2023/05/07
この記事では「インプラント治療で使用されるレントゲン撮影の種類」について紹介していきます。
結論、インプラント治療で使用されるレントゲンの種類は、パノラマレントゲン・デンタルレントゲン・歯科用CTの3種類が挙げられます。
他にも「レントゲン撮影で分かること」や「レントゲン撮影無しでインプラントを行うリスク」についても解説します。
ぜひ今回の記事を参考に、インプラント治療で使用されるレントゲンの種類について理解を深めてみてください。
また「レントゲン治療はやり直し可能かどうか」について知りたい方は、こちらにて解説を行っておりますので、ぜひ確認してみてください。
インプラント治療で使用されるレントゲンの種類については、以下が挙げられます。
・パノラマレントゲン
・デンタルレントゲン
・歯科用CT
それぞれのレントゲンの種類について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
パノラマレントゲンは、1枚のフィルムに歯や顎の骨などの全体像を確認ができるレントゲン撮影です。
鼻から下あごまでの全体像を把握できるメリットがありますが、細かな位置や形を詳しく検査するのが難しくなるので、あらかじめ注意が必要です。
また、パノラマレントゲンの種類については、大きく分けて2つに分けられます。
・回転断層パノラマX線装置
・口内線源パノラマX線装置
平面の画像になるので、骨の厚みや神経の位置などの把握が難しいデメリットもあります。
デンタルレントゲンは、必要な部分のみ撮影し、特定の歯や周辺を詳しく検査ができるレントゲン撮影を指します。
10~18のブロックに分けて撮影を行えるので、一人ひとりの口内状態を把握できるメリットが挙げられます。
デメリットについては、部分的な画像になるので、骨の状態が把握できないので注意が必要です。
パノラマレントゲンと同様に、平面の画像になるので、骨の厚みを正確に把握するのは難しいです。
歯科用CTは、口内状態を3次元(立体)画像のレントゲン撮影を指します。
撮影したデータをコンピュータ処理をすると、断面図や立体画像を作成できるので、手術のシュミレーションが行えるメリットが挙げられます。
インプラント手術前に歯科用CTを行うと、手術時間を短縮できるほか、痛みや腫れなどの体への負担を最小限に抑えられます。
しかし、パノラマレントゲンやデンタルレントゲンよりも、費用が高くなってしまうリスクがあるので、あらかじめ注意が必要です。
インプラント治療で必要な検査項目については、以下が挙げられます。
・骨の幅
・骨の高さ
・隣接する骨との距離
それぞれの検査項目について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
インプラント治療で必要な検査項目として、骨の幅が挙げられます。
骨の幅は、インプラントの直径に関係するので、十分な骨の幅がないのに無理やりインプラントを埋めてしまうと、歯のトラブルの原因になります。
骨の高さは、インプラントの長さに影響します。
インプラント治療を行う際には、骨の高さを把握していないと、下顎の神経を破損してしまうリスクがあります。
逆に、骨の高さが低い場合には、顎の骨に固定されずに、インプラントが抜け落ちてしまう可能性があるので、治療前には骨の高さを入念に調べる必要があります。
インプラント治療を行う前には、隣接する骨との距離を十分把握する必要があります。
人工歯が天然歯に当たってしまうと、咬み合わせが悪くなったり、歯の神経を傷つけたりする可能性があります。
レントゲン撮影で分かることについては、以下2つが挙げられます。
・歯の健康状態
・骨の長さ
それぞれの項目について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
レントゲン撮影では、歯の健康状態の把握が可能です。
インプラント治療では、虫歯や歯周病がある状態で治療を行うことができないので、レントゲン撮影で歯の健康状態を把握する必要があります。
虫歯や歯周病がある状態でインプラント治療を行ってしまうと、インプラント本体が病気になってしまうリスクがあります。
レントゲン撮影では、骨の長さを調べることが可能です。
骨の高さは、一人ひとりによって異なるので、インプラント治療を行う際には、必要な検査項目になります。
骨の長さが全体的に長い場合には、長いインプラントを用意する必要があります。
歯科用CTで分かることについては、主に以下が挙げられます。
・骨の形状
・骨の幅
・骨の高さ
・血管や神経
それぞれの項目について解説します。
歯科用CTは、3次元測定が可能なので、骨の形状を細かく撮影ができます。
レントゲン撮影では、平面でしか測定ができないので、骨が欠損している箇所などを把握でき、インプラント固定の安定にもつながります。
万が一、骨が不足している場合には、骨再生治療を行う必要があるので、事前に確認をしましょう。
立体で撮影を行えるので、骨の幅についてもはっきりと確認が可能です。
レントゲン撮影でも骨の幅は測定が可能ですが、実寸を出すには計算が必要になるので、寸法が異なってしまうリスクがあるのも事実です。
歯科用CTであれば、撮影するだけで計算する必要がなく、スピーディーにインプラント治療を行うことにもつながります。
レントゲン撮影と同様に、骨の高さを測定することが可能です。
歯科用CTであれば実寸を出すのに計算が必要なので、スピーディーに測定できるメリットが挙げられます。
また、測定精度も高いので、治療ミスをしてしまうリスクも減らせるメリットもあります。
歯科用CTであれば、歯の周辺にある血管や神経の撮影が可能です。
血管や神経は、一人ひとりによって位置や本数が異なるので、インプラント治療を行う際には、事前に確認が必要不可欠になります。
下顎は動脈や大きな神経が多くあるので、血管や神経の位置をしっかりと把握していないと、神経麻痺や大量出血の危険性があるので注意が必要です。
レントゲン撮影がない頃にインプラント治療を行っていた時代は、歯科医師の目視や長年の技術、ノウハウなどに頼りながら治療を行っていました。
その結果、インプラント治療の事故が多く発生し、再治療が行われるケースが多く見られました。
また、インプラント治療を行う周辺の天然歯についても、歯を傷つけてしまったり、神経を損傷してしまったりするなどのケースも少なくありません。
レントゲン撮影が普及後は、インプラント治療の事故件数が減っていき、安心してインプラント治療を行えるようになりました。
MRI検査とは、レントゲン撮影や歯科用CTのように画像診断に使用される検査方法で、強力な電波と磁力を使って磁場を発生させて撮影を行います。
そのため、基本的に金属類があると検査結果に悪影響を与えてしまうので、金属が含まれているインプラントがあればMRI撮影を行うことができません。
具体的にMRI検査ができない可能性があるインプラントの種類については、以下が挙げられます。
・インプラントオーバーデンチャー
・医療用インプラント
それぞれのインプラントの種類について紹介していきますので、これからインプラント治療を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
インプラントオーバーデンチャーとは、インプラントや残っている歯を入れ歯で覆い被せる治療方法を指します。
総入れ歯とは異なり、インプラントや天然歯が支えになるので、噛む力が強くなりがあることが挙げられます。
入れ歯とインプラントを固定する際には、磁石によって固定するケースが多くあるので、MRI検査が受けられなくなります。
しかし、インプラントオーバーデンチャーでの、磁石を使用しないケースもあるので、MRI検査を今後受ける可能性がある方は、事前に伝えておくようにしましょう。
医療用インプラントとは、デンタルインプラントとも呼ばれており、一般的なインプラントも含まれます。
インプラント治療に使用される金属や装置などによって、MRI検査が受けられるかどうか異なるので、トラブルを避けるようにあらかじめ確認をしておきましょう。
インプラントが原因でMRI検査を断られた場合の対処方法については、以下が挙げられます。
・チタン製のインプラントであることを伝える
・上部構造を外す
それぞれの対処方法について紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
インプラントが原因でMRI検査を断られるケースとして、金属が使用されていると勘違いされているなどが挙げられます。
MRI検査を受ける前には、インプラントがチタン製であることを伝えておくと、問題なくMRI検査を受けられる可能性があります。
チタン製のインプラントは、金属のひとつに分類されますが、チタンは磁力による悪影響を及ぼすリスクがないので、MRI検査でも問題なく利用できます。
顎の骨を固定しているインプラント本体が金属でなければ、インプラント上部構造を外すだけで、MRI検査を受けられます。
磁力を使っていないインプラントオーバーデンチャーについても、上部構造を外すとMRI検査を受けることが可能です。
今回は、インプラント治療で使用されるレントゲンの種類について知りたい方に向けて、レントゲン撮影で分かることやレントゲン撮影無しでインプラントを行うリスクを紹介しました。
インプラント治療で使用されるレントゲンの種類については、以下が挙げられます。
・パノラマレントゲン
・デンタルレントゲン
・歯科用CT
今回の記事を参考に、インプラント治療で使用されるレントゲン撮影について理解を深めてみてください。
東京都品川区YDC審美インプラント治療専門ガイド
監修:山手歯科クリニック(大井町・戸越公園) 理事長/齋藤和重