2022/05/19
失った歯を補うためのインプラント治療ですが「やめた方がいい」「インプラントで失敗した」という声を聞いたこともあるかもしれません。インプラント治療を検討している方にとっては、とても心配になる話でしょう。「失敗した」などと感じている方は、どのような理由でそう感じているのでしょうか。
今回は、インプラントの失敗事例を具体的に解説します。後悔しないための対策法もあわせて解説するので、インプラントを検討している方はぜひ参考にしてください。
インプラント治療は、失った歯を補うための歯科治療で、人工歯根を骨のなかに埋め込む手術を行う大がかりな治療です。誰でも簡単に受けられるわけではなく、口内の状況によっては治療できないケースもあり、あごの骨の量や口腔内環境も深く関わってきます。一般的な虫歯治療と同じような感覚で治療を受け、失敗した方が後悔して「インプラント治療はやめた方がいい」と言っているケースが少なくありません。
ただし、治療を受ける前にデメリットやリスク、失敗例などを把握し、きちんと理解した上で対策をすれば、後悔せずにすむかもしれません。そのためには、納得できる説明を行ってくれる医師がいる医院を探すことが大切です。
インプラント治療で後悔した事例には、以下のような理由が関係しているケースが多いです。
では、それぞれくわしく見ていきましょう。
インプラント治療は、数ミリ単位のずれでも失敗が起こる可能性があり、高度な技術と正確な診断が必要な治療です。人工歯根を埋め込む位置や深さが適切ではない場合、骨と人工歯根がうまく結合せずに脱落してしまうケースがあります。
また、埋め込む際に骨へ過度なダメージを与えてしまった場合も、手術の失敗例と言えるでしょう。人工歯根を埋入する前に、専用のドリルを用いてあごの骨に穴を開ける必要があります。その際に、骨の硬さを考慮せずに処置をしてしまうと、摩擦熱で骨がやけどを負い、人工歯根と骨がうまく結合しなくなってしまいます。
一般的に、あごの骨に埋め込んだ人工歯根が結合するまでに数ヶ月〜1年弱程度の期間が必要です。ただし、事前に医師から伝えられていた期間よりも、結合に時間がかかってしまうケースもあります。骨や歯茎の状態を確認しながら治療を進めていくため、治療の期間には個人差が大きく出ることもあるでしょう。
しかし、想定していた範囲を超える期間や費用がかかる問題は、医師とのコミュニケーション不足で発生する可能性が高いとも言えます。治療前や術後で不安なことや疑問に思うことがあれば事前に質問し、しっかりと解消した状態で治療を開始するように心がけましょう。
あごの骨のなかに人工歯根を埋め込む一次手術後に、痛みや腫れが出るケースがあります。ただし、術後の一時的な痛みや腫れに関しては大きな問題はありません。数日〜1週間程度で収まることが多いので、様子を見てみましょう。
しかし、長く続く場合や程度がひどい場合は、インプラント歯周炎を引き起こしている可能性が考えられます。インプラント治療は、あごの骨のなかに人工歯根を埋め込む外科手術を伴う歯科治療です。歯だけに触るわけではないので、手術を行う際に感染予防処置などがきちんと施されていないと、術後に感染症を引き起こし痛みや腫れを引き起こすことがあります。
インプラント治療で後悔しないために、事前に対策を講じるにはどうすればいいでしょうか。具体的に以下のようなポイントを意識すると、後悔する可能性を下げられます。難しい内容ではないのでぜひ実践してみましょう。
では、それぞれどういうことなのか、くわしく解説します。
インプラント治療で失敗しないためには、信頼できる医師のもとで治療を受けることが重要です。具体的には、インプラントの実績や症例数が多く、難症例にも対応可能な医師が在籍している医院を選ぶといいでしょう。
経験の浅い医師や、インプラントのメリットばかりを説明する医師は、信頼性に欠け、万が一のトラブル時にも適切な対処が期待できない可能性があります。インプラント治療に関する深い知識と、高い技術を持ちあわせている医師を選ぶと安心でしょう。
また、インプラント手術を執刀する医師の、学会所属の有無も参考にしてみましょう。なかでも「認定医」や「指導医」は、一定以上の技術と深い知識が認められている証拠です。
治療を受ける前に、インプラント治療への理解を深めることも、後悔しないための対策と言えるでしょう。インプラント治療は、埋入したあとも適切なメンテナンスと自宅でのケアを行っていると、10年以上持続すると言われています。口腔内の環境が良好だと、さらに長期間に渡って機能するでしょう。
しかし、メンテナンスを怠ったり、毎日のブラッシングなどを適当に済ませたりしていると、10年どころか数年でダメになってしまうケースもあります。
また、インプラントにかかる費用はだいたい30~60万程度です。あまりにも安価なインプラント治療は、材料の質が悪かったり、感染予防対策が劣悪な環境で行われたりしている可能性も否定できません。高額であれば必ず良質な治療を受けられるわけではありませんが、適正価格を見極める必要があるでしょう。
医師にすべてを任せるのではなく、十分なコミュニケーションをとり協力しながら治療を進めていくことが重要です。トラブル発生時にも気づきやすく、迅速な対応が可能になります。
以下のような点を事前に確認しておくと安心です。
ただし、医師と十分なコミュニケーションをとるには、疑問に思うことや不安なことを気軽に相談できる環境であることが大切です。カウンセリング時の対応や、スタッフへの態度などを見ると、医院がどういった雰囲気なのか知ることができるでしょう。
インプラント治療の失敗例の解説、後悔しないための対策をご紹介しました。インプラントは、治療が完了した後も長く付き合っていくものです。失敗や後悔をしないためにも、事前に対策できる内容はしっかりと実施して問題を未然に防げるようにしましょう。
山手歯科クリニックでは、国際インプラント学会の指導医である医師が、インプラント治療を担当しています。インプラント治療を検討している方、インプラント治療に関するお悩みやご相談は、山手歯科クリニックへお気軽にお問い合わせくださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/05/19
インプラント治療を受けるからには、できる限り寿命を長持ちさせたいと考える方が多いのではないでしょうか。決して安くはない費用を支払うわけですから、数年でダメになるような治療は受けたくないですよね。
インプラントを検討している多くの方は「インプラントの寿命の平均は?」「長持ちさせるために避けることは?」などの点が気になるでしょう。
今回は、インプラント治療の寿命や、長持ちさせる方法を紹介します。インプラント治療を検討している方、すでにインプラントを受けた方もぜひ参考にしてください。
インプラントは、一度埋入したらずっと使えると思っている方が多く、なかには寿命があることに驚く方もいるでしょう。インプラント治療の寿命は、一般的に10年以上だといわれています。定期的なメンテナンスをしっかりとおこない、自宅でブラッシングやデンタルフロスを用いたケアを欠かさずおこなっていると、10年以上機能を保てるでしょう。
しかし、歯科医院でのメンテナンスや日々のケアをおろそかにしていると、残念ながら10年どころか数年で使えなくなってしまうこともあります。丁寧に扱うことで、10年以上機能を保てます。
一般的に、入れ歯の寿命は健康保険が適用される材料で作成した場合、3~5年ほどといわれています。自由診療で作成する入れ歯は、強度が強い材料を使用できるので5年以上は機能を保てるようです。
健康保険が適用される入れ歯は、プラスチック製のため着色や変形などの劣化がしやすい材料で作成されています。そのため、適切な管理をおこなっていないと数ヶ月で割れてしまったり、変形してしまったりするケースもあるでしょう。
一方のブリッジの寿命は、6~8年ほどといわれています。ブリッジも入れ歯と同様に、自由診療で作成する場合は、適合の良し悪しや材料の違いから、10年以上は機能を保つといわれています。
ただし、ブリッジは噛む力や口のなかの清掃状態によって寿命が変化する治療です。質の高い治療を受けても、支台になっている歯が虫歯になってしまうと、やり直す必要があります。
インプラント治療を受ける方のほとんどが、少しでも長く機能を保ちたいと考えているのではないでしょうか。インプラントの寿命を延ばすためには、以下のような5つのことを実践してみましょう。
では、それぞれ見ていきましょう。
インプラントの寿命を少しでも延ばすため、治療を受ける前にできる対策として、信頼できる医師を選ぶことが挙げられます。
インプラントは、埋入する位置や深さが数ミリずれるだけで失敗してしまい、深い知識と高度な技術が求められる歯科治療です。手術を受ける前に、執刀する医師には十分な実績があるか、難症例にも対応しているかなどを確認するようにしましょう。
また、メリットばかりを説明し、インプラントを無理に勧める医師には要注意です。メリット・デメリットやリスクも説明し、なんでも気軽に相談できるような医師を選ぶとよいといえます。
口内を清潔に保つことも、インプラントの寿命を延ばすことにつながります。磨き残しが多かったり歯石がついたりしたまま放置してしまうと、インプラントの寿命を縮める最大の要因である「インプラント歯周炎」を引き起こしてしまいます。
インプラント歯周炎は、人工歯根の周りの組織が細菌に感染して炎症を起こし、骨を溶かしてしまう病気です。インプラントは、天然歯より細菌と戦う力が非常に弱いため、炎症が起きやすかったり、歯を支える歯槽骨が減ってしまう「骨吸収」が起こったりするスピードが速いのが特徴といえます。
自宅では、通常の歯磨きに加えてデンタルフロスや歯間ブラシを使用してのケアが大切です。使い方がよくわからない場合は、医院で相談して指導を受けるようにしましょう。
自宅でのケアと並行して、歯科医院での定期的なメンテナンスも受ける必要があります。インプラントの機能を保つためには、きちんと機能しているか、噛み合わせに問題はないか、細菌感染を起こしていないかなど、医師の確認を受けることが大切です。
定期的にメンテナンスをおこなっていれば、トラブルにも対処しやすく、未然に防げることもあるでしょう。また、引っ越しなどで手術を受けた医院へ通えなくなった場合にも、通える範囲にある医院でメンテナンスを受けるようにしましょう。どこがよいかわからない場合は、医師に紹介してもらう方法もあります。
寝ている間や無意識の間にしてしまう歯ぎしりや食いしばりも、インプラントへ悪影響を及ぼしてしまいます。歯ぎしりや食いしばりは、食事の際に噛む力よりもはるかに強い力で噛み込んでいることが特徴です。
無意識の間に強い力をかけ続けてしまうと、インプラントに強い負荷をかけてしまいます。人工歯が割れたり欠けてしまったりする可能性もあります。
周りの人や医師から、食いしばり・歯ぎしりの指摘があった場合は、ナイトガードを装着するなどの対策を講じることが大切です。また、事前に噛み合わせなどを改善できる場合は、歯列矯正をおこなう方法もあります。医師とよく相談の上、最適な方法での対策が重要です。
喫煙が口内に及ぼす悪影響は、黄ばみなど見た目の問題だけではありません。喫煙によって血流が悪くなると、インプラントと骨の結合に影響を与えてしまい、治療がうまく進まなかったり、脱落したりするトラブルが発生する可能性があります。
喫煙者はインプラント治療ができないというわけではありませんが、トラブルが起きてしまうリスクが高まるので、喫煙回数を減らすことをおすすめします。具体的な本数などは、インプラント手術を執刀する医師に確認し、指示を守るとよいでしょう。
インプラントに寿命が来て、脱落したりグラグラしたりしてきた場合は、再手術を受ける必要があります。二度目のインプラント治療を望まない場合は、入れ歯やブリッジなどの治療で歯を補うことも可能です。
ただし、インプラントの上部構造部分である人工歯が取れた場合は、再装着や人工歯のみ再製して対応できるケースもあります。念のため、取れてしまった人工歯は捨てずに保管しておくと、後々使えるかもしれません。
また、医院が定める保証期間内に寿命が来てしまった場合、医院の規定に沿った補償を受けられることがあります。補償内容・期間が記載されている保証書はきちんと保管しておくようにしましょう。
インプラントの寿命や長持ちさせる方法について解説しました。ちょっとした習慣の改善で、インプラントの寿命が数年伸びることもあります。すでにインプラントを受けた方は少しずつ改善を、これから受ける方は今後の参考にしてみてください。
山手歯科クリニックでは、国際インプラント学会の指導医である医師がインプラント治療をおこなっています。インプラントに関するお悩み、インプラント治療を検討している方は、ぜひ無料カウンセリングをご利用くださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/04/26
「インプラント治療」を行われた患者さまのビフォーアフターをご紹介します。
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【治療名】
インプラント治療
【患者情報】
60代 女性
【執刀医】
Dr.齋藤
【治療内容】
奥歯の3歯欠損部位に2本のインプラントを埋入。
骨量の少ない部位には骨造成術(GBR)と、再生療法(PRGF)を行い、上部構造はブリッジを装着。
【治療期間】
6回(2.5時間)
【費用】
インプラント準備費:¥33,000
インプラント:¥275,000×2
GBR:¥165,000
PRGF:¥55,000
アバットメント:¥55,000✕2
インプラント上部ジルコニア:¥187,000✕2
ジルコニアポンティック:¥143,000
トータル:¥1,430,000
※全て税込価格となります。
【リスク】
外科処置後は、一時的に疼痛や腫れ、内出血を伴う事があります。
日常生活の一部に制限があります。(入浴、飲酒、運動)
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ご自身の歯でお悩みを抱えている方、お気軽にご相談下さい☺
※当院では患者様に安心して治療をお受けいただくために、感染対策を徹底しております。
東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:山手歯科クリニック(大井町・戸越公園)
2022/04/14
失った歯を補うための歯科治療のひとつであるインプラント。歯を失ったままでは不便なことが多く、ブリッジなどの治療法と合わせて検討する方も多いのではないでしょうか。
今回は、インプラントのメリット・デメリットや費用、ブリッジや入れ歯との違いについて解説します。インプラントを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インプラントとは、何らかの原因で歯が失われた部分に人工のネジ(人工歯根)を骨の中に埋め込んで、欠けた歯を補う歯科治療のことです。従来ではブリッジや入れ歯を使用する治療が一般的でしたが、近年では第三の方法としてインプラント治療を希望する患者さんが増えています。
ブリッジ治療とは、両サイドの健康な歯を削って橋渡しのような形状の被せ物を装着し、失われた歯を補う歯科治療のことです。比較的治療期間が短いため、選択する方が増えている治療法でもあります。基本的に健康保険を適用することが可能です。
ただし、健康な歯を削ったり神経を取ったりして治療を行うため、周りの歯の寿命が短くなってしまう可能性があります。両サイドと被せ物がつながっているため、一部に症状がでると被せ物をすべて取り外し、作り替える必要があります。
入れ歯とは、取り外し可能な人工物で失ってしまった歯を補う歯科治療のことです。インプラント治療やブリッジと比較すると、体や歯への負担が最も少ない治療法です。取り外して毎日洗浄できるので衛生面での安心感があり、万が一割れてしまった場合も簡単に修理ができます。
しかし、失った歯の本数が多いほど、入れ歯が大きくなってしまうため、食べにくかったり発音がしにくかったりといった不便に感じることもあるでしょう。残っている歯で入れ歯を支えるため、一部の歯に大きな負担をかけてしまうことになります。
インプラント治療では、たくさんのメリットが得られます。治療方法やメリットについて、「なんとなく聞いたことはあるけれど具体的には知らない」という方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、インプラント治療のメリットについて解説していきます。
インプラント治療は一部を除き、健康的な歯を利用しない独立した治療が可能です。基本的に失われた1本の歯に対して1本のインプラント体を埋め込むため、周囲の歯に負担をかけずに治療を行えます。残っている健康な歯を守れるため、将来的に自分の歯でしっかり食事がしたい方は、インプラントが最適です。
インプラント体は骨と結合しやすいチタンを使用しています。チタンは劣化しにくく、インプラント体がしっかり骨に固定されるため、自分の歯のような感覚でしっかりと噛めます。ブリッジや入れ歯のように、うまく噛み切れない、食事中に外れるなどのトラブルが起こりにくいです。
インプラント治療で制作する人工歯は、セラミックやジルコニアで制作します。保険内で制作するブリッジや入れ歯のように、色味が合っていなかったり金具が目立ったりするような心配がありません。天然の歯とよく馴染むため、大きく口をあけることに抵抗を感じないでしょう。
上記で紹介したようにたくさんのメリットが得られるインプラント治療ですが、残念ながらデメリットも存在します。
ここからは、インプラント治療のデメリットについて解説します。
インプラント治療は基本的に健康保険が適用されません。自費診療となるため治療費が高額で、本数や症例により費用が異なります。また、自由診療はクリニックがそれぞれ金額を設定できるため、クリニックごとに費用の差がでることもあります。
歯茎の中にあるあごの骨にインプラント体を埋め込む手術のため、麻酔が必須の手術です。持病・基礎疾患がある場合は、インプラント治療ができない可能性があるため、医師へ事前に相談する必要あります。また、妊娠・授乳している場合も同様で、事前に相談または延期する必要があるでしょう。
インプラント治療は、二回に分けて手術を行うため、他の治療に比べて治療期間が長いです。
症例によって異なりますが、早くても4~6ヶ月程度の時間がかかるため、大事な予定がある場合は、事前にしっかりと確認しておかなくてはいけません。手術後は定期的にメンテナンスに通い、インプラント歯周炎を予防する必要があります。
インプラント治療を検討している方が一番気になるのは、やはり治療費ではないでしょうか。インプラント治療は健康保険が適用されないため、経済的な事情で他の治療を選択するケースも多いでしょう。
インプラント治療にかかる治療費の総額は、1本30~50万程度です。実際に診察をしてみないと具体的な費用は分かりませんが、治療費の内訳を以下の表にまとめました。
精密検査・診断料 | 15,000~50,000円 |
---|---|
インプラント手術費 | 150,000~350,000円 |
人工歯代 | 50,000~200,000円 |
メンテナンス費 | 1,500~10,000円 |
インプラント治療は、使用するインプラント体や支台部のメーカーによっても費用が異なります。人工歯も制作する素材や部位によって費用が異なるため、予算がある場合は事前に医師とよく相談しましょう。
ここでは、インプラント治療のおおまかな流れを解説します。
インプラント治療は、周囲の健康な歯を守りながら、自分の歯と同じように扱える治療方法です。もちろん、高額な費用や大がかりな手術が必要になるなどのデメリットも存在しますが、それらを上回るメリットが十分にあるといえるでしょう。
失われた歯の治療法でお悩みの方、インプラント治療を検討している方は、ぜひ一度山手歯科クリニックへお気軽にご相談ださいませ。
監修:理事長/齋藤和重
2022/04/13
インプラント治療を進められている方や検討している方は、デメリットが気になっているのではないでしょうか。治療の前は、ついメリットのほうに目が行きがちですが、歯科インプラントにももちろんデメリットやリスクがあります。
そこでこの記事では、インプラントのメリットとデメリットについて解説します。歯は一生もののとても大切な器官です。インプラント手術に踏み切る前に、メリットだけでなくデメリットも確認しておくと安心です。
歯科インプラント治療は、基本的に自費診療のため、治療費が高額になることがほとんどです。外科手術を伴うことから、痛みや腫れなど、身体への負担が生じるリスクもあります。インプラント治療が終了した後も、日々のお手入れだけでなく、歯科医院での定期的なメンテナンスも必須です。これらのメンテナンスを怠ると、感染症を引き起こすことがあり、非常に危険です。
しかし、治療を開始する前にこれらのデメリットやリスクについて正しく把握をしておけば、事前に充分な対策をとることができます。また、適切な質問を歯科医師にすることで、納得したうえで治療を開始することもできるでしょう。
ここからは、インプラント治療の5つデメリットについて解説していきます。
前述のとおり、インプラントは基本的に自費診療であり、健康保険適用外の治療法です。そのため、入れ歯やブリッジなどに比べて治療費が高額になります。具体的な費用は、インプラント1本につき平均で200,000円から400,000円と、歯科医院や症状によって差が大きいです。
このように高額なインプラント治療費ですが、医療費控除を活用すれば、ある程度負担を軽減することができます。インプラントにかかる費用は医療費控除の対象です。
インプラント費用を含む医療費を1年間に100,000円以上支払った場合、確定申告の際に手続きをすれば所得税の一部が還付され、翌年度の住民税が減税されます。以下に確定申告時のポイントを記載しますので、ぜひ参考にしてください。
インプラント治療は入れ歯やブリッジに比べると、治療期間が長期に及びます。これは、埋め込んだインプラントが顎の骨に定着するまでに時間を要するためです。それぞれの患者さまの症状にもよりますが、上顎で5ヶ月前後、下顎で3ヶ月前後かかるのが一般的です。
インプラント治療には外科手術が必要になるので、相応のリスクがあります。持病をお持ちの場合や妊娠中の場合は、事前に歯科医師と事前に相談しておきましょう。
手術中は局所麻酔を使用するため、痛みはほとんどありません。それでも恐怖や不安を感じる場合には、笑気麻酔などを併用して、うたた寝をしているときのようなリラックスした状態で施術を受けることができる、鎮静法を使用できる場合があります。
術後には鎮痛剤が処方されますので、麻酔の効果が切れたときに備えて服用しましょう。
インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要です。歯科医院でのメンテナンスでは、人工歯の脱落や、スクリュー部分の緩みを防止する目的があります。一般的に、4~5ヶ月の期間ごとにメンテナンスのための通院をしている方が多いようです。
インプラントのメンテナンスと同時に、歯科検診を行ってもらうようにすれば、お口の中の健康を保ちやすくなります。
インプラント治療後にもっとも注意すべきなのは、インプラント周囲炎という感染症を防ぐことです。インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に付着した歯垢によりインプラントの周りで炎症が起きてしまう、歯周病のような病気です。病状が進行すると、インプラントに接している骨が吸収されてしまいます。
これを防ぐためにも、日頃のインプラントのお手入れは天然歯以上に丁寧に行う必要があります。適切なメンテナンスを怠らなければ、感染症のリスクを軽減することが可能です。
これまでデメリットを確認してきましたが、インプラント治療には入れ歯やブリッジにはない、優れたメリットもあります。具体的に、以下の5つのメリットについて解説していきます。
インプラント治療は、残っている健康な天然歯に負担をかけることがありません。一方で入れ歯やブリッジの場合は、周囲の歯を削ったり、装置を取り付けたりする必要があるため、健康な歯に負荷をかけることになります。
インプラントは自分の顎の骨に土台があるため、天然歯と同じ感覚で噛むことができます。一方で、入れ歯は噛む力が弱まってしまったり、食べ物が隙間に挟まってしまったりという問題が生じやすいです。インプラントであれば、従来と変わらずにしっかりとよく噛んで食事を楽しめます。
インプラントの外から見える部分にあたる人工歯は、セラミックなどによって作られるため、天然歯と同じような見た目で審美性に優れています。
天然歯を失うと、咀嚼しても顎の骨にまで刺激が伝わらなくなり、骨が徐々に痩せて老け込んで見えてくることがあります。インプラントは直接顎の骨に埋め込むため、咀嚼の刺激が行き届き、骨が痩せるのを防いでくれます。
デメリットとして、「メンテナンスが必要である」ということをご紹介しましたが、正しい手入れを怠らなければ、インプラントは長持ちします。厚生労働省が行った調査によると、10~15年後にインプラントが正常に機能している割合は、上顎で約90%、下顎で94%という結果がでています。
今回の記事では、インプラント治療には入れ歯やブリッジにはない魅力的なメリットが多い反面、デメリットやリスクが存在することを解説してきました。これらのデメリットへの対策をするためには、信頼できる歯科医院を選ぶことが一番の近道です。
「山手歯科クリニック」では、以下の5つの理由から、数多くの患者さまのご信頼をいただいております。
セカンドオピニオンも承っております。インプラントに関してご不安やお悩みを抱えていらっしゃる方はご相談ください。
監修:理事長/齋藤和重