歯周病になりにくい人の習慣は?なりやすい人との違いとは?

こんにちは。スマイルパートナーズ山手歯科クリニックです。

「毎日しっかり歯磨きしているのに歯茎が腫れる…」「家族みんな歯周病になっているけど、遺伝するの?」「同じようにケアしているのに、なぜか友人より歯ぐきの状態が悪い」——そんな疑問を持ったことはありませんか?

実は、歯周病には「なりやすい人」と「なりにくい人」がいます。その違いを知り、予防策を取り入れることで、歯周病のリスクを減らすことが可能です。生活習慣や体質の影響はもちろん、ちょっとした日々のケアの違いが、将来的な口腔環境を大きく左右します。

今回は、歯周病のリスクを高める要因と、なりにくい人が実践しているケア方法を解説していきます。自分の口の状態をチェックしながら、歯周病を防ぐ習慣を見直してみませんか?

 

1.こんなお悩みありませんか?

「毎日しっかり歯を磨いているのに、歯茎が腫れてしまう…」
「家族に歯周病の人が多いけど、自分もなりやすいの?」
「そもそも、歯周病になりやすい人と、なりにくい人の違いって何?」

このような疑問や不安を感じている方は多いのではないでしょうか?

歯周病は、日本の成人の約8割がかかる、もしくは予備軍といわれるほど身近な病気ですが、実は なりやすい人 と なりにくい人 にははっきりした違いがあります。

「きちんと歯磨きしているのに、なぜ?」と思うかもしれませんが、歯周病は 生活習慣や体質 が大きく関係しているため、歯磨きだけでは防ぎきれない場合があるのです。

 

2.歯周病とは?知らないうちに進行する怖い病気

「歯周病」と聞くと、「歯茎が腫れる病気」「歯がぐらついて抜ける病気」と思う方も多いかもしれません。しかし、実際には 自覚症状がほとんどないまま進行する病気 で、「気づいたときにはすでに悪化していた…」というケースも少なくありません。

 

初期症状がほとんどない理由

歯周病は、 歯と歯茎の間にたまったプラーク(歯垢)に潜む細菌が炎症を引き起こすことで進行する病気 です。

★初期段階ではこんな症状が現れます

  • 歯磨きのときに少し血が出る
  • 歯茎がむずがゆい、腫れぼったい感じがする
  • 口の中がネバつく

この段階では 痛みを感じることがほとんどないため、気づかず放置してしまう ことが多くなります。

 

放置するとどうなる?

歯周病が進行すると、炎症が歯茎だけでなく 歯を支える骨(歯槽骨 にまで広がり、次のような症状が現れます。

  • 歯茎が赤く腫れ、押すと痛みを感じる
  • 歯がぐらつき、噛むと違和感がある
  • 口臭が強くなる
  • 最終的に歯が抜ける

このような状態になると、元の健康な状態に戻すことは難しくなります。 「まだ大丈夫」と思わず、早めにケアすることが大切 です。

 

進行すると歯だけじゃない!全身への影響

近年の研究で、歯周病は 全身の健康にも悪影響を及ぼす ことがわかっています。歯周病菌が血液を通じて全身を巡ることで、以下のリスクが高まるといわれています。

・糖尿病の悪化

歯周病による慢性的な炎症が 血糖値を下げるインスリンの働きを阻害 し、糖尿病が進行しやすくなることがわかっています。

・心筋梗塞・脳梗塞のリスク増加

歯周病菌が血管を傷つけることで 動脈硬化を進め、血流が悪化する ため、心筋梗塞や脳梗塞の原因になることがあります。

・誤嚥性肺炎のリスク

口の中の細菌が唾液とともに肺へ入り込むことで、 誤嚥性肺炎 を引き起こす可能性があります。特に高齢者は注意が必要です。

「歯の健康は全身の健康につながる」というのは、決して大げさな話ではありません。

 

40代以上の約8割が歯周病!?

「歯周病は高齢者の病気」と思われがちですが、実は 40代以上の日本人の約8割が歯周病、またはその予備軍 だといわれています。

★年齢とともにリスクが高まる理由

  • 唾液の分泌量が減少し、細菌が増えやすくなる
  • 加齢とともに歯茎や歯槽骨が弱くなり、炎症に対する抵抗力が落ちる
  • 長年の磨き残しや生活習慣の影響が蓄積する

 

しかし、歯周病は正しいケアで予防できる病気 です。「自分はまだ大丈夫」と思っている方こそ、一度歯科医院で検診を受けることをおすすめします。

 

3.歯周病になりやすい人・なりにくい人の違いとは?

「歯周病になりやすい人」と「なりにくい人」の違いは何でしょうか?実は、 遺伝や体質だけでなく、毎日の生活習慣やお口のケアの仕方が大きく影響 します。

 

遺伝や体質は関係あるのか?

歯周病は、生活習慣の影響が大きい病気 ですが、一部 遺伝的な要因 も関係しています。

★遺伝的に歯周病になりやすい人の特徴

  • 歯周病菌に対する免疫反応が弱い
  • 唾液の分泌量が少ないため、細菌が繁殖しやすい
  • 歯茎のコラーゲンが分解されやすい遺伝的要素を持っている

このような体質を持っていると、 歯周病にかかるリスクが高まる 可能性があります。特に 親や祖父母が歯周病で歯を失った経験がある方 は、リスクが高い傾向があります。

ただし、遺伝だけが原因ではない!

遺伝的な要素があるからといって、必ず歯周病になるわけではありません。 正しいケアを続けることで、歯周病の発症や進行を防ぐことができます。

 

生活習慣や食生活の影響

毎日の生活習慣は、歯周病のリスクを大きく左右します。

★歯周病になりやすい生活習慣

  • 喫煙している → タバコは血流を悪化させ、歯茎の免疫力を低下させます。
  • 糖分の多い食事が多い → 口内の細菌が増え、プラークがたまりやすくなります。
  • ストレスが多い → 免疫機能が低下し、炎症が悪化しやすくなります。
  • 睡眠不足 → 体の回復力が落ち、歯茎の炎症が治りにくくなります。

 

★歯周病になりにくい生活習慣

  • 栄養バランスの取れた食事をしている → 野菜や果物に含まれるビタミンCは、歯茎の健康維持に役立ちます。
  • よく噛んで食べる → 唾液の分泌が増え、口内環境が整います。
  • 定期的に運動をしている → 血流が良くなり、歯茎の抵抗力が高まります。
  • ストレスを上手に解消できている → 免疫力を維持することができます。

 

正しいケアをしているかどうかが決め手に

毎日の歯磨きや歯科医院でのケアが、 歯周病を防ぐ最大のポイント です。

★歯周病になりやすい人のケア不足ポイント

  • 歯磨きを1日1回以下しかしていない
  • 歯と歯の間の汚れを放置している(フロスや歯間ブラシを使わない)
  • 歯科検診を何年も受けていない

 

★歯周病になりにくい人の習慣

  • 1日2~3回、丁寧に歯を磨く
  • 歯間ブラシやデンタルフロスを活用し、細かい汚れを除去する
  • 定期的に歯科医院でクリーニングを受ける(3~6ヶ月ごと)
  • 正しいブラッシング方法を意識し、歯茎を傷つけないように磨く

 

歯周病は 遺伝的な要因 だけでなく、 生活習慣やケアの仕方 によって大きく左右されます。

 

4.歯周病になりやすい人の特徴

歯周病は 誰にでも起こり得る病気 ですが、特に なりやすい人と、そうでない人 の違いはどこにあるのでしょうか?

「しっかり歯を磨いているのに、なぜか歯茎が腫れる…」
「家族が歯周病だったから、自分もなりやすいの?」

こんな不安を感じている患者様も多いかもしれません。

 

歯磨きが不十分な人

「毎日歯を磨いているから大丈夫!」と思っていませんか?

実は、磨き方が間違っていると、毎日磨いていても歯周病のリスクは高まります。
特に、次のような歯磨きをしている方は注意が必要です。

  • 歯ブラシの動かし方が大きすぎる → 汚れがしっかり落ちていない
  • 歯間や歯と歯茎の境目を意識できていない → 磨き残しが発生
  • デンタルフロスや歯間ブラシを使っていない → 歯と歯の間に汚れが蓄積

適切なブラッシング方法を身につけることが、歯周病予防の第一歩です。
歯科医院で歯磨き指導を受けたり、自分に合った歯ブラシやフロスを選んだりするのもおすすめです。

 

喫煙やストレスが多い人

タバコを吸う人やストレスを感じることが多い人は、歯周病になりやすい傾向があります。

・喫煙の影響
タバコを吸うと、歯茎の血流が悪くなり 免疫力が低下 します。その結果、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、歯茎の腫れや炎症が進行しやすくなる のです。

また、喫煙者は 歯茎の出血が少ないため、歯周病が進行しても気づきにくい という特徴があります。「気づいたときにはすでに進行していた…」というケースも少なくありません。

 

ストレスが歯周病を悪化させる理由

  • 免疫力が低下 し、細菌への抵抗力が弱まる
  • 食いしばりや歯ぎしり が増え、歯や歯茎に負担がかかる
  • 唾液の分泌が減少 し、口内環境が悪化

ストレスが多い方は、意識的にリラックスする時間を作ることも 歯周病予防につながります。

 

口呼吸をしている人

「気づいたら 口がポカンと開いている…」ということはありませんか?

普段から 口呼吸をしている人は、歯周病のリスクが高い ことが分かっています。

★口呼吸が歯周病につながる理由

  • 口の中が 乾燥 し、唾液の殺菌作用が弱まる
  • 細菌が増殖しやすくなり、プラークが溜まりやすくなる
  • 口臭が強くなり、歯茎の炎症が進行しやすい

特に、 寝ているときに口が開いている方 は要注意です。朝起きたときに 口の中がネバつく・喉が乾く という症状がある場合、口呼吸が原因かもしれません。

 

★口呼吸を改善する方法

  • 鼻呼吸を意識する(日中も口を閉じる習慣をつける)
  • 寝るときに口テープを貼る(軽い癖なら改善が期待できる)
  • 歯並びや舌の位置を歯科医院でチェックする

口呼吸の改善は、 歯周病予防だけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。

 

歯周病は生活習慣や体質によってなりやすさが異なりますが、正しいケアと予防を続けることでリスクを大幅に減らすことができます。歯磨きの方法を見直し、バランスの取れた食生活や禁煙を心がけることが大切です。また、定期的に歯科医院で検診を受け、専門的なケアを取り入れることで、歯と歯茎の健康を長く守ることができます。毎日の小さな積み重ねが、大きな予防につながりますので、できることから始めてみましょう。

 

5.歯周病になりにくい人の特徴

歯周病を防ぐためには、日々のケアや生活習慣が大きく影響します。では、歯周病になりにくい人はどんな習慣を持っているのでしょうか?そのポイントを見ていきましょう。

 

正しい歯磨き習慣を続けている

歯周病を防ぐには、プラーク(歯垢)をしっかり除去することが大切です。ただ歯を磨くだけではなく、以下のポイントを意識することで効果的なケアができます。

  • 歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを使う
    歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落としきれません。デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで、細かい隙間の汚れを除去できます。
  • 適切なブラッシング方法を実践
    力を入れすぎず、小刻みに動かしながら歯茎の際までしっかり磨くことが重要です。

 

定期的に歯科検診を受けている

セルフケアに加え、歯科医院でのチェックやクリーニングを受けることも大切です。

  • 歯科検診は最低でも年2回を目安に
    初期の歯周病は自覚症状が少ないため、プロによる診察で早期発見・早期治療を行いましょう。
  • 歯石を定期的に除去
    歯石は自分では落とせないため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで口の中を健康に保てます。

 

バランスの良い食生活をしている

健康な歯茎を維持するためには、食事の内容も重要です。

  • カルシウムやビタミンを積極的に摂取
    歯や歯茎の健康にはカルシウム(乳製品や小魚)、ビタミンC(野菜や果物)、ビタミンD(きのこ類、日光浴)が欠かせません。
  • 糖分の摂りすぎを控える
    糖分の多い飲食物は細菌の増殖を助けるため、摂取量を調整することが大切です。

 

歯周病になりにくい人は、日々のケアを徹底し、歯科医院でのメンテナンスを欠かしません。正しい歯磨き習慣を身につけ、健康的な食生活を心がけることで、歯茎の健康を長く守ることができます。

 

6.知っておきたい!歯周病のリスクを高める要因

歯周病は、日々のケアだけでなく、生活習慣や健康状態とも深く関わっています。「しっかり歯を磨いているのに、なぜか歯茎が腫れやすい…」と感じている方は、もしかすると知らず知らずのうちに歯周病のリスクを高める習慣があるかもしれません。

 

喫煙や飲酒がもたらすリスク

タバコやお酒の習慣がある方は、歯周病の進行が早くなる可能性があります。

  • 喫煙が歯周病を悪化させる理由
    喫煙をすると、歯茎の血流が悪くなり、免疫力が低下します。そのため、歯周病の原因となる細菌と戦う力が弱まり、症状が悪化しやすくなります。また、歯茎の炎症が進行しても、喫煙者は出血しにくいため気づきにくいという特徴もあります。
  • 過度な飲酒も口内環境に悪影響
    アルコールを大量に摂取すると、口の中が乾燥しやすくなり、細菌が繁殖しやすくなります。さらに、糖分が多いお酒はプラークの増加を助長するため、適量を心がけることが大切です。

 

糖尿病・高血圧などの生活習慣病との関係

全身の健康状態は、口腔内にも影響を与えます。特に糖尿病や高血圧などの生活習慣病を持っている方は、歯周病のリスクが高まると言われています。

  • 糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を及ぼす
    糖尿病の方は、免疫機能が低下しやすく、歯周病菌の増殖を抑えにくくなります。また、歯周病の炎症が進行すると、血糖値のコントロールが難しくなるという悪循環に陥ることも。糖尿病と診断された方は、歯周病予防を徹底することが重要です。
  • 高血圧の方も注意が必要
    高血圧の薬には「口の中を乾燥させる作用」があるものがあり、唾液の分泌が減ることで細菌が繁殖しやすくなります。歯科医院での定期検診を受けることで、歯周病の早期発見につながります。

 

服用している薬が口内環境に影響を与えることも

意外と知られていませんが、日常的に服用している薬が歯周病のリスクを高める場合があります。

  • 抗うつ薬・降圧薬・抗ヒスタミン薬などが影響
    これらの薬は副作用として唾液の分泌を減少させることがあり、口の中が乾燥しやすくなります。唾液には、細菌の増殖を抑える働きがあるため、乾燥状態が続くと歯周病の進行を助長してしまいます。
  • 服薬中の方は歯科医師に相談を
    「最近、口の中が乾きやすい」「歯茎の腫れが気になる」という方は、服用している薬の影響かもしれません。歯科医院で相談すれば、適切なケア方法をアドバイスしてもらえます。

 

歯周病のリスクを高める要因には、喫煙や飲酒、生活習慣病、そして服用している薬の影響などが関係しています。日々の歯磨きをしっかり行うだけでなく、自分の生活習慣を見直すことも大切です。

 

7.今からできる!歯周病を防ぐためのセルフケア

歯周病は進行してしまうと治療が必要になりますが、実は日々のケア次第で予防が可能です。「気をつけているつもりだけど、なぜか歯茎が腫れやすい」「今からできる予防法を知りたい」と感じている方に向けて、今日から実践できるセルフケアのポイントを紹介します。

 

毎日の歯磨きで気をつけるポイント

歯周病予防の基本は、正しい方法で歯を磨くことです。歯磨きの時間や回数よりも、いかに効果的に汚れを落とせているかが大切です。

  • 歯ブラシの角度を意識
    歯と歯茎の境目に対して、45度の角度でブラシを当てるのがポイント。毛先をしっかり当てて、プラーク(歯垢)を取り除きましょう。
  • 力を入れすぎない
    ゴシゴシと強く磨くと歯茎を傷つけ、逆に歯周病を悪化させることがあります。軽い力で小刻みに動かすのが理想的です。
  • 1日2回、2~3分を目安に
    特に寝る前の歯磨きは丁寧に行いましょう。就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が繁殖しやすくなるため、夜のケアが重要です。

 

デンタルフロス・歯間ブラシの正しい使い方

「しっかり歯を磨いているのに、なぜか歯茎の腫れが引かない」という方は、歯と歯の間に汚れが残っている可能性があります。歯ブラシだけでは60%ほどの汚れしか落とせないため、デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れることで、より効果的なケアができます。

  • デンタルフロスの使い方
    フロスを40cmほどカットし、指に巻きつけながら、歯と歯の間にゆっくり通します。勢いよく入れると歯茎を傷つけるので、優しくスライドさせるのがコツです。
  • 歯間ブラシの選び方
    歯と歯の隙間の大きさに合ったサイズを選ぶことが大切です。隙間が狭い方は極細タイプを、少し広めの方は太めのタイプを使うと効果的です。
  • フロスと歯間ブラシ、どっちを使えばいい?
    隙間が少ない前歯にはフロス、隙間が広めの奥歯には歯間ブラシがおすすめです。両方を使い分けると、より清潔な口腔環境を維持できます。

 

口腔ケアグッズ(マウスウォッシュ・電動歯ブラシなど)の活用法

歯磨きやフロスに加えて、補助的なケア用品を取り入れることで、さらに歯周病のリスクを減らすことができます。

  • マウスウォッシュの活用
    口臭や細菌の繁殖を抑えるために、殺菌成分が入ったマウスウォッシュを使うのもおすすめ。ただし、うがいだけではプラークは落とせないため、歯磨きと併用することが重要です。
  • 電動歯ブラシのメリット
    普通の歯ブラシよりも効率よくプラークを除去できるため、磨き残しが気になる方には電動歯ブラシが有効です。歯茎を傷つけないように、力を入れすぎずに使いましょう。
  • 舌のケアも忘れずに
    舌の表面に細菌がたまりやすいため、舌専用のブラシで優しく汚れを落とすことも大切です。特に口臭が気になる方は、舌のケアを取り入れると改善が期待できます。

 

歯周病を防ぐためには、日々のセルフケアが欠かせません。「歯磨きだけでは不十分」「自分のケアが正しいか不安」という方は、フロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどを活用し、総合的なケアを意識してみてください。定期的に歯科医院でチェックを受けることも大切です。

 

8.食事で変わる?歯周病になりにくい食生活

歯周病予防には毎日の歯磨きや定期検診が大切ですが、それだけでは不十分なこともあります。実は、食事の内容によっても歯茎の健康は大きく左右されます。栄養バランスの良い食生活を意識することで、歯茎を強くし、歯周病になりにくい口腔環境をつくることができます。

 

歯茎を強くする栄養素

歯周病を予防するためには、歯茎を健康に保つ栄養素を意識して摂取することが重要です。特に以下の栄養素は、歯茎の炎症を抑えたり、歯を支える骨を強化したりする効果が期待できます。

  • ビタミンC(ピーマン・ブロッコリー・レモン など)
    ビタミンCは歯茎の細胞を健康に保ち、出血しにくい状態をつくるのに役立ちます。歯茎の炎症を抑え、免疫力を高める効果もあるため、積極的に摂りたい栄養素です。
  • カルシウム(チーズ・牛乳・小魚 など)
    カルシウムは、歯や骨を強くするために欠かせない栄養素です。歯を支える顎の骨を丈夫にすることで、歯周病の進行を防ぐことができます。
  • ポリフェノール(緑茶・ブルーベリー・カカオ など)
    ポリフェノールには抗酸化作用があり、口腔内の細菌の増殖を抑える働きがあります。特に緑茶に含まれる「カテキン」は、歯周病菌の活動を抑える効果が期待されています。

 

口腔環境を整える食べ物

歯周病予防には、歯茎を強くするだけでなく、口の中の環境を良好に保つ食材を取り入れることも大切です。

  • ヨーグルト(乳酸菌が豊富)
    乳酸菌には、歯周病菌の繁殖を抑える効果が期待されています。口腔内の細菌バランスを整えることで、歯周病や口臭の予防につながります。
  • 緑黄色野菜(ビタミンやミネラルが豊富)
    にんじん・かぼちゃ・ほうれん草などの緑黄色野菜には、ビタミンCやβカロテンが多く含まれており、歯茎の炎症を防ぎ、健康な状態を維持するのに役立ちます。
  • ナッツ類(ビタミンEが豊富)
    アーモンドやくるみなどのナッツ類には、ビタミンEが含まれており、血行を促進し、歯茎の健康維持に役立ちます。ただし、歯に詰まりやすいため、食後の歯磨きは忘れずに行いましょう。

 

避けるべき食べ物

歯周病を悪化させる可能性がある食品もあります。なるべく控えるようにしましょう。

  • 砂糖の多い飲食物(ジュース・お菓子・清涼飲料水)
    砂糖は虫歯の原因になるだけでなく、歯周病菌の栄養源にもなります。甘いものを摂ると、口腔内の細菌が増えやすくなり、歯茎の炎症を引き起こすリスクが高まります。
  • 酸性の強い食品(酢・炭酸飲料・柑橘類の摂りすぎ)
    酸性の強い食品は、歯の表面のエナメル質を溶かしやすく、歯茎を刺激してしまうことがあります。特に空腹時に摂取すると、歯への影響が大きくなるため、注意が必要です。

 

歯周病になりにくい口腔環境をつくるには、毎日の食事にも気を配ることが大切です。ビタミンCやカルシウムを意識的に摂り、口腔内の細菌バランスを整える食品を取り入れることで、歯茎の健康を守ることができます。反対に、砂糖や酸性の強い食品は控えめにし、歯にやさしい食生活を心がけましょう。バランスの取れた食事と適切なケアを続けることで、歯周病のリスクを減らし、健康な口腔環境を維持することができます。

 

9.もし歯周病になったら?治療の流れと対策

歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれ、気づいたときには進行していることが少なくありません。しかし、適切な治療を受けることで進行を抑え、歯を健康な状態に戻すことが可能です。

 

歯科医院でのチェックと診断方法

まずは歯科医院で正確な診断を受けることが大切です。歯周病の進行度に応じて、適切な治療を行うため、以下のような検査が実施されます。

  • 歯周ポケットの測定
    歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さを測ります。健康な歯茎なら1〜3mmですが、4mm以上だと歯周病の疑いがあります。
  • 歯の動揺度のチェック
    歯がどの程度ぐらついているかを確認し、歯を支える骨の状態を評価します。
  • レントゲン撮影
    顎の骨がどれだけ吸収されているかを確認し、歯周病の進行度を判断します。
  • プラークの付着状況の確認
    歯垢(プラーク)や歯石がどの程度付着しているかをチェックし、原因となる細菌の状態を把握します。

これらの検査結果をもとに、適切な治療プランが立てられます。

 

進行度別の治療法

歯周病の進行度によって、治療の方法が異なります。早期発見・早期治療が大切ですが、進行してしまった場合でも適切な処置を受けることで症状を改善することができます。

★軽度の歯周病(歯肉炎・軽度歯周炎)

この段階では、歯茎に軽い炎症が見られるものの、歯を支える骨には影響がありません。治療によって元の健康な状態に戻すことが可能です。

  • スケーリング(歯石除去)
    歯科医院で歯石を除去し、歯茎の炎症を改善します。定期的なクリーニングが重要です。
  • 正しいブラッシング指導
    歯科医や歯科衛生士が適切な歯磨き方法を指導し、日常のセルフケアを改善します。

 

★中等度の歯周病

歯茎の炎症が進行し、歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が溶け始めている状態です。

  • ルートプレーニング(深い部分の歯石除去)
    歯周ポケット内の歯石や細菌を徹底的に除去し、歯の根を滑らかにすることで再付着を防ぎます。
  • 抗菌療法
    抗菌剤を用いた治療を行い、炎症を抑えます。

 

★重度の歯周病

歯茎が下がり、歯を支える骨が大きく吸収され、歯がぐらつき始めている状態です。放置すると、最終的に歯を失うリスクが高まります。

  • 歯周外科治療
    歯周ポケットが深く、通常のクリーニングでは除去できない場合、外科的に歯石や感染組織を取り除きます。
  • 骨再生療法(GTR・エムドゲイン)
    失われた骨を再生させるための治療を行うこともあります。
  • 抜歯と補綴治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯)
    重度の歯周病で歯が保存できない場合は、抜歯後に適切な補綴治療を検討します。

 

治療後のメンテナンスが大切な理由

治療を受けたあとも、適切なメンテナンスを行わないと再発する可能性が高くなります。歯周病の再発を防ぐために、次の点に注意しましょう。

  • 定期的な歯科検診を受ける
    治療後も、3〜6ヶ月ごとに歯科医院でチェックを受け、歯周病の再発を防ぎましょう。
  • 毎日の正しいセルフケアを続ける
    歯科医院で指導されたブラッシング方法を実践し、デンタルフロスや歯間ブラシを活用しましょう。
  • 生活習慣を見直す
    禁煙、バランスの良い食事、ストレス管理を意識し、全身の健康を維持することも歯周病予防に役立ちます。

 

歯周病は、早期発見・早期治療が鍵となります。定期的な歯科検診を受け、適切な治療を行うことで進行を防ぎ、健康な歯を長く維持することができます。また、治療後もセルフケアを続け、生活習慣を改善することが大切です。

 

10.よくある質問

歯周病について気になる疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?ここでは、患者様からよく寄せられる質問にお答えします。

 

「歯周病は遺伝するの?」

A.歯周病そのものが遺伝するわけではありませんが、歯周病になりやすい「体質」や「口腔環境の特徴」が遺伝することはあります。例えば、唾液の分泌量が少ない、歯茎が弱い、免疫力が低いといった要因は遺伝的な影響を受ける可能性があります。

また、家族間で食生活や歯磨き習慣が似ていることも、歯周病のリスクを左右します。そのため、家族に歯周病の方がいる場合は、特に予防を意識したケアを行うことが大切です。

 

「一度なったら治らないの?」

A.歯周病は進行度によりますが、適切な治療とケアを行えば、進行を止めることは可能です。初期段階であれば、歯磨きやプロのクリーニング(スケーリング)によって健康な状態に戻せることが多いです。

しかし、中等度〜重度に進行した場合、完全に元の状態に戻すのは難しくなります。そのため、治療後も定期的なメンテナンスと毎日のセルフケアが重要になります。「治った」と思って油断せず、継続的にケアを続けることが大切です。

 

「セルフチェックの方法はある?」

A.歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、定期的にセルフチェックを行うことが大切です。以下の項目に当てはまるものがあれば、歯周病の可能性があります。

歯周病セルフチェックリスト

✔朝起きたとき、口の中がネバつく
✔歯茎が赤く腫れている、または出血しやすい
✔歯磨きをすると血が出る
✔口臭が気になる、指摘されたことがある
✔歯茎が下がり、歯が長く見える
✔歯がグラグラする、噛みにくいと感じる
✔食べ物が歯と歯の間に詰まりやすい

 

これらの症状がいくつか当てはまる場合、歯周病のリスクがある可能性があります。放置せずに、早めに歯科医院を受診し、専門的な診断を受けることをおすすめします。

 

歯周病は、生活習慣や口腔ケアの違いによって「なりやすい人」と「なりにくい人」が分かれる病気です。遺伝的な影響や体質の違いもありますが、日々の歯磨き習慣や定期的な歯科検診を受けるかどうかが、歯周病のリスクを大きく左右します。

また、食生活やストレス、喫煙・飲酒などの生活習慣も、歯茎の健康に大きく関わります。歯周病を予防するためには、正しいブラッシング方法を実践し、フロスや歯間ブラシを取り入れることが大切です。さらに、歯科医院での定期的なクリーニングや検診を受けることで、歯周病のリスクを早めに察知し、適切な対策をとることができます。

もし「自分は歯周病になりやすいかもしれない」と感じたら、今すぐできるケアを始めることが重要です。健康な歯と歯茎を守るために、毎日のセルフケアを見直し、歯科医院での定期的な診察を受ける習慣をつけましょう。今の小さな積み重ねが、将来の歯の健康を大きく左右します。

 

 

 

東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:医療法人スマイルパートナーズ 理事長/齋藤和重
『山手歯科クリニック大井町』
住所:東京都品川区東大井5丁目25−1 カーサ大井町 1F

『山手歯科クリニック戸越公園』
住所:東京都品川区戸越5丁目10−18

 

 

*監修者

医療法人社団スマイルパートナーズ

理事長 齋藤 和重

*経歴

1990年 鶴見大学歯学部卒業。1991年 インプラント専門医に勤務。1999年 山手歯科クリニック開業。

2001年 INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS卒業。

2010年 医療法人社団スマイルパートナーズ設立。

*所属

ICOI国際インプラント学会 指導医

ICOI国際インプラント学会 ローカルエリアディレクター

ITI国際インプラント・歯科再生学会 公認 インプラントスペシャリスト

ITI Member

OAM先進インプラント認定医・公認インストラクター

日本口腔インプラント学会 会員

日本顎顔面インプラント学会 会員

国際審美学会 会員

日本歯科審美学会 会員

日本アンチエイジング歯科学会 会員

・INTERNATIONAL DENTAL ACADEMY ADVANCED PROSTHODONTICS(2001年)

CID Club (Center of Implant Dentistry)所属

みなとみらい(MM)インプラントアカデミー 所属

国際歯周内科研究会 所属

5-D JAPAN 所属

デンタルコンセプト21 所属

・インディアナ大学歯学部 客員 講師

・南カルフォルニア大学(USC)客員研究員

・南カルフォルニア大学(USC)アンバサダー

・USC (南カルフォルニア大学)歯学部JP卒

・USC   University of Southern California)センチュリー・クラブ

・プレミアム・メンバー

 

※詳しいプロフィールはこちらより

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