歯周病の進行段階を知っていますか?歯の健康を守るためにできることとは?

歯科コラム

東京、品川区の歯科医院「山手歯科クリニック」歯科コラム

歯周病の進行段階を知っていますか?歯の健康を守るためにできることとは?

こんにちは。スマイルパートナーズ山手歯科クリニックです。

「歯ぐきが腫れて痛い…」「歯を磨くと血が出る」「最近、歯が少しグラグラしてきた気がする」など、歯周病に関するお悩みを抱えている方はいませんか?歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏は、すべて歯周病の一部ですが、それぞれ症状や進行段階に違いがあります。適切なケアと早期対応が、歯の健康を保つカギとなります。

今回は、歯肉炎・歯周炎・歯槽膿漏の違いやそれぞれの特徴、全身の健康にも関わる歯周病の影響について詳しくご紹介します。正しい予防法や、進行してしまった場合の治療方法も解説しますので、歯周病が気になる方はぜひ参考にしてください。

 

1.こんなお悩みありませんか?

「歯ぐきが腫れて痛む」「歯磨きすると血が出る」「歯がなんだかグラグラしてきた気がする」と感じている患者様、もしかすると歯周病のサインかもしれません。歯周病は放っておくと進行し、歯を支える骨まで影響を及ぼすこともある病気です。

歯周病は初期段階でのケアや治療で改善が期待できる病気です。早めに発見し、適切なケアを行うことで進行を防ぐことができます。お口の健康は全身の健康にもつながりますので、歯ぐきの腫れや出血など気になる症状がある方は、早めのご相談をおすすめします。

 

2.歯周病とは?

歯周病は、歯を支える歯ぐきや歯槽骨などの組織に炎症が起きる病気で、軽度から重度まで進行段階があり、早期の対策がとても重要です。進行するとお口だけでなく全身の健康にも影響が出るため、まずは歯周病について理解することが大切です。

 

歯肉炎(軽度)
最も初期の段階で、主に歯ぐきに軽い炎症が生じています。歯磨きの際に出血したり、歯ぐきの腫れを感じることが多いですが、痛みはあまりありません。この段階であれば、早めのケアで改善が期待できます。

 

歯周炎(中度)
歯肉炎が進行すると、炎症が歯ぐきの内部にまで広がり、歯を支える骨に影響が及び始めます。歯周ポケットが深くなり、歯ぐきが下がり、歯のぐらつきが感じられることも増えます。歯周炎の段階で適切な治療を行えば、進行を止めることが可能です。

 

歯槽膿漏(重度)
歯周病がさらに悪化し、歯槽膿漏の状態になると、膿が出たり歯が非常にぐらついたりするようになります。骨が大幅に失われ、最終的には歯が抜け落ちることもあるため、深刻な症状です。この段階では徹底した治療と日々のケアが欠かせません。

 

歯周病が全身に与える影響

歯周病はお口の中だけでなく、全身の健康にも関わることがわかっています。歯周病の細菌が血流に乗って全身に広がり、さまざまな疾患と関連する可能性があるため注意が必要です。

  • 心臓病や動脈硬化
    歯周病の細菌が血管に入り込み、血管の炎症を引き起こすことで、動脈硬化や心臓病のリスクが高まるとされています。健康な血管を保つためにも、歯周病予防が重要です。
  • 糖尿病との関係
    糖尿病があると免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなる傾向があります。また、歯周病が進行すると血糖のコントロールが難しくなり、相互に悪影響を与えるとされています。糖尿病予防や改善にも歯周病ケアが役立つ可能性があります。
  • 妊娠中のリスク
    妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクを高める可能性があるとされています。妊娠中は体調も不安定なため、妊娠前からの歯周病予防やケアが特に大切です。

 

歯周病は初期段階での発見と対策が重要です。歯肉炎の段階での対応が、歯周炎や歯槽膿漏への進行を防ぎます。日々のブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスを使ったセルフケアに加え、定期的な歯科受診を行いましょう。

 

3.歯肉炎:最初のサインを見逃さない

歯肉炎は、歯周病の初期段階にあたる歯ぐきの炎症です。この段階では、歯ぐきが赤く腫れたり、歯磨きの際に出血したりすることがあります。気づきやすい症状があるため、これらのサインを見逃さず、早めにケアをすることで、症状の悪化を防ぎ健康な歯ぐきを取り戻すことが可能です。日々のケアに加え、定期的な歯科検診を受けることが予防と早期発見のカギになります。

 

歯肉炎の原因と症状
歯肉炎の主な原因は、歯と歯ぐきの間にたまる歯垢(プラーク)です。歯垢は口の中の細菌の温床となり、放置すると歯ぐきが炎症を起こしてしまいます。次のような症状が見られることが多いです:

    • 歯ぐきの腫れや赤み
    • 歯磨き時の出血や痛み
    • 歯ぐきがむずがゆく感じる
    • 食事中や歯磨き中の軽い痛み

 

歯肉炎は早期に治せる
歯肉炎の段階であれば、比較的簡単に治療が可能です。歯科医院で歯石を除去するクリーニングや、適切なブラッシング方法を教わるだけでも効果的に症状が改善します。特に、歯石や歯垢をしっかり取り除くことが、歯肉炎の早期改善に繋がります。

 

正しいケアで歯肉炎を予防
歯肉炎を予防するためには、日々の丁寧な口腔ケアが必要です。次のようなケア方法を取り入れて、歯肉炎を未然に防ぎましょう:

    • 毎日のブラッシング:歯と歯ぐきの境目を意識して、優しく丁寧に磨くことが大切です。磨き残しを防ぐため、歯ブラシの持ち方や力加減にも気を配りましょう。
    • デンタルフロスや歯間ブラシの活用:歯と歯の間は、歯ブラシだけではきれいにできないことが多いため、フロスや歯間ブラシでのケアも取り入れると効果的です。
    • 定期的な歯科検診:歯科医院での定期検診を受けることで、歯肉炎やその他の口腔トラブルを早期に発見し、予防することができます。

 

歯肉炎は「少し気になる」と思った段階で対策を取ることが大切です。初期段階で対処することで、歯周病の進行を防ぎ、健康な歯ぐきと歯を保つことができるため、早めの相談をおすすめします。

 

4.歯周炎:進行する歯周病

歯周炎は、歯肉炎が進行して、歯を支える骨や組織にまで炎症が及んだ状態です。放置すると歯ぐきの奥深くまで影響が広がり、歯を支える骨が破壊されることもあります。歯周炎が進行すると歯がグラつき始め、最終的には抜けてしまうリスクも高まるため、早期治療が重要です。

 

歯周炎の特徴とリスク

    • 歯周炎になると、歯ぐきの腫れや出血に加えて、歯ぐきが下がるなどの症状が現れます。初期の症状は歯肉炎と似ていますが、歯周炎では歯を支える骨がダメージを受けるため、放置すると歯が安定を失います。
    • 特に歯と歯ぐきの間にできる「歯周ポケット」と呼ばれる隙間が深くなると、そこに細菌がたまりやすくなり、悪化しやすい状態となります。この歯周ポケットが深いままだと、セルフケアでは届かない細菌が繁殖し、さらなる炎症を引き起こします。

 

歯を支える骨へのダメージ

    • 歯周炎の進行によって歯ぐきだけでなく、歯を支える骨(歯槽骨)が次第に溶けていきます。骨が溶けると歯がグラつき、最悪の場合、抜歯が必要になることもあります。歯周炎が進行して骨が大きく減少すると、治療が難しくなり、インプラントや入れ歯などの選択肢が必要になることもあるため、早期の対応が大切です。
    • 骨の破壊は自覚症状が少なく進行するため、気づいたときには重症化しているケースも少なくありません。痛みがなくても定期的に歯科でチェックを受け、早期の対応を心がけましょう。

 

歯周ポケットの拡大と歯のグラつき

    • 歯周炎が進行すると歯周ポケットが深くなり、清掃が難しくなります。歯ブラシやフロスが届きにくくなると、汚れが残りやすく、細菌の温床になってしまいます。この歯周ポケットが拡大すると、さらに歯ぐきが炎症を起こし、悪循環が生まれます。
    • 歯がぐらつくと、食事や話す際に不便を感じることも多くなります。こうした状態が続くと、生活の質が低下するため、歯周ポケットの深さを歯科で定期的にチェックし、必要に応じて専門的なクリーニングや治療を行うことが予防につながります。

 

歯周炎は進行すると治療が複雑になるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。日常的なセルフケアと定期的な歯科検診で、健康な歯と歯ぐきを守りましょう。歯ぐきが腫れていたり、歯がぐらついている場合は自己判断せずにご相談ください。

 

5.歯槽膿漏とは?
歯槽膿漏は、歯周病が深刻な段階に進行し、歯ぐきや歯を支える骨が大きなダメージを受けている状態です。炎症が激しく、歯ぐきが腫れたり出血したりし、膿が出ることがよくあります。このまま放置すると、歯を支える骨が急速に失われ、最終的には歯が抜け落ちるリスクが非常に高まります。

 

歯槽膿漏の意味と症状
歯槽膿漏は歯周病の末期段階であり、歯ぐきや骨が重度のダメージを受けている状態です。以下のような症状が現れることが多いです:

  • 歯ぐきの腫れと出血:炎症が進行し、腫れや出血が頻繁に起こります。歯磨きの際に血が出たり、触るだけで痛みを感じることが多いです。
  • 膿の排出:歯ぐきや歯周ポケット内で細菌が繁殖し、感染が進行すると膿が排出されることもあります。膿が出ると口内が不快な状態になりやすいです。
  • 口臭の悪化:細菌の増殖により、強い口臭が発生することがあります。これは、周囲の人にも気づかれることがあり、生活の質にも影響します。
  • 歯のぐらつき:歯を支える骨が減少し、歯が不安定になり、食べ物を噛む際にも力が入らなくなります。

 

膿が出るまで放置してしまう危険性
歯槽膿漏が進行した状態では、歯周ポケットが非常に深くなり、細菌が繁殖しやすい環境になっています。膿が出るという症状は、体が細菌感染に抵抗しようとしているサインですが、これを放置すると次のようなリスクがさらに高まります:

  • 痛みの悪化:膿が発生するとともに炎症が進行し、歯や歯ぐきの痛みが増してくるため、日常生活にも支障をきたします。
  • 腫れや炎症の拡大:周囲の組織にまで炎症が広がり、腫れが強くなることもあります。場合によっては顔の一部が腫れることもあり、医療機関での治療が必要になる場合もあります。
  • 食事や会話に支障:痛みや歯のぐらつきにより食事がしづらく、硬いものや冷たいものを食べることが困難になることも多いです。また、話しづらさも生じるため、日常生活に大きな影響が及びます。

 

最悪の場合は歯の喪失へ
歯槽膿漏が進行しても放置していると、歯を支える骨がさらに減少し、ついには歯が抜け落ちてしまうことが少なくありません。歯が抜けると、以下のようなさらなる問題が発生します:

  • 噛む力の低下:歯を失うと噛む力が低下し、特に硬い食べ物を摂るのが難しくなり、必要な栄養をしっかりと摂取できなくなります。
  • 健康な歯への負担:失った歯を補うため、残っている健康な歯に余計な負担がかかり、周囲の歯もぐらつきやすくなるため、他の歯の健康も悪化することが多いです。
  • 補綴治療が必要:歯を失った場合、入れ歯やインプラントなどによる補綴治療が必要になります。これには時間と費用がかかるため、予防や早期治療が重要です。

 

歯槽膿漏は歯周病の最終段階ですが、適切な治療と日々のケアを行うことで症状の改善や進行を食い止められる可能性があります。もし違和感や異常を感じた際には、できるだけ早く歯科医院に相談し、早期発見と早期治療を心がけましょう。

 

6.歯周病と全身の健康への影響

歯周病は、単なるお口のトラブルにとどまらず、全身の健康にも大きな影響を与えることがわかっています。歯ぐきの炎症が体内に広がり、さまざまな疾患を引き起こすリスクがあるため、歯周病の予防と治療がとても重要です。以下で、歯周病が全身に及ぼす影響とその対策についてご説明します。

 

糖尿病や心疾患との関連
歯周病が進行すると、炎症の原因となる細菌が血液中に入り込み、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。

    • 糖尿病:歯周病が悪化すると血糖値のコントロールが難しくなるため、糖尿病の進行や治療にも影響を与えることがあります。逆に、糖尿病があると歯周病が悪化しやすく、相互に悪影響を及ぼし合います。
    • 心疾患:歯周病の菌が血流を介して心臓や血管に入り込むと、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まることがあるとされています。定期的な口腔ケアは心疾患の予防にもつながります。

 

口腔ケアが全身の健康を守る
歯周病予防のための口腔ケアは、お口の健康だけでなく、体全体の健康を支える役割も果たします。

    • 日常的なブラッシング:歯と歯ぐきの間をきちんと磨くことで、歯周病菌の繁殖を防ぎ、炎症を抑えられます。
    • 歯間ブラシやフロスの活用:歯と歯の隙間に入り込む菌や汚れを取り除くことで、細菌の蓄積を防ぎ、体内への悪影響を予防します。
    • 定期的なプロフェッショナルケア:歯科医院でのクリーニングや歯科医によるチェックは、初期段階での歯周病発見と予防に非常に効果的です。

 

健康維持のための歯周病治療
歯周病は進行すればするほど全身へのリスクが高まるため、早めの治療が重要です。適切な治療と予防で、体全体の健康を守りましょう。

    • 初期治療:歯ぐきの炎症が軽度な場合は、基本的なクリーニングや指導で改善が見込めます。痛みや腫れが出る前に治療を行うことで、全身への影響を最小限に抑えます。
    • 再生治療:歯周病が進行している場合は、歯を支える骨や組織の再生治療が行われることもあります。この治療により、歯ぐきや骨が再生し、健康な歯を取り戻すことが可能です。
    • 定期的なメンテナンス:治療後も定期的にメンテナンスを続けることで、再発を防ぎ、長期的に健康な状態を保つことができます。

 

歯周病と全身の健康は密接に関わっているため、毎日のケアと定期的な歯科検診を心がけることが、健康な生活を守るための第一歩です。

 

7.歯周病の予防法

歯周病を予防するためには、日常のケアと生活習慣の見直しが欠かせません。歯周病は初期段階であれば予防や改善が可能ですが、進行すると治療が難しくなるため、早めの対策が重要です。以下の予防方法を日々の生活に取り入れ、健康な歯ぐきを保ちましょう。

 

毎日のブラッシングとフロスの大切さ
歯周病予防の基本は、やはり毎日の丁寧なブラッシングです。歯と歯ぐきの間に溜まりやすいプラークをしっかり取り除きましょう。

    • 歯ブラシは柔らかめのものを選び、歯ぐきに優しくブラッシングすることがポイントです。
    • 歯間ブラシやフロスも併用することで、歯と歯の間や歯ぐきの隙間に溜まった細菌を除去しやすくなります。特に歯と歯の間は歯ブラシでは届かないため、フロスや歯間ブラシを使うことでより効果的にケアできます。

 

歯科医院での定期的なクリーニング
自宅でのケアだけでなく、歯科医院でのプロフェッショナルケアも欠かせません。自分では取りきれない歯石やプラークを除去することで、歯周病の発症リスクを大幅に減らせます。

    • 歯科医院では、歯石の除去や歯の表面を滑らかにするクリーニングを行い、細菌が付着しにくい環境に整えます。
    • 定期的に検診を受けることで、初期の歯周病が発見されやすくなり、早期治療が可能になります。

 

歯周病にならないための生活習慣改善
歯周病は生活習慣と深く関わっています。バランスの取れた食生活や規則正しい生活を心がけることで、口腔内の健康も保たれやすくなります。

    • バランスの取れた食事:ビタミンやミネラルが豊富な食事を意識することで、歯ぐきの健康がサポートされます。特にビタミンCは歯ぐきの炎症を抑える作用が期待できるため、積極的に取り入れるとよいでしょう。
    • 禁煙:喫煙は歯周病のリスクを高める要因のひとつです。タバコを吸うことで歯ぐきの血流が悪くなり、免疫機能も低下してしまいます。禁煙することで歯ぐきの健康も改善されます。
    • ストレス管理:過度なストレスも体の免疫力を低下させ、歯周病のリスクを増やす可能性があります。リラックスする時間を持つことも、口腔内の健康には効果的です。

 

日常的なケアに加え、歯科医師のサポートを受けながら予防と治療に取り組むことで、歯周病から健康な歯と体を守りましょう。

 

8.治療の選択肢:歯周病が進行してしまったら

歯周病が進行すると、歯ぐきや歯を支える骨が弱まり、最悪の場合は歯を失うリスクが高まります。しかし、歯周病の進行度に応じた治療を適切に行うことで、症状を改善し、健康的な口腔環境を取り戻すことが可能です。ここでは、歯周病の進行に合わせた具体的な治療ステップについてご紹介します。

 

歯周病治療のステップ 歯周病治療は、症状の進行具合に応じて段階的にアプローチします。初期の段階から重度まで、異なるケアが必要となります。

    • 初期治療(軽度):歯石除去やプラークコントロールが中心となり、主に定期的なクリーニングや歯磨き指導を行います。この段階で早期発見・ケアすることで、重症化を防ぐことが可能です。
    • 中等度の治療:歯周ポケットが深くなっている場合、歯石やプラークの徹底的な除去に加え、抗菌薬を用いた処置を行います。これにより、感染を抑え、症状の悪化を防ぎます。
    • 重度の治療:骨の吸収が進んでいる場合や、炎症が顕著な場合には、歯周外科や再生療法などが選択肢になります。特に重度のケースでは、歯ぐきや骨を部分的に再生させる治療が必要になることもあります。

 

歯周ポケットのケアと再生療法
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、通常のブラッシングではケアが難しくなります。このため、歯科医師による専門的な治療が不可欠です。

    • スケーリングとルートプレーニング:歯周ポケット内部の歯石やプラークを除去することで、ポケットの深さを軽減します。このケアによって、炎症の抑制が期待できます。
    • 再生療法:骨が吸収された場合には、骨を再生させるための治療を行います。再生材料や特殊な膜を用いて、失われた歯周組織を回復させることが目指されます。この方法により、歯を支える基盤を再構築することで、安定性が増します。

 

失った歯の治療方法(インプラント・入れ歯)
歯周病が重度化して歯を失ってしまった場合には、歯の機能を取り戻すために、インプラントや入れ歯の選択肢が考えられます。

    • インプラント:歯の根の代わりとなるチタン製の人工歯根を顎骨に埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける方法です。自然な噛み心地が得られ、他の歯に影響を与えずに安定した食生活をサポートします。
    • 部分入れ歯や総入れ歯:失われた歯を補う方法として、部分入れ歯や総入れ歯を装着することもあります。取り外しが可能でメンテナンスがしやすい一方で、インプラントに比べて噛む力が弱くなることがあります。

 

歯周病の治療は進行が深まるほど難易度が上がり、治療にかかる時間や費用も増加します。そのため、早期の予防と定期的なケアが大変重要です。歯周病が進行する前に適切な対応をすることで、患者様が健康な歯を長く保てるようお手伝いができます。

 

9.正しいケアで歯を守る

歯周病や歯肉炎、歯槽膿漏など、歯や歯ぐきの健康を守るためには日々のケアが大切です。適切な予防方法を知り、実践することで、口腔内の健康を長く保つことができます。ここでは、予防歯科の重要性やご自宅でできるセルフケア、歯科医院で受けられる専門的なケアについてお話しします。

 

予防歯科の重要性
歯周病や歯肉炎は進行してしまうと治療に時間がかかるため、早期予防がとても大切です。定期的な予防ケアを行うことで、以下のようなメリットが得られます。

    • 早期発見・治療:初期段階で発見すれば、歯を失うリスクを大幅に減らすことができます。
    • 費用や時間の節約:予防により治療の必要が減り、長期的にはコストや通院の手間も軽減されます。
    • 全身の健康を保つ:口腔内の健康が保たれることで、糖尿病や心疾患など全身の病気リスクも軽減されます。

 

ご自身でできるセルフケアのコツ
毎日のセルフケアが歯周病予防には不可欠です。正しい方法で口腔ケアを行うことで、歯ぐきや歯の健康を守りましょう。

    • 歯磨き:歯と歯ぐきの境目を意識して磨き、歯ブラシを45度の角度であてがうようにするのがポイントです。少なくとも1日2回、2分以上かけて磨きましょう。
    • 歯間ブラシやデンタルフロスの使用:歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間に食べ物が詰まることがあります。フロスや歯間ブラシを使うことで、歯垢をしっかり除去できます。
    • 口腔リンス:歯磨き後の仕上げとして、抗菌成分が含まれたマウスウォッシュを使うことで、口腔内の細菌の繁殖を抑える効果が期待できます。

 

歯科医院で行う専門的なケア
定期的に歯科医院を受診し、プロのケアを受けることが歯周病予防には重要です。セルフケアだけでは取り切れない汚れや歯石を専門的に除去することで、清潔な口腔環境を維持できます。

    • プロフェッショナルクリーニング(PMTC):歯科医院で行うPMTCは、歯石や歯垢を機械的に除去するだけでなく、表面を滑らかにして汚れがつきにくくします。
    • スケーリングとルートプレーニング:歯周ポケット内にたまった歯石を取り除く処置で、歯周病の進行を防ぎます。歯ぐきや歯の根にしっかり清潔を保てるようにすることで、再発リスクを抑えます。
    • 定期検診:歯周病の早期発見・早期治療に加え、適切なセルフケア指導を受けるためにも定期検診は欠かせません。3〜6ヶ月ごとの受診をお勧めします。

 

予防歯科とセルフケア、そして専門的なケアを併用することで、歯と歯ぐきの健康を長く保つことができます。毎日のケアがしっかりと健康を支えますので、ぜひ継続的に行っていきましょう。

 

10.よくある質問

歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏について、患者様からよくいただくご質問にわかりやすくお答えいたします。どの段階でも適切な対応を知ることが、長く健康な歯を保つために大切です。

 

歯肉炎と歯周炎の違いは?

    • 歯肉炎:歯ぐきに軽い炎症が生じた状態で、歯磨き時の出血が見られることがあります。歯肉炎は正しいケアを行えば回復しやすく、歯科医院でのクリーニングが有効です。
    • 歯周炎:歯肉炎が放置され、炎症が歯を支える骨にまで進行した状態で、骨にダメージが及ぶため早期治療が重要です。
    • リスク:歯周炎がさらに進むと、歯がぐらつき始め、最終的には抜けてしまう場合もあるため、早期発見・対応が大切です。

 

歯周病は痛みがなくても進行していることがあるの?

    • 初期段階の歯周病は痛みを感じにくく、症状がなく進行することが多いため「沈黙の病」とも言われます。気づきにくいサインとして、次の点に注意が必要です。
      • 歯ぐきの腫れ出血:普段の歯磨きで出血が続く場合は要注意です。
      • 口臭:歯周病菌が増えることで口臭が悪化することがあります。
    • 定期検診:歯周病の早期発見には定期的な歯科検診が欠かせません。痛みがないうちに治療を行うことで、症状を早く抑えられる可能性が高まります。

 

歯槽膿漏は治療で治るの?

    • 歯槽膿漏:歯周病が進行して膿が出たり歯がぐらつく状態です。この段階では治癒が難しいこともありますが、専門的な治療で進行を止め、症状を管理することが可能です。
    • 治療の目的
      • 専門的なクリーニングや歯周ポケットのケアにより、細菌の増殖を抑え、歯の安定を図ります。
      • 定期的なメンテナンスと日々のセルフケアで、状態の悪化を防ぎます。

 

歯肉炎や歯周炎は治療しないとどうなるの?

  • 歯肉炎:歯肉に軽い炎症が起きている段階ですが、放置すると炎症が広がり、歯周炎に進行する可能性が高くなります。進行すると歯を支える骨にも悪影響を及ぼし、歯の健康に深刻な影響が出る恐れがあります。
  • 歯周炎:歯周炎がさらに進むと、やがて歯槽膿漏へと発展します。この段階に至ると歯がぐらつき、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。早期の治療がとても重要です。
  • 予防の重要性:歯周病は早めの対策とセルフケアで進行を防ぐことが可能です。適切な歯磨き習慣と、定期的な歯科クリーニングを行うことで、健康な状態を維持しやすくなります。

 

歯周病治療の費用はどれくらいかかりますか?

  • 費用の目安:歯周病治療の費用は、その進行度や必要な治療の種類によって大きく異なります。軽度の歯肉炎であれば、定期的なクリーニングのみで対応できることが多く、費用も比較的抑えられる傾向にあります。
  • 保険の適用:歯周病の多くの治療には保険が適用される場合が多いため、負担を軽減できます。ただし、内容によっては保険適用外のケースもあるため、詳細は事前に歯科医院で確認するのがおすすめです。
  • 費用対効果:早期の治療は進行を食い止め、費用の負担を抑えることにもつながります。早めに治療を受けることで、歯の健康を保ち、将来のトラブルを予防するためにも効果的です。

 

歯肉炎、歯周炎、そして歯槽膿漏といった歯周病は、早期の対処がカギです。適切な予防と治療により、健康な歯と歯ぐきを長く保つことができます。毎日の丁寧な口腔ケアと、定期的な歯科検診を組み合わせることで、歯周病の進行や全身への悪影響を防ぎ、口腔内を健康に保てます。患者様の快適で笑顔のある生活を支えるためには、健康な口腔環境が欠かせません。歯ぐきの腫れや出血、気になる症状があれば、いつでもご相談ください。

 

 

 

東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F

『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18

 

 

*監修者

医療法人社団スマイルパートナーズ

理事長 齋藤 和重

*経歴

1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。

2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。

2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。

*所属

ICOI国際インプラント学会 指導医

ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター

ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト

ITI Member

OAM先進インプラント認定医・公認インストラクター

日本口腔インプラント学会 会員

日本顎顔面インプラント学会 会員

国際審美学会 会員

日本歯科審美学会 会員

日本アンチエイジング歯科学会 会員

・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)

CID Club (Center of Implant Dentistry)所属

みなとみらい(MM)インプラントアカデミー 所属

国際歯周内科研究会 所属

5-D JAPAN 所属

デンタルコンセプト21 所属

・インディアナ大学歯学部 客員 講師

・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員

・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー

・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒

・USC   University of Southern California)センチュリー・クラブ

・プレミアム・メンバー

 

※詳しいプロフィールはこちらより