欠損のはじまりは
歯周病と虫歯から

歯周病や虫歯によって歯を失った際、「1本くらいなら大丈夫だろう」と軽く考えてしまう方も多いかもしれません。しかし、その「たった1本」の欠損が、全身の健康に影響を及ぼす「欠損の連鎖」の引き金になる可能性があるのです。歯の欠損は、噛み合わせや顎のバランスに影響を与えるだけでなく、食生活の質低下や身体全体の健康に波及するリスクも伴います。一見些細に見える1本の歯の喪失が、さらなる問題を引き起こす可能性があることを知っておきましょう。
「欠損の連鎖」とは?

「欠損の連鎖」とは、たった1本の歯を失うことで、その影響が次々と広がり、お口全体の健康が悪化する現象を指します。この連鎖反応は、単なる口腔環境の問題にとどまらず、全身の健康にも大きな影響を及ぼすことがあります。欠損の連鎖は、以下のような段階を経て進行していきます。
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ステージ1
歯を1本失う虫歯や歯周病などが原因で、まず1本の歯を失います。この第一歩は多くの場合、一番奥の歯である「第一大臼歯」に発生しやすく、その後「第二大臼歯」へと波及することが一般的です。この段階では、部分入れ歯やブリッジといった補綴治療が行われますが、これらの治療法には周囲の歯に負担をかける側面があります。
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ステージ2
歯を複数本失う部分入れ歯やブリッジを使用することで、健康な歯に余計な力が加わり、支えている歯が傷みやすくなります。その結果として、複数の歯が次々と失われる可能性が高まります。この段階では咬み合わせが徐々に不安定になり、食事や発音などの機能にも支障が生じ始めます。
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ステージ3
多くの歯を失う咬み合わせのバランスがさらに崩れると、歯の脱落が加速し、ついには多くの歯を失う事態に至ります。この状態では、お口の機能が著しく低下するだけでなく、全身の健康にも深刻な影響を与えることがあります。食べ物を十分に噛めなくなることで栄養摂取が不十分になり、消化器系や筋力低下などのリスクが増大します。
こんなお悩み・症状ありませんか?
- 口臭が気になる
- 朝起きたときに
口の中がネバネバする - 歯磨きの際に血がつく
- 歯肉が赤く腫れてきた
- 歯肉が下がり、
歯が長く見える - 歯肉を押すと血や膿が出る
- 歯と歯の間に
食べ物が詰まりやすい - 歯が浮いたような
感覚がある - 歯並びが変わった
ように感じる - 歯が揺れているように
感じる
Feelings歯周病治療にかける想い
歯周病は、適切な口腔ケアが行われていない場合に発生する病気です。歯と歯茎の間にプラークと呼ばれる細菌の塊がたまり、それが原因で歯茎に炎症が起こります。炎症が進行すると、歯茎は徐々に後退し、歯を支える骨が次第に破壊されていき、最終的には歯を失う原因となります。
この病気は時間をかけて進行し、早期に発見し適切に治療しないと、深刻な状態に陥る可能性があります。重度の歯周病になると、歯を失うだけでなく、歯茎の奥深くで感染が広がり、慢性的な痛みや噛むことの困難さを引き起こし、さらには自信を失うことにもつながります。
こうした問題は、日常生活に大きな支障をきたし、食事を楽しむことや人との交流にも悪影響を及ぼす可能性があります。東京都品川区でスマイルと機能性を追求した歯周病治療を専門に行う当院では、日々この問題に専門に治療を行う歯科医院として立ち向かっております。

歯周病とインプラントの関係性
インプラント治療は、歯周病で歯を失った患者様にとって、生活を大きく改善する手段となり得ます。適切に行われたインプラント治療は、患者様の日常生活における快適さや自信を取り戻す助けとなり、その効果は非常に大きいものです。しかし、歯周病によって骨が失われている場合、インプラントを支えるための骨量が不足していることがあり、これがインプラント治療の成功において大きな課題となります。インプラントの安定性には十分な骨が必要であり、骨移植などの追加治療が必要なことも少なくありません。さらに、治療後も適切な口腔ケアを続けることが重要であり、再度歯周病を発症しないよう、日々の衛生管理を徹底する必要があります。インプラント治療は、患者様の長期的な健康を支えるために、歯科医師との綿密な連携が求められます。
インプラント治療を成功させる為に

インプラント治療を成功させるためには、まず歯周病を安定させることが重要です。歯周病が進行すると、骨が吸収されてしまい、インプラントを支えるための骨量が不足してしまう可能性があります。これにより、インプラントの脱落や露出といったトラブルが発生するリスクが高まります。また、歯周病が完全に改善されないままインプラント治療を行うと、治療の失敗率が上がる危険性もあります。インプラント治療を進めるためには、患者様のお口の中が健康な状態であることが必須です。そのため、歯周病を克服した後にインプラント治療を開始することが一般的です。
インプラント治療のメリット

インプラント治療には、いくつかの大きなメリットがあります。まず、義歯をしっかりと固定できるため、天然歯に近い噛み心地を得られます。さらに、残っている歯を削ったり、義歯を安定させるための装置を取り付ける必要がないため、他の歯への負担が少なくなります。その結果、東京都品川区でスマイルと機能性を追求したYDC精密歯周インプラント治療を専門に行う当院では、歯の欠損が連鎖的に広がるのを防ぐことができ、長期的に健康な口腔環境を維持しやすくなります。
歯周病の影響と治療の重要性
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歯周病は、口腔ケアが不十分な場合に発生する細菌感染症で、
歯茎や歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失う原因となります。
初期症状には歯茎の腫れや出血、口臭が含まれますが、進行すると歯の動揺や膿が生じ、
日常生活や食事に支障をきたします。 -
歯周病が進行すると、インプラント治療の成功率が低下するため、
事前に歯周病を治療することが必須です。
歯垢や歯石を取り除き、健康な口腔環境を維持するための定期的なケアが重要です。
インプラント治療は、失った歯を補い、天然歯に近い機能を取り戻す効果的な方法で、
長期的な口腔健康の維持に寄与します。
歯周病の段階について
歯周病は、口腔ケアが不十分な場合に発生する細菌感染症で、歯茎や歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失う原因となります。初期症状には歯茎の腫れや出血、口臭が含まれますが、進行すると歯の動揺や膿が生じ、日常生活や食事に支障をきたします。
歯肉炎(初期段階) | 軽度歯周炎 | 中等度歯周炎 | 重度歯周炎 |
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![]() 歯肉炎は歯周病の最初の段階で、歯茎のみに炎症があり、骨の破壊はまだ始まっていません。主に子供や若年層に多く見られる状態です。 |
![]() 歯肉炎が進行すると歯周炎に移行します。歯茎の腫れが続き、歯と歯茎の間に深い溝(歯周ポケット)ができ、そこに歯周病菌が溜まりやすくなり、骨が溶け始めます。 |
![]() さらに進行すると、骨が半分程度破壊され、歯周ポケットが深くなります。 |
![]() この段階では、歯の周囲の骨が半分以上破壊されており、歯が大きく揺れ、食事に支障をきたすこともあります。 |
症状歯茎が赤く腫れ、歯磨き時に出血することがあります。歯茎が敏感になっているため、ヒリヒリとした痛みや歯ブラシが当たる際の痛みを感じることもありますが、この段階で適切に治療すれば、完治が可能です。通常は簡単な治療で改善します。 |
症状歯茎が赤く腫れ、歯磨き時に出血することがあります。歯茎が敏感になっているため、ヒリヒリとした痛みや歯ブラシが当たる際の痛みを感じることもあります。 |
症状口臭の悪化、膿の排出、歯のぐらつきなどが見られます。 |
症状歯茎が大きく腫れ、強い痛みが出ることがあります。歯がぐらつき、歯を支えきれずに自然に抜け落ちる場合もあります。 |
治療法ブラッシング指導正しい歯磨き方法を指導し、プラーク(細菌の塊)をしっかり取り除けるようにします。自宅での適切なブラッシングだけで、多くの歯肉炎は治癒します。 スケーリング歯石が付着している場合は、機械や器具を使って歯石除去(スケーリング)を行います。 |
治療法ブラッシング指導家庭で効果的なブラッシングができるよう指導し、治療効果を高めます。 スケーリング歯ブラシでは落とせない歯石を機械や器具で除去します。 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)歯周ポケット内に溜まった歯垢や歯石を専用の器具で丁寧に取り除きます。 |
治療法ブラッシング指導効果的な磨き方を指導し、治療効果を引き出します。 スケーリング歯石を機械や器具で取り除き、歯茎を引き締めます。 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)より深い歯周ポケット内の歯石を専用器具で取り除きます。この段階では治療にかかる時間や回数が増えます。 |
治療法ブラッシング指導効果的なブラッシング方法を指導し、家庭でのケアを徹底させます。 スケーリング歯石を取り除き、歯茎の引き締めを行います。 スケーリング・ルートプレーニング(SRP)深い歯周ポケット内の歯石や歯垢を丁寧に除去します。時間と回数が多くかかります。 歯周外科深い歯周ポケットがある場合、外科的に歯茎を切除し、ポケットを浅くして汚れが溜まりにくい状態にします。 抜歯重度の歯周病で歯を残すことが難しい場合、周囲の歯に悪影響を与えないよう抜歯が推奨されることもあります。 |
歯周病の影響と
治療の重要性

歯周病は、口腔ケアが不十分な場合に発生する細菌感染症で、歯茎や歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失う原因となります。初期症状には歯茎の腫れや出血、口臭が含まれますが、進行すると歯の動揺や膿が生じ、日常生活や食事に支障をきたします。
歯周病が進行すると、インプラント治療の成功率が低下するため、事前に歯周病を治療することが必須です。歯垢や歯石を取り除き、健康な口腔環境を維持するための定期的なケアが重要です。インプラント治療は、失った歯を補い、天然歯に近い機能を取り戻す効果的な方法で、長期的な口腔健康の維持に寄与します。
重度の歯周病治療を
詳しく知る
中等度歯周病がさらに進行すると日常生活に大きな支障が出始めます。食事が困難になることはもちろん、歯周ポケットが広がり、歯根が露出するため、歯がぐらついたり、膿が出るなどの症状が顕著になります。歯周ポケットが6mm以上に達し、歯根には大量の歯石が付着している状態です。この段階まで進行すると、歯を残せるかどうかの判断が必要です。歯の状態や周囲の歯を考慮し、場合によっては「戦略的抜歯」を行い、残っている健康な歯を守るための治療を進めます。
重度歯周病の主な症状重度の歯周病は、これらの症状がはっきりと現れ、患者様の生活に大きな影響を与えることがあります。歯周病は、歯周病菌が炎症を引き起こし、歯を支える骨が徐々に溶けてしまう病気です。そのため、進行が進むと歯が支えられず、最終的には自然に抜けてしまうこともあります。実際、歯を失う原因の第一位が歯周病ですので、早期の治療が非常に重要です。
- 口の中がネバネバする
- 強い口臭が発生する
- 膿が出てくる
- 歯のぐらつきが進み、食事に支障が出る
- 歯と歯の隙間が広がり、食べ物が挟まりやすくなる
- 歯ぐきが下がり、歯が長くなったように感じる
重度歯周病の治療と
抜歯の意義
重度の歯周病治療では、歯周基本治療を通じて歯垢や歯石を除去し、病気の進行を抑えることから始めます。保存が難しい歯は抜歯が検討され、歯の動揺が強い場合には歯周補綴治療を用いて固定と安定を図ります。さらに、深部の歯石を除去する歯周外科治療や、失われた組織を再生する歯周組織再生療法が必要となる場合もあります。
抜歯には多くのメリットがあり、歯周病による心血管疾患や糖尿病のリスク軽減、感染の広がりを防ぐ効果が期待されます。また、痛みや不快感の解消、口腔衛生の向上、補綴治療の選択肢拡大により、見た目や噛み合わせの改善も可能です。ただし、抜歯は最終手段と位置づけられ、可能な限り歯を保存する治療が優先されます。治療方針は歯周病の進行状況や患者様の全身状態を考慮し、歯科医師との綿密な相談のうえ慎重に決定されます。
歯周外科・歯周組織再生療法全顎
(お口全体を見た)治療
健康なお口にしっかり治す

噛む力を機能改善

世界で学び続けた技術と歯周治療30年の実績を元に
東京都品川で歯周病・歯周再生療法を専門に行います。


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療骨 / 歯茎 / 歯肉の修復させる
歯周組織再生療法・歯周外科
(厚労省認定)安全性と効果を重視した最先端の治療法として、患者様ご自身の血液から成長因子を抽出する「PRGF療法」を採用しています。この治療法は他生物由来成分を使用せず、副作用のリスクがないため安心して受けられます。インプラント治療や抜歯後の治癒促進、歯周病治療に幅広く活用され、短期間で効率的な組織修復を可能にします。また、光応用技術を用いた「バイオマテリアル」により、老化したチタン製インプラントの接着率を最大99.8%まで向上させることができ、治療成功率の大幅な向上に貢献しています。これらの治療法で、患者様に最適な治療を提供します。
- 骨の修復
- 歯茎の修復
- 歯肉の修復
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噛む力を機能改善させ再発しない
口腔内にする為の全顎治療お口全体を見渡した「総合的な全顎治療」を提供しています。むし歯や歯周病が再発する原因は、症状だけを治療して根本的な問題を解決しないことにあります。この治療は、症状を取り除くだけでなく、なぜ発生したのかを追求し、咬み合わせや歯並びなど、お口全体の健康を回復・維持することを目指します。これにより、むし歯や歯周病の予防効果が高まり、歯の寿命を延ばし、全身の健康維持にも寄与します。また、咬み合わせの改善により姿勢や表情が整い、見た目も向上。結果として治療の必要性が減り、患者様の負担を軽減することが可能です。
- 噛む力を
即日改善 - 美しい
口元へ - 高度な
技術を要する
治療
- 噛む力を
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再発させない
予防メインテナンス環境歯周治療後のメインテナンスは、歯の喪失を抑え、歯周病の再発を防ぐうえで非常に重要です。データによると、治療を受けなかった人が5年間で平均1.8本の歯を失うのに対し、治療後メインテナンスを継続した人はわずか0.5本しか歯を失いません。これは、定期的なプロフェッショナルケアがセルフケアで届きにくい歯周ポケット内の汚れを除去し、再発リスクを軽減するためです。当院では、歯周治療後に3か月ごとの定期メインテナンスを推奨しており、問診、検査、ブラッシング指導、クリーニングを実施。セルフケアの質を高めるアドバイスが出来る環境を提供しています。
- 再治療
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環境 - インプラント
周囲炎対応 - 専門の
歯科衛生士
在籍
- 再治療
Reasons当院が選ばれる6つの理由
お口の 健康 + 噛む力
を追求する
6 つの 特徴
当院では、歯周病や歯周再生療法の最適な治療を実現するため、最新のCTスキャナーや専用オペルーム、画像解析ソフトを導入しています。厚生労働省認定施設として安全性と信頼性を追求し、30年以上の実績を基に負担を軽減した低侵襲治療を提供。PRGF再生療法を用いて、骨や歯茎、歯肉の修復を行い、患者様一人ひとりに合わせた治療法を提案します。また、徹底したカウンセリングを重視し、治療前に患者様と目標を共有することで、安心して治療を受けていただける環境を整備。さらに、痛みを最小限に抑えた無痛治療や、専門的なメインテナンスを通じて、健康な口腔環境の維持をサポートしています。
- Reasons01
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導入 - Reasons02
歯周病治療
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実績と安心 - Reasons03
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選択肢をご提示 - Reasons04
「納得するまで」
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カウンセリング - Reasons05
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少ない治療 - Reasons06
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予防
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設備を導入歯周病や歯周再生療法の最適な治療を実現するため、CTスキャナーや専用オペルーム、画像解析ソフトなどの最新設備を導入しています。これらは医師の技術を最大限に引き出し、患者様に安心と安全を提供します。また、当院は厚生労働省の厳しい基準をクリアした東京都内でも2%しかない認定施設の一つであり、高い安全性と信頼性を誇ります。
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Reasons02
歯周病治療
30年の実績と安心30年以上の実績を活かし、患者様に優しい低侵襲治療を提供しています。歯周病や歯周再生療法では、外科主導から負担を軽減する治療法へと進化していますが、高度な術式には経験と技術が不可欠です。当院は、世界レベルの研修を継続的に受講し、最新技術を導入することで、安全で信頼性の高い治療環境を整備。豊富な経験と技術を基盤に、質の高いインプラント治療を実現しています。
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Reasons03
患者さま毎に選択肢を
ご提示厚生労働省認定の再生医療提供機関として、高い信頼性と実績を誇るPRGF再生療法を行っています。この治療法は、骨、歯茎、歯肉の修復を目的としており、患者様の症状や骨の状態に応じた精密な解析とシミュレーションを実施します。その上で、一人ひとりに最適な歯周組織再生療法や歯周外科治療をご提案し、安全かつ効果的な治療を提供しています。
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Reasons04
「納得するまで」徹底したカウンセリング
当院では、口腔内写真やCT・レントゲン撮影を活用し、患者様のお口の状態を詳細に確認した上で、最適な治療内容と計画をご提案しています。特にインプラント治療は、費用や期間、術後のメンテナンスを含む長期的な取り組みが必要なため、治療開始前に患者様の目標やご希望を十分に共有し、一緒に進めることを大切にしています。患者様が安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明と信頼関係の構築を心がけています。
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Reasons05
痛みの少ない治療~できるだけ痛くない治療を心がけています~
歯科治療と聞くと「痛い」というイメージから治療を後回しにしがちですが、歯周病や虫歯は早期治療ほど簡単な処置で済み、身体的・金銭的負担を軽減できます。当院では可能な限り「痛くない」無痛治療を心がけており、静脈内鎮静法などを行うことによって患者様が安心して治療を受けられる環境を整えています。
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Reasons06
充実した予防メインテナンスサポート
歯周病は、適切なセルフケアと定期的なメインテナンスによって予防や再発を防ぐことが可能です。当院では、歯周治療の専門知識を持つ歯科医師が在籍し、患者様の状態に応じた最適なメインテナンスを提供しています。特に、歯周病やインプラント治療後の再発防止に力を入れ、一人ひとりに合ったサポートで健康な口腔環境の維持を目指します。継続的なケアを通じて、患者様の快適な生活をお手伝いいたします。
治療の流れ
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Step01
各種検査
歯周病治療の第一歩は、患者様の口内環境を正確に把握することです。歯周ポケットの深さを測定し、レントゲン撮影や口腔内の写真撮影を行い、歯周病の進行状況を詳細に評価します。さらに、希望される患者様には、口内細菌の培養検査を実施し、歯周病の原因となる細菌を特定することで、より的確な治療方針を立てることが可能です。これらのデータをもとに、患者様一人ひとりの状況に応じたオーダーメイドの治療計画を策定します。
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Step02
プラークと歯石の除去
歯周病の主な原因であるプラークと歯石の除去は、治療の基盤となる重要なステップです。プラークは歯の表面に付着した細菌の塊で、これが硬化すると歯石となります。専用の器具を用いて、歯と歯茎の境目や歯周ポケット内のプラークや歯石を徹底的に除去。これにより、歯茎の炎症を抑制し、健康な口腔環境への回復を促します。
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Step03
外科的処置
中等度から重度の歯周炎の場合、非外科的治療のみでは十分な効果が得られないことがあります。このような場合、専門的な外科的処置が必要です。麻酔を施した上で歯肉を切開し、深い歯周ポケット内に蓄積したプラークや歯石を徹底的に清掃します。さらに、歯茎の形態を整える手術や歯周組織再生療法を行い、失われた骨や歯茎の再生を目指します。これにより、歯の土台を強化し、口腔の健康を長期的に維持する基盤を作ります。
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Step04
治療後のメンテナンス
歯周病治療が完了した後も、再発防止のための継続的なケアが欠かせません。当院では、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアを定期的に行い、患者様の口腔内を健康に保つお手伝いをします。また、患者様ご自身でのセルフケアも重要です。効果的なブラッシング方法や歯間清掃の方法を丁寧に指導し、患者様が日常的に実践できるようサポートします。これにより、健康な口腔環境の維持と再発リスクの軽減を目指します。
FAQ歯周病についてよくある質問
歯周病の主な症状としては、以下が挙げられます:
・歯ぐきの腫れや痛み
・歯磨き時や自然時の歯ぐきからの出血
・歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)が深くなる
・歯周ポケットからの膿(歯槽膿漏)
・歯の動揺やぐらつき
・口臭の悪化
これらの症状がある場合、歯周病の可能性が考えられます。ただし、歯周病は初期段階ではほとんど自覚症状がないまま進行することが多い病気です。そのため、自覚症状がなくても歯周病が進行している場合があります。 また、虫歯になりにくい方は、逆に歯周病にかかりやすいタイプであることも珍しくありません。そのため、これまで歯のトラブルを感じたことがない方でも、歯周病のリスクが低いとは限らないのです。
歯周病と診断された場合、適切な治療を開始することが必要です。歯周病は、歯周組織に炎症が生じる病気で、その進行度に応じて「歯肉炎」と「歯周炎」の2つに分類されます。 歯肉炎は、歯ぐきのみに炎症が起きている状態を指します。一方、歯周炎は、炎症が歯ぐきだけでなく、歯を支える骨(歯槽骨)、歯根膜(歯と歯槽骨をつなぐ組織)、セメント質(歯の根を覆う組織)にまで及んでいる状態です。 治療方法は、炎症の範囲や進行度、骨の吸収の程度によって異なります。初期段階の歯肉炎であれば、適切な歯磨き指導や歯石の除去などで改善が見込めますが、歯周炎の場合は、より高度な治療が必要になることがあります。 まずは、歯科医院で詳細な検査を受け、お口の状態を正確に把握することが重要です。
プラークとは、歯や被せ物の表面に付着して形成される、細菌とその産生物の塊のことを指します。これは食べ物のカスではなく、白っぽいまたは黄色がかった粘着性の物質で、歯にしっかりと付着します。プラーク内に含まれる特定の細菌やその産生物が、歯ぐきに炎症を引き起こし、歯周病の原因となります。 一度付着したプラークは、うがいやスプレー洗浄では取り除くことができません。歯ブラシで丁寧にこすり落とすことが必要です。しかし、プラークに唾液中のカルシウムが沈着すると固まり、歯石へと変化します。この歯石は、歯ブラシでは除去できなくなり、歯科医院での専門的なクリーニングが必要です。 さらに、歯石の表面はザラザラしており、新たなプラークが付着しやすい環境を作ります。この状態が続くと、炎症が進行し、歯周病の悪化を招く悪循環に陥るため、日々のブラッシングによるプラーク除去が非常に重要です。
歯周病は適切な治療を行うことで完治が可能です。ただし、ここでいう「完治」とは、お口の中が歯周病になる前の完全な状態に戻るという意味ではありません。歯ぐきの炎症を抑え、健康な状態を取り戻すとともに、日常的なケアがしやすい環境を整えることで、歯周病の再発を予防することが目標となります。 治療の際には、歯を抜く必要がある場合や、歯周外科治療によって歯ぐきや骨の形態を整える処置が求められることがあります。このような外科的なアプローチにより、歯周病によって損なわれた周囲組織を回復させると同時に、清掃のしやすい状態を作ることが可能です。
歯周病の主な原因はプラーク(歯垢)であり、これを効果的に除去することが予防の基本です。歯ブラシによる歯磨きはもちろん重要ですが、それだけでは十分に清掃できない箇所も多いため、歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助器具を併用することをお勧めします。ただし、お口の状態や歯並びは個人差が大きいため、適切なケア方法は一人ひとり異なります。不適切な歯磨きは歯ぐきを傷つけたり歯をすり減らしたりする可能性もあるため、歯科医院で専門的な歯磨き指導を受けることが効果的です。 また、どれほど丁寧に歯磨きをしても、毎回完璧にプラークを取り除くのは困難です。そのため、歯石が蓄積する前に定期的な歯科検診を受け、専門的なクリーニングを行うことが大切です。この際、どの部分に磨き残しがあるかを確認し、改善につなげるアドバイスを受けることも予防効果を高めます。 さらに、歯周病の原因はプラークだけではありません。詰め物やかぶせ物が合っていない、歯並びや噛み合わせに問題がある、異常な力が特定の歯に加わっているなどの場合には、それらを改善することも予防に繋がります。
歯磨き中に出血が見られる場合、その原因の多くは歯周病に起因しています。歯周病が進行すると歯茎に炎症が起こり、血管がもろくなるため、軽い刺激でも出血しやすくなるのが特徴です。ただし、歯周病以外の要因も考えられます。例えば、硬い歯ブラシで強く磨きすぎることで歯茎を傷つけたり、全身疾患や服用している薬の影響で出血しやすくなることもあります。 歯周病には「歯肉炎」と「歯周炎」の2つの段階があります。歯磨きが不十分な状態が続くと、まず歯茎に炎症が起こり、歯肉炎となります。この段階では適切な歯磨きを行うことで比較的簡単に治すことができます。しかし、歯肉炎を放置すると、炎症が歯を支える骨にまで進行し、骨を溶かす歯周炎に移行します。歯周炎が進行すると、歯がぐらつき、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。
歯茎から出血が見られる場合、歯周病が原因である可能性が高いです。歯茎の出血は、歯周病の初期症状として非常に一般的なサインの一つであり、特に歯磨きや食事中に出血が生じることがあります。この症状は、歯茎に炎症が起こり、血管がもろくなることで発生します。 ただし、出血の原因は歯周病だけではありません。不適切なブラッシングや硬い食べ物の摂取などによる物理的な刺激でも歯茎が傷つき、出血を引き起こすことがあります。
口臭を感じる場合、歯周病が原因となっている可能性があります。歯周病は、口臭を引き起こす代表的な原因の一つです。ただし、口臭には大きく分けて「生理的口臭」と「病的口臭」があり、それぞれ原因が異なります。 生理的口臭は、空腹時や朝起きたときなどに自然に発生する臭いで、食べ物や飲み物(ニンニクやアルコールなど)、タバコの影響も含まれます。一方、病的口臭は、歯周病や虫歯、お口の清掃不足など歯科的な問題に起因する場合があります。また、蓄膿症や胃腸の不調、呼吸器の問題、糖尿病や腎不全など全身的な病気が原因となることもあります。 特に、歯周病が進行すると歯ぐきに炎症が起こり、これが細菌の増殖や悪臭の原因となることが多いです。また、舌の表面に白いコケ状の「舌苔」がたまることで口臭が強くなることもあります。
歯のグラつきは、進行した歯周病による可能性が高いです。歯周病は、歯ぐきの炎症から始まり、症状が悪化するにつれて歯を支える骨を徐々に溶かしていきます。この骨が減少することで、歯は支えを失い、グラつくようになります。 グラつきがひどく、歯を支える骨がほとんど残っていない場合、抜歯が必要となることもあります。しかし、すべてのケースで抜歯が避けられないわけではありません。当院では、骨の再生治療や歯周ポケットを除去する外科的処置を行い、周囲の歯と連結する方法を用いて歯の安定性を高める治療を提供しています。このような治療が功を奏する場合、抜歯をせずに歯を残し、しっかりと咬む機能を回復させることも可能です。
歯周病による歯肉の炎症が全身に及ぼす影響は、近年の研究で次々と明らかになっています。歯周病は単に口腔内の問題に留まらず、全身の健康に影響を及ぼす可能性があり、呼吸器系疾患、心疾患、糖尿病、さらには妊娠中の健康リスクとも関連していることが分かっています。 特に糖尿病とは密接な関係があり、相互に悪影響を及ぼすことが知られています。糖尿病は血糖値のコントロールを難しくし、それが歯周病の進行を加速させる要因となる一方で、進行した歯周病が炎症を通じて糖尿病をさらに悪化させるという悪循環が生じます。 これらのリスクを軽減するためには、毎日の歯磨きをはじめとする口腔ケアを徹底し、定期的な歯科健診を受けることが重要です。また、食生活や運動習慣といった生活習慣全般を見直すことも、歯周病の予防だけでなく、全身の生活習慣病を防ぐために有効です。
歯周病が再発するかどうかは、その進行度によります。軽度の歯肉炎の場合、歯石を除去し、日々の歯磨きを徹底することで再発を防ぐことが可能です。ただし、日常のセルフケアだけで歯石がつきやすい箇所や磨き残しを完全に防ぐのは難しいため、定期的な歯科検診を受けることをおすすめします。専門的なチェックとプロのクリーニングを通じて、再び歯石が蓄積するのを防ぎます。 一方、進行した歯周炎の場合、歯石の除去だけでは歯周病の進行を完全に止めることは難しいことがあります。特に、歯周病菌が原因で歯を支える骨が吸収され、深い歯周ポケットが残っている場合には、細菌が再び繁殖しやすく、歯石も再形成されやすくなります。このような場合には、骨の吸収を修復し、歯周ポケットを改善する治療が必要です。
当院ではレーザー治療による歯周病治療は行っておりません。歯周病は、歯周病菌によって骨が溶けてしまう病気です。レーザー治療は、歯周ポケット内の細菌を減らし、一時的にポケットを清潔に保つことができますが、溶けてしまった骨を再生させたり、深くなった歯周ポケットを根本的に改善することはできません。そのため、レーザー治療の効果が期待できるのは、初期段階の歯周病に限られます。 しかし、進行した歯周病では骨の再生やポケットの改善が必要不可欠です。一時的に歯周病菌を除去しても、深いポケットや損傷した骨を放置すれば、歯周病は再発するリスクが非常に高まります。このため、当院では再生治療を含む歯周外科治療を行い、歯周病を根本的に改善することを目指しています。
再生治療は、歯周病によって失われた歯の周囲の骨を再生させる治療であり、手術を伴います。具体的には、歯ぐきを切開して歯根や骨を露出させ、必要な治療を行います。この手術は局所麻酔を用いて実施されるため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。患者様の負担を最小限に抑えるよう配慮しています。 手術時間は、治療対象となる歯の本数や範囲によって異なりますが、通常は1~3時間程度で終了します。また、術後の感染予防や痛みの軽減のために、抗生物質と痛み止めを処方いたします。
再生治療を行うことで、歯の周囲の骨を再生させ、必要に応じて骨の段差を整える追加の手術を行うことで、歯周病を効果的に治療することが可能です。この治療によって、歯を支える組織が回復し、口腔内の健康を取り戻すことが期待できます。 しかしながら、再生治療はすべての歯周病に適応するわけではありません。治療の効果は、歯周病の進行度や骨吸収の程度によって異なります。例えば、骨の吸収が軽度から中等度であれば再生治療が有効ですが、骨が完全に失われているような重度の歯周病では適応外となることがあります。
歯槽骨の再生治療は、すべてのケースに適応できるわけではありません。骨の吸収の進行具合や形状により、治療が適さない場合もあります。再生治療が可能かどうかは、歯周病の進行度によって判断されます。 一般的に、骨吸収の程度が歯根の半分程度まで進んだ「中等度」の歯周病までが再生治療の対象となります。一方で、骨が歯根の先端まで完全に失われた「重度」の歯周病の場合、再生治療は適応外となることがほとんどです。
再生治療は、高度な技術と豊富な経験を要する外科的処置が含まれるため、すべての歯科医院で対応できるわけではありません。この治療には、専門知識を持つ歯科医師による正確な診断と、実績に基づいた技術が求められます。 当院では、再生治療に特化した体制を整え、これまで数多くの患者様に治療を提供してまいりました。骨や歯茎の修復を目的とした治療においても、個々の症状や状態に応じた最適なアプローチを行っています。
歯肉は人体の中でも特に治癒が速い部位ですが、骨の再生には比較的長い期間を要します。特に、再生治療となると治療の計画や進行状況によって個人差があるものの、骨の再生には半年から1年以上かかる場合があります。当院では、平均して約10か月程度の期間を見込んでいます。 治療プロセスでは、骨がどの程度再生したかを確認するための検査を行います。もし骨に異常な形態が残っている場合は、それを改善するために再度外科的処置を行うことがあります。この場合、追加の処置後にも約2~6か月の治癒期間が必要となります。
Accessアクセス情報
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山手歯科クリニック大井町
- 所在地
- 〒140-0011
東京都品川区東大井5-25-1 カーサ大井町1F - アクセス
- JR京浜東北線、東急大井町線、りんかい線「大井町駅」より徒歩4分
診療時間 月 火 水 木 金 土 日 祝 10:00~13:00 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 14:30~18:30 ○ ○ ○ ○ ○ △ -
山手歯科クリニック戸越公園
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東京都品川区戸越5-10-18 - アクセス
- 京浜急行電鉄大井町線「戸越公園駅」より徒歩1分
診療時間 月 火 水 木 金 土 日 祝 10:00~13:00 ○ ○ ○ ○ ○ 14:30~18:30 ○ ○ ○ ○ △
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