため、早めに受診するよう心がけましょう。
大人の歯を失ってしまうと、二度と歯が生えてくることはありません。事故など予期せぬ事態に巻き込まれ失ってしまうのは避けられませんが、健康な歯を長く保つためには口内の衛生状態が大きく関わります。
ここでは、大人の歯が抜けてしまう3つの原因について解説します。
歯周病は磨き残しによる歯垢の付着により、歯茎や歯を支えている骨に悪影響を与える疾患です。成人ではほぼすべての方に何らかの兆候が見られ、初期段階では自覚症状がありません。歯垢や歯石に含まれている細菌が歯と歯茎の隙間へ侵入することにより、歯茎の腫れや骨を溶かし最終的には歯が脱落してしまいます。
虫歯菌が生産する酸によって歯が溶かされていく疾患です。歯周病に次いで、歯を失う原因に挙げられます。進行の過程で痛みや染みを覚えることがあり、比較的早い段階で虫歯を自覚できることが多いでしょう。虫歯で歯が抜け落ちることはまれですが、進行すると歯の根っこしか残らなくなり、抜歯するしか治療法がないケースが少なくありません。
何かの拍子で転んだ・ぶつかった・事故にあうなどすると、歯がグラグラと揺れるようになったり抜け落ちたりしてしまうことがあります。歯の外傷は誰しもが経験する可能性があるにもかかわらず、予防する方法がありません。外傷で歯が抜けてしまった場合は、できるだけ早めに受診して状態を確認してもらうことが非常に重要です。
抜けてしまった歯の状態によって元に戻せることもありますが、そうでない場合は人工歯で失った歯を補う必要があります。歯が抜けたまま放っておくと、周囲の歯に悪影響をおよぼすこともあるため、できるだけ早めに歯科医院を受診して相談するようにしましょう。
ここでは、大人の歯が抜けてしまった場合の治療法について解説します。それぞれの症例に最適な治療法は、医師とよく相談して決定しましょう。
インプラントは、歯が失われた部分に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上にセラミックなどで作製した人工歯を装着して歯を補う治療方法です。自分の歯のように自然に馴染み、しっかりと噛めることが最大のメリットですが、外科的な侵襲があるデメリットがあります。
メリット | ・自分の歯のように食事を楽しめる
・周囲の歯に頼らない独立した治療が可能 ・天然歯とよく馴染み口元の印象に違和感を与えない |
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デメリット | ・外科的手術が必要な処置である
・口内や全身の健康状態によって手術を受けられない ・費用や手術による肉体的・精神的な負担が大きい |
治療期間 | 数ヶ月~1年弱 |
費用 | 30~60万円ほど |
入れ歯は、歯科用プラスチックで作製した人工歯を金具で固定して歯を補う治療方法です。取り外しができるためトラブルにも対応しやすい反面、失った歯の本数が多い場合は入れ歯が大きくなるため違和感を覚えやすいなどのデメリットがあります。
メリット | ・保険適用できるため費用を安く抑えられる
・健康な歯を削る量が少ない ・取り外しできるため清潔な状態を保ちやすい |
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デメリット | ・失った歯の本数が多いほど入れ歯が大きくなる
・金属製のフックを使用して固定するため部位によって目立つ ・周囲の歯を支えにするため歯の寿命が短くなる |
治療期間 | 1~2ヶ月 |
費用 | 5,000~2万円ほど |
ブリッジは、橋渡しのような形で作製したかぶせ物を装着して、歯を補う治療方法です。固定式のためインプラント治療のようにしっかり噛めることがメリットに挙げられますが、両隣の歯を大きく削って被せ物を作製しなくてはならないデメリットがあります。
メリット | ・インプラントと同じく自分の歯のように食事を楽しめる
・保険適用できるため費用を安く抑えられる ・固定式のため自分で取り外しをする手間がない |
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デメリット | ・両隣の歯を大きく削る必要がある
・土台となる歯が虫歯や歯周病になりやすくなる ・部位や素材によって見た目が大きく損なわれる |
治療期間 | 2週間~1ヶ月 |
費用 | 1~2万円ほど |
大人の歯が抜けてしまった場合の対処方法や、抜けてしまう原因、治療方法について解説しました。歯が抜けてしまうと見た目が損なわれるだけでなく、きちんと噛めなくなるため全身の健康へ悪影響をおよぼすことがあります。抜けてしまわないよう注意しながら過ごすことが一番ですが、抜けてしまったあとの対応も大切であることを忘れないようにしましょう。
山手歯科クリニックでインプラント治療を担当している医師は、ICOI国際インプラント学会指導医である理事長です。東京都内ではわずか2%の厚生労働省に認可された設備が整っている医院であり、セカンドオピニオンや丁寧なカウンセリングを行った後、一人ひとりに最適な治療を提供しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療を受ける医院選びでお悩みの方は、山手歯科クリニックへお気軽にご相談くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重