2023/06/17
前歯のインプラントは失敗する可能性があることを知っていますか?
前歯のインプラントは他の部位よりも難しいので、症例の多い歯科医院を選ぶことが重要です。
知っておきたい失敗例や注意点・失敗を防ぐ方法・失敗した時の対処法などを紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
前歯のインプラントは、奥歯のインプラントと比べて難しい治療です。
その理由として、以下が挙げられます。
総じて、医師の技量によるものが大きいと言えます。
前歯のインプラント治療を受ける際は、実績のある歯科医院を選びましょう。
前歯のインプラントを受ける前に、まず知っておきたい注意点があります。
何も知らないまま受けるのとでは、手術に臨む心構えが大きく違ってくるでしょう。
中でも気をつけたい注意点は以下3つです。
それぞれについて解説します。
前歯のインプラントは、理想と異なる可能性があります。
なぜならインプラントがオーダーメイドで1本1本作られているためです。
医師と患者の間で意思共有ができていないと、理想とは異なる仕上がりになってしまいます。
また、インプラントには被せ物が必要です。
写真と実際に装着するのとでは、見た目の印象が異なります。
事前のカウンセリングで、理想と現実の摺り合わせは必ず行っておきましょう。
前歯のインプラントは、歯茎が下がってしまう可能性があります。
前歯の顎骨が奥歯と比べて薄いためです。
特に歯周病になっていると、歯茎が下がる問題が発生しやすくなります。
歯茎が下がると、埋め込んだインプラントが透けます。
結果、歯茎部分が黒く見えてしまうこともあるのです。
治療前に綿密な検査を受け、自身の骨の状態を把握しておきましょう。
治療を受ける歯科医院が、骨や歯茎を増やす治療法に対応しているかも確認しておくと良いでしょう。
インプラント治療では、仮歯が入る期間が約1~3ヶ月あります。
土台であるインプラントを埋め込んだ後、状態が安定するまで待つ必要があるためです。
ただし、この期間は個人差が大きく、一概には言えません。
人によってバラバラです。
事前に自身の状態を主治医に確認しておくと良いでしょう。
前歯のインプラントは、他の部位と比べて難しい治療です。
当然ながら失敗する可能性もあります。
なるべくなら、どんな失敗があるか治療前に知っておきたいですよね。
代表的な失敗例には、以下の5つがあります。
失敗例もそれぞれ見ていきましょう。
前歯のインプラントをする際、埋め込む位置がズレることにより失敗するケースがあります。
主に担当医の技量不足によって起こる失敗です。
ズレには様々なものがあり、以下の3つに分類されます。
計画通りに埋め込めないと、インプラントや上部構造へかかる力のバランスが狂い、結果として噛み合わせがおかしくなるケースも確認されています。
インプラントを埋め込む位置は、非常に重要なのです。
ズレると失敗になる可能性が非常に高くなります。
骨造成の失敗によって、インプラントが失敗するケースもあります。
日本人の骨格的に、前歯への骨造成が難しいことが原因です。
ただし、骨造成は誰にでも行われる治療ではありません。
インプラントを埋め込むための骨の高さや幅が足りない場合にのみ行われます。
骨造成の難易度の高さから失敗し、結果的にインプラントの失敗へと繋がるのです。
インプラントが骨と結合しなかったために、失敗となるケースもあります。
予定していた位置や深さでインプラントを埋め込まないと、うまく骨と結合できないのです。
同様に骨にドリルで穴を開ける際に起こるオーバーヒートも起こり得ます。
顎骨に余計なダメージを与えてしまい、インプラントと骨が結合しないケースもあるのです。
両者がうまく結合できないことで、失敗となります。
インプラント周囲炎を発症するケースもあります。
インプラントは歯根膜を持っていないため、細菌に弱く感染しやすいのです。
インプラント周囲の歯茎が歯周病になると、一気に進行することもあります。
毎日のセルフケアをサボると直面する失敗です。
これらを守ることで予防できます。
インプラント周囲炎の発症は治療失敗に繋がるため、気をつけましょう。
インプラントが破損してしまうケースもあります。
この場合、インプラントの素材か生活習慣が原因です。
歯には想像以上の力がかかっています。
普段から歯に力のかかる生活をしていると、破損する可能性が高くなります。
インプラントが破損しないように、治療前に生活習慣を振り返ってみましょう。
前歯のインプラントには、どうしても失敗のリスクが付きまといます。
治療を受ける際は、なるべくリスクを軽減して臨みましょう。
インプラントを考えている方は、以下のポイントを意識してみてください。
失敗を防ぐ方法もそれぞれ解説します。
格安のインプラントはなるべく避けてください。
人件費や医療機器を削減している可能性があるからです。
インプラントは自由診療のため、高額になってしまいます。
ですが高い金額には理由があるのです。
他にも歯科医院によっては、更にコストとして加算されているものもあります。
共通しているのは、どれも治療にとって必要なものという点です。
金額を抑えようとすると、どれかをコストカットしなければいけません。
結果、患者側に負担を強いる形になります。
格安だからといって飛びつかないようにしましょう。
歯科医院のHPにインプラントの症例が掲載されているかも重要です。
ちゃんと治療をしている歯科医院なら、実績と信頼の証として掲載しています。
逆に掲載されていないと、前歯のインプラントの対応数が少ない証となるでしょう。
前歯のインプラントで失敗しないためにも、重要な項目です。
症例数は歯科医院の信頼度を確認するバロメーターなので、必ず確認しましょう。
医師がメリットとデメリットをカウンセリングで説明してくれるかも重要です。
前歯のインプラントは難しい治療のため、デメリットまで納得した上で治療を受けてください。
特に糖尿病などの病気を患っているのなら、なおさらです。
インプラントには、メリットではなくデメリットもあります。
両方を知り、納得した上で治療を受けなければ後悔することになりかねません。
ちゃんとデメリットまで説明してくれると、患者に向き合ってくれる医師だと判断できます。
前歯のインプラントを受ける際は、設備の充実度も確認してください。
充実しているほど、インプラントの手術に必要な情報を多く集められるからです。
代表的なものはCTでしょう。
CTがあると治療計画を立てやすくなり、術後でも骨の状態確認で使えます。
設備の充実度はインプラントにおいて重要です。
カウンセリング時にどのような設備があるのかを質問しておくと良いでしょう。
セルフケアも重要です。
インプラントは、手術だけでなく術後の生活によってインプラント周囲炎になる可能性があります。
セルフケアを手間と感じず、続けていけるかが大切です。
歯の清掃がうまくできていないと、インプラント周囲炎によって歯茎が下がってしまう可能性があります。
インプラントが露出すると再手術が必要です。
これまでセルフケアをサボっていた方は、意識してブラッシングをしなければいけません。
自分の歯を自分で守っていくように意識しましょう。
実際に前歯のインプラント治療を受け、失敗した場合はどうすれば良いのでしょうか。
症状が現れると迷ってしまうでしょう。
その際は、放置せずに以下の方法で対処してください。
それぞれ見ていきましょう。
インプラントを失敗したと感じたら、まずは主治医に相談してください。
主治医は手術の内容を1番知っている人物であるためです。
歯茎を開いた本人だからこそ、再手術をする際にもスムーズに進められます。
失敗するとつい「信頼ならないから変える」と考えてしまいがちです。
しかし、主治医を変えたところで事態が改善するとは限りません。
それよりも、失敗した後にどうすれば良いのかを考えてくれる主治医の方が適任です。
前歯のインプラントを失敗した場合は、まず主治医に相談しましょう。
どうしても主治医に相談できない場合は、セカンドオピニオンとして他院へ相談する方法もあります。
この場合、歯科医院選びが非常に難しいでしょう。
ただし、実際にインプラントの施術をしたわけではないため、対応が難しいと判断される可能性もあります。
他人が失敗した後のやり直しは、非常に難しいのです。
主治医への相談も候補に入れつつ、セカンドオピニオンとして他院へ相談してみてくださいね。
前歯のインプラントは、他の部位と比べて失敗しやすい傾向にあるため注意が必要です。
施術の難易度も高く、歯科医師の技量が問われます。
治療を受ける際は、事前のカウンセリングを納得できるまで受けましょう。
失敗しないためには、歯科医院選びが重要です。
治療費や症例など、HPからでも確認できるポイントは多くあります。
歯科医院選びの参考にしてください。
もし失敗したら、まず主治医に相談しましょう。
前歯のインプラントは失敗する可能性があると理解した上で、治療を受けてくださいね。
東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:山手歯科クリニック(大井町・戸越公園) 理事長/齋藤和重